役員変更登記忘れてない?必要な費用と4つのステップとは

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会社の役員が変更した場合、変更登記を行う必要があります。

しかし、変更登記は慣れていないと難易度が高いイメージがあります。

難易度が高いからこそ誰かに相談や依頼したいけれど、

  • 「誰に相談、依頼すれば良いのか?」
  • 「相談や依頼したら費用はどのくらいかかるのか?」

さえも分かりにくいものです。

そして役員変更登記は、会社の総務や経理の方が行うことも多いので、「役員変更登記の費用の仕訳(勘定科目)はどうすれば良いのか?」と言う点も不安に思われているかもしれません。

ぜひ、「役員の変更登記」について知りたい方は、お役立てください。

「法人登記を変更する」とは何か?

会社の役員が変更したからと言って「なぜ登記を行わなければならないのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

もし必須でなければ「やらないで済ませてしまおう」と言う考えもあるかもしれないからです。

結論から言えば登記はしなければなりません。

そもそも法人登記とは?

一般に法人登記(商業登記)とは、登記所において会社名や役員名を商業登記簿に登録することを言います。

厳密に言うと商業登記と言いますが、株式会社と言う法人の登記のことと言う意味で、法人登記と言う言葉を使うことも多くこちらの方が一般的に使われることもあります。(ここより先は商業登記に統一します。)

流れとしては、

  1. 会社設立時に定款を作成
  2. その内容などを登記所(法務局)に登記(商業登記簿に登録)

します。

そしてその作成された商業登記簿の無いように変更がある都度、商業登記簿の変更を行わなければなりません。

ではなぜ会社内のことである役員などの情報を登記しなければならないのでしょうか?

その理由を考える時に、商業登記簿は誰が見ることができるのか?と言う点です。

商業登記簿は、原則誰でも見ることが出来ます。

つまり会社の役員の情報を社外の人が見ることが出来るのです。

「役員の情報なので隠しておきたい」と言ってもそれは許されません。

それは登記する理由にもつながっていきます。

役員などの会社の情報を登記して一般に公開する理由は、商取引の安全性を確保するためです。

例えば、自分の会社と新しく取引を開始しようとしている相手の会社が、自社のことを安全な会社であると調べる時に使うことが出来るものが商業登記簿なのです。

この理由(商取引の安全性の確保)を考えると、古い情報が登記されて新しい情報に変更されていなければ問題が起きてしまうかもしれません。

登記事項に変更があった場合も、期間内(原則2週間以内)に変更の登記をする必要があるのです。

商業登記簿の変更が必要な場合は?

商業登記簿には、役員の情報以外にも様々な情報が登記されています。

例えば、

  • 「商号(会社の名前)」
  • 「本店の所在地」
  • 「決算の公告の方法」
  • 「会社の目的(会社が行っている事業内容)」
  • 「発行可能株式数(会社が発行できる株式数の上限)」
  • 「株式の譲渡制限」

など多岐に渡っています。

これらの商業登記簿に登記されている定款の事項に変更があった場合に、商業登記簿の変更手続きが必要になるのです。

例えば「役員の変更登記」以外でも「会社名を変更した場合」とか「本店所在地の変更(移転)をした場合」などは変更登記が必要となります。

商号や本店所在地を変更することはあまり頻繁にはないことですし、あった場合にも「商業登記簿の変更登記が必要だ」と気付きやすい事項です。

しかし役員変更は会社によっては頻繁に起きますし、時期が来たら(任期が満了したら)自動的に変更登記が必要な場合もあり注意が必要となります。

役員の変更登記はなぜ必要なのか?

