【新規事業助成金】申請前の5つの注意点とおすすめの助成金

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新規事業や創業を考えている経営者や起業家としては、不安定なスタートアップの時期ですので、なるべく資金を手元に残しておきたいはずですね。

資金を得る方法としては銀行からの融資が考えられます。

でも、なかなか実績の少ない新規事業や創業期に銀行からの融資は難易度が高いです。また、もし融資が実行されても、返済や利息の支払いの負担も大きいです。そんな時に、返済不要の資金があれば便利です。

そんな返済不要の資金が手に入るような良い話があるのでしょうか?

実は、あります。それが、助成金や補助金と呼ばれるものです。

助成金・補助金は国や地方自治体などが、支援するものです。このように、助成金や補助金は、便利な制度の一方、税金を使うという意味において様々な要件や制限などがあることも確かです。

今回は、「新規事業や創業」で使える「助成金・補助金」はどんなものがあり、どのように申請をしていくのか、注意点はなにか、などを見ていきたいと思います。

そもそも助成金・補助金とは?

そもそも助成金・補助金って何ですか?と聞かれてすぐに明快な答えを返せる人は少ないかもしれません。

なんとなく、「国とか地方公共団体がお金をくれる」というイメージはあるかもしれませんが、具体的には分からない場合も多いです。

それは助成金や補助金は制度としてはあるけれど告知が積極的に行われていないことあるからです。

そのために、知っている人は活用しているけれど、知らないまま全く活用していないというケースも多くあります。

また、助成金や補助金の申請要件や申請の書類が難しくあきらめている人もいます。

このように、便利な制度であるはずなのに、あまり知らない、もしくはあまり取り組んだことがないという人も多いのが、助成金や補助金です。

さらに、今回は既存事業の話ではなく新規事業や創業の助成金・補助金ですので、もっと慣れていない方が多いのではないでしょうか?

そもそも助成金・補助金とは?

助成金・補助金の特徴で一番、最初に来るのが、「返済不要」という点です。

新規事業や創業でも、職種や業種によっては資金が多額にかかる場合があります。

その時に、手元にある自己資金や銀行からの融資だけで資金に不安があります。そこで、返済不要の助成金・補助金を活用できれば、資金繰りは楽になります。

ということで、「助成金や補助金とは、企業を支援する目的で助成や補助を国や地方自治体がする制度」の事です。

助成金と補助金の違いとは?

では、助成金と補助金の違いは何なのでしょうか?実は、明確な違いはありません。

しかし、ある程度違いを知っておいた方が、それぞれの特徴が分かり対応がしやすいなど便利ですので、ここでは大まかな違いを見ておきます。

その大まかな違いを言うと、

  • 「助成金は厚生労働省系のもの多く、雇用の促進、労働者の能力向上などが対象」
  • 「補助金は、経済産業省系のものが多く、起業支援、中小企業支援、技術支援、地域支援などの対象」

になります。

また、助成金は要件を満たして申請をすれば受給できるものが多いのに対して、補助金は申請をしてから審査され、どのくらい採択(審査に合格)されるかどうかは補助金によって大きく変わるので、確実に受給できるものではありません。

申請する期間も限定であり、短期間であるので、申請書類を整えるのも大変です。

さらに助成金が要件を満たしていればよいのに対して補助金は審査があるということは、その審査を通過するように資料の中でアピールをすることも大切になってきます。

このように助成金と補助金は、共通する点も相違点もあります。これを覚えておくと申請する時に、何処に注意すれば良いか分かるようになります。

新規事業で使う助成金・補助金

新規事業の場合は、既存の事業があって新しい取り組みとして、助成金や補助金を使うことになります。

助成金は雇用や従業員育成に関わるものですので、新規事業に関してそれらの方を採用や教育した場合に対象になるかどうか要件を確認することになります。対応しているのであれば、申請を間違いなく行えばよいです。

また補助金については、代表的なものでいうと、「ものづくり補助金」があります。

これは革新的な製品やサービスの開発などについて出される補助金ですので、まさに新規事業で活用できるものです。

ただし募集期間が決まっており、その期間内に申請をすることが求められます。

創業で使う助成金・補助金

創業時に使えた代表的な2つの助成金「受給資格者創業支援助成金」「中小企業基盤人材確保助成金」が平成25年3月31日をもって廃止されており、創業の時に助成金を使うことは限られてきています。

それでも従業員を雇う場合などは、その雇う人によっては、助成金を得ることは出来ます。

また補助金としては、創業補助金や新規事業同様にものづくり補助金などが活用できます。

助成金・補助金の種類

助成金・補助金もその年によって新しく開始されたり、事業仕分けなどの影響で廃止されたりします。

最新のものはその管轄省庁や自治体のホームページを確認することになりますが、今回は代表的なものをピックアップしておきます。

ものづくり補助金

「ものづくり補助金」は、「革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセス改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援」をすることが目的の補助金ですので、まさに新規事業で活用できる補助金です。

「ものづくり補助金」は略称ですので、「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」が正式名称となります。

「ものづくり」が最初に来ているので、製造業だけの補助金のようなイメージを持たれる方もいますが、正式名称を見て分かるように、商業やサービス分野も対象です。

しかし目的は「設備投資等の支援」ですので、製造業はもちろん商業やサービス分野でも設備投資することが前提の補助金です。

この「ものづくり補助金」だけではないですが、年々補助金申請のレベルは高くなっており、採択率は下がっています。

※採択率とは、採択数を申請件数で割ったもの。例:平成27年度補正1次募集では採択率は、採択件数7,729件に対して申請件数が24,011件で32.2%ほど。

採択率を上げるためにも加点を取っておく必要があります。以前から経営革新計画の承認を受けた企業は加点対象となっています。

さらに平成28年7月8日~8月24日に公募されている「平成27年度補正 ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金 2次募集」からは、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の承認を得ると加点対象となります。

採択率が下がっている中、補助金の受給に至るにはしっかりと加点を取る必要があります。

補助金の金額も大きく、設備投資金額の2/3が支給される補助金ですので、魅力的ですがそれだけに事業計画書などをしっかりと作り込む必要がある補助金でもあります。

創業・第2創業推進補助金

次は「創業・第2創業推進補助金」です。名称のとおり、創業もしくは第2創業が対象になります。

目的としてはまさに「創業等に要する経費の一部を助成(以下「補助」という。)する事業で新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させること」となっています。

初めから書いているように、創業したばかりというのは資金が不足しがちであるので、この補助金を受給できると資金繰りが楽になります。

先の「ものづくり補助金」が新規事業向けの補助金に対して、この補助金は名称の通り、創業向けの補助金と言えます。

しかしこの資金を得ることで資金繰りを楽にしたいという考えは創業しようとしている人のほとんどの考えですので、申請数も多く採択率はかなり低くなります。

(例:平成28年度で採択数136件に対して申請件数が2,866件で4.7%)

ものづくり補助金と同様に、申請書類をしっかりと作成する必要があります。

小規模事業者持続化補助金

こちらは日本商工会議所が公募する補助金となります。

対象が小規模事業者となっており、新規事業や創業したばかりの会社でも使いやすいものです。

内容としては「事業計画書に基づく販路開拓等の取り組み」に対しての補助金となります。事業計画書が作成されていることが前提となります。

キャリアアップ助成金

こちらは助成金となります。補助金のように短い募集期間ではなく、要件を満たしていれば対象になります。

また前述したように新規事業や創業に活用できそうな助成金は廃止されていますので、この補助金は、非正規労働者のキャリアアップに対しての助成となります。

新規事業や創業では人を雇う場合も非正規労働者の場合も多く、教えることも多いのでその場合は活用できると思います。

トライアル雇用奨励金

こちらも助成金であり、新規に雇い入れる場合のみ使えるものです。

条件としては職業経験・技能・知識等から安定的な就職が困難な求職者について、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成されます。

助成金を受けるために雇用するというよりは採用のリスクを減らすための助成金ですので、採用する予定がある場合には活用できます。

その他の助成金・補助金

上記のほかにも、国が公募する助成金・補助金もあれば、地方自治体が募集する助成金・補助金もあります。

助成金・補助金は、基本は返済不要ではありますが要件が合致することが前提です。助成金・補助金によって応募する目的はそれぞれですので、要件をしっかりと確認しましょう。

またそもそも募集をしているのを知らないとか、気付かないで応募の時期が終わっているとかも多くあります。

助成金・補助金は新規事業や創業をする時だけでなく、実際に経営をしていく中で情報収集をしておくほうがよいのです。

情報収集はインターネットで、省庁のホームページや地方自治体のホームページで確認します。

またミラサポというホームページも活用できます。

ミラサポは、中小企業庁が、中小企業・小規模事業者サポートする目的で作られたホームページです。

この中には中小企業向けの様々な情報が掲載されているのと同時に、助成金・補助金などの情報提供もされており、「助成金・補助金」を探す際にも役立つホームページです。

ミラサポ https://www.mirasapo.jp/

助成金・補助金の5つの注意点

助成金・補助金は新規事業や創業するにあたって、非常に有効なものです。しかし良いことばかりではなく注意点もあります。

注意点1 新規事業・創業の本来の目的を忘れない

助成金・補助金は有効な手段ですが、本来の目的を忘れると逆効果にもなりかねません。

例えば「全く新規事業をやるつもりはなかったけれど、補助金が出るならやってもよいかな」とか、「創業時に人を雇う必要もなかったけれど、助成金が出るなら雇おうか」などです。

そもそもの新規事業・創業の目的を忘れて助成金や補助金が考え方の中心になってしまっています。

これでは新規事業・創業のその後が危ぶまれます。事業をはじめてみたものの上手く経営が行かず、助成金・補助金を受給した以上に資金を使ってしまう状態になりかねません。

本来は「助成金・補助金がなくても、新規事業・創業をする」と決意して、資金が必要なら銀行借入をしたり、計画を変更して必要資金量を減らしたりしても実行するという気持ちが大切です。

そこに「助け」として助成金や補助金が出るというイメージです。

この点は実際の資金の動きも同様です。助成金・補助金は前払いだと勘違いされている方も多いですが、実際は後払いが基本です。

例えば「ものづくり補助金」が採択され、設備投資をするとします。

基本は採択されてから、自己資金や銀行借入で資金を調達し、設備投資をして納入業者に支払いも済まして、実際に導入・稼働してから後に補助金の受給となります。

つまり一旦は、自己資金(銀行借入を含めて)で設備投資を行う必要があるのです。

「補助金がでるからそれで賄えばよい」と思っても、それはできないのです。一時的にも補助金以外の資金は必要だからです。

この点を忘れると補助金は採択されたけれど、受給まで資金が足りないということにもなってしまいます。

このように新規事業・創業の助けになる助成金・補助金ですが、それに頼り切っては、本来の目的を見失います。

本来の目的を忘れないようにしてください。

注意点2 不正受給しない

「助成金・補助金の不正受給をしてはいけません」というと「そんなの常識だよ」と思われる方がほとんどだと思います。

しかし実際には何とか受給をしようとして申請書類などを意図的に操作して記入する人もいないと限りません。

多くの場合は、審査の時点で判明し採択自体されません。また採択されても実際に受給するまでにも不正が判明すれば取り消されます。

そして受給したとして、その後も会計検査院の検査が入ることもあり、不正は必ずといってよいほど発覚します。

そして不正が発覚すれば、受給前であれば採択の取り消しがされます。そしてもし受給後、発覚すれば全額返還することになります。

全額返還すればそれだけでよいというわけではなく省庁などのホームページで会社名などが公表されてしまいます。さらに悪質な場合であれば、全額返還だけで済まず刑事告訴されることもあるようです。

このようにそもそも不正受給がとおることはないですし、不正受給をしたとしても結局はよいことはありません。

絶対に不正受給を考えないようにしましょう。

注意点3 補助金の採択率をあげるために

前述したように助成金は要件を満たしていればほぼ受給できますが、補助金は採択されるかどうかは審査によって左右されます。

補助金の種類によっては年々採択率が落ちてきており、(=採択される難易度が上がっており)申請者どうしの競争が激しくなっていると言えます。

そんな中採択率をあげるためにはどうしたよいでしょうか?

まずは募集要項をしっかりと読み込むことです。これにより採択率を上げる(もしくは不採用になる率を下げる)ことにつながります。

実際に審査する側の人から見ると、「なんでこんなケアレスミスが・・・」というものも多いそうです。

例えば申請書類の初めに書くはずの会社名や住所を書き忘れたなど。または、必要事項だと募集要項に書いてある部分が書いてないなど意外と当然書くべきことが書いてないということがあるそうです。

これらのケアレスミスは募集要項をしっかりと読んで、しっかりと記入していれば防げるものです。しかもその後の事業計画書などがしっかり書いてあっても、申請書類の不備で採択されないこともあるかもしれません。

次に採択率を上げる方法が「加点」です。補助金によっては、「〇〇をしていると加点があります」というものが要綱に書いてある場合があります。

それを忘れずに対応すれば加点となり、採択率を上げることにつながります。

例えば前にも出てきた「ものづくり補助金」では、経営力向上計画の承認や経営革新計画の承認がされていると加点となります。

ここで注意が必要なのは「加点」だからやってもやらなくてもよいと思いがちです。しかしここまで採択のハードルが上がってくると、多くの企業が加点を狙ってきます。

違う視点で見ると採択の当落線上には多くの企業がいて、「加点があるか、ないか」で採択の可否が決まるような場合も多くあるはずです。

「どうしても時間的に作成は難しい」とか「人数の関係で作成する要員がいない」などの場合を除いて加点を狙うべきなのです。

上記の加点は「ものづくり補助金」の例でしたが、それぞれの補助金によって、加点の情報や「これを書いておかないと減点になる」という情報があります。

それらは多くの場合、募集要項を読み込むことで対応できるので、募集要項の読み込みは大切なのです。

注意点4 専門家の意見を聴く

このように助成金・補助金は、申請書類や事業計画書をしっかりと書くことが求められています。

特に競争が激しい補助金では、要綱どおりに書いてあることは最低限で、それ以上に「PR」まで必要と言われるほどです。

そこまで行くと専門家の意見を聴くことも大切になります。最低限の中でも気を付けるべき点やプラス加点となる書き方などのアドバイスをもらえるからです。

商工会議所に加入しているであれば商工会議所などでも相談できますし、今では、国が中小企業の支援の一環として認めている経営革新等支援機関(認定支援機関)があります。

  • 銀行
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 弁護士

などが認定されており、中小企業が安心して相談できます。

また助成金・補助金の相談を専門に行っているコンサル会社や士業の方も多く、その方々にも相談できます。

これらについても無料で相談を受ける先もあれば、コンサル料や相談料がかかる先もあれば、成果報酬で対応する先もあります。

それぞれに得意分野などもあると思いますので、

  • 口コミ
  • 実績
  • 費用

などを勘案して相談してみてください。

もちろん自社内ですべて申請から審査対応まで行えるのがベストかもしれませんが、経営資源が限られている新規事業・創業の場合では、外部の専門家に頼ることも検討してもよいと思います。

注意点5 事業を計画的に

前の節で書いたように、新規事業・創業を始める本来の目的を忘れてしまうのは意味がありません。

でも助成金・補助金が出るかどうかで事業計画書が大きく変わるのも確かです。

そしてこれも前述したように、助成金・補助金は出たとして、後払いであるので資金繰りの計画も必要となります。

助成金の場合であれば、人の採用や教育についても計画が必要です。

そして特に補助金では、事業計画書に基づいて審査されることが多いです。つまり形だけでの事業計画書では、審査にも通りません。もし通ったとしても、資金繰りができません。

どちらにしても事業をしっかりとした計画に基づいて経営をしないと何も始まらないのです。

事業計画書を立てたこともないかもしれませんし、事業計画書を作成するのはあくまで補助金申請のためだけと思っているかもしれません。

でも上記のように、しっかりと事業計画書がなければ、補助金は通らないのです。

こう考えるとせっかくのよい機会ですので、事業計画書を真剣に作成してみましょう。

それが補助金の採択される率を上げることにもつながりますし、もし採択されても、されなくてもその後の事業を円滑に進めて行くことができる道標となるのです。

まとめ

助成金・補助金のメリットは、ずばり「返済不要」という点です。

新規事業や創業時の企業にとっては非常に有り難いものです。せっかく国や地方自治体などが支援する目的で作られている制度ですので、要件に合致するのであれば、ぜひ、チャレンジしてください。

しかし、どんなものでも同じですが、メリットばかりでなくデメリットもあります。

  • 申請書類が難しい
  • 期間が短かい
  • 競争倍率場高い など

でもその申請書類の中での事業計画書をしっかり立てることが、その新規事業や創業した会社の成長につながることになります。

そし、その事業計画書が補助金の採択率を上げることにもつながります。

まずは助成金・補助金の情報(募集要項)などを手に入れそれを読み込み、申請書類や事業計画書をしっかりと作成することをやっていきましょう。

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