ではなぜ役員の変更登記は必要なのでしょうか。

大きな理由としては「商取引の安全性の確保のため(取引をする相手が当社のことを調べる際)に使うなどのため」と言うものがあります。

もう少し細かい理由をあげるとすれば、会社役員の情報は登記されています。

その役員の情報に変更があったら変更登記をするわけですが、どのような場合に変更登記をするかと言う点(どのような理由があって変更登記をしなければならないか)です。

会社の役員の任期は定款で定めることになっています。

以前商法だった時には、

  • 役員の最長任期が2年
  • 監査役の最長任期が4年

でした。

そして会社法では

  • 役員、監査役ともに最長10年まで

任期を延ばせることになりました。

現状では役員の任期が2年の会社もあれば、10年の会社もあるということなのです。

役員の変更登記は、任期の途中で「役員が退任した」「新しい役員が就任した」なども場合も必要ですが、上記の任期の満了がくれば必ず必要となります。

任期が2年としている会社であれば、2年経ったら変更登記が必要となるのです。

これは役員の顔ぶれが変わらなくても、任期を終了し改めて就任したという意味(重任)で登記が必要となります。

ここで注意が必要なのは、「自社の役員の任期は何年なのか」を把握しておくことです。

会社法になって自動的に10年に任期が延びたわけではありません。

2年のまま変更されていなければ2年ごとに役員変更登記が必要となります。

また10年に変更がしてあるとしても注意が必要です。

2年ごとであれば忘れることも少ないかもしれませんが、10年も任期があると「いつ変更時をすべきなのか」を忘れてしまうこともあるからです。

役員変更の登記は、任期の途中での変更の場合と定めた任期の満了による変更がありますので気を付けてください。

役員の変更登記をしないとどうなるのか?

では「役員の変更登記」をしなかったらどうなるのでしょうか?

「役員の変更登記なんて放置してもよいかな」と思ってしまったり、任期が満了しているのに登記を忘れてしまったりしたらどうなるのでしょうか?

役員の変更時は、登記事項に変更が生じた日から2週間以内とされています。

その2週間以内に登記しないと、100万円以下の過料(罰金のようなもの)が代表取締役に課せられる可能性があります。

さらに役員の変更登記などの登記が全くされないまま12年を経過してしまうと法務省により休眠会社として扱われる恐れがあります。

役員の変更登記だけでなくほかの登記でもよいのですが、なかなか他の登記は行われる頻度が少ないです。

役員変更登記は2年ないし、最長でも10年で登記を行うのでこれを忘れないで行えば、問題ないので忘れないようにしましょう。

役員の変更登記の方法とは?

役員の変更登記の流れ

ここでは実際にどのように役員の変更登記を作成するかを見ていきましょう。

ステップ1:株主総会の招集

株主総会の決議が必要です。

役員変更が、臨時の場合は臨時株主を招集します。

任期満了での重任などの場合は定時株主総会を招集します。

ステップ2:株主総会で承認決議

株主総会で承認の決議を受けることが必要となります。

株主総会議事録の作成も必要です。この株主総会議事録が商業登記の際に必要となります。

ステップ3:取締役会にて代表取締役選任の決議

重任や代表取締役が変更のある場合は、取締役会にて選任の決議が必要となります。

これも議事録の作成が必要です。

ステップ4:役員の変更登記

必要書類を作成し、法務局に持参して変更登記を行います。

ステップ2の決議日から原則2週間以内に登記が完了している必要があります。

以上が基本的な役員の変更時のステップです。

現状役員の任期が2年となっているが10年に延ばしたいという場合は…

役員の任期の変更は、株式の譲渡制限をしている非公開会社ができます。

そしてその変更には定款の変更が必要となりますので、株主総会の特別決議が必要となります。

つまり株主総会を開催し特別決議をして株主総会議事録を作成しておくというステップとなります。

ここで株主総会の特別決議とは、原則株式を持つ株主の2分の1以上が出席し、その3分の2以上の賛成が必要となります。

なお役員の任期の変更は登記事項ではありませんので、変更登記は必要ありません。

また、「10年まで任期を延ばせるということは、2年以上10年以下であれば何年でも設定できるので、当社は何年にしようか?」と考える方もいるかもしれません。

任期が長い事によるデメリット

任期が長いことによってのデメリットは、

  • 「途中で変更したい役員が出てきても変更がしにくい(出来ないわけではありませんが)」
  • 「長すぎて変更登記を忘れる」

などが考えられます。

任期が長い事によるメリット

メリットとしては

  • 「変更時にかかる登記の費用が節約できる」
  • 「事務手続きが減らせる」

と言う点です。これらを検討しながら自社に合った任期に設定していくことになります。

役員の変更登記は自分でできるのか?

初めての方が商業登記簿の変更登記などと聞くと、「登記は専門家に依頼するしかない」と思われるかもしれませんが、自分でも十分に対応できます。

参考までに役員の変更登記に関する書籍を紹介しておきます。

「ケース別 株式会社・有限会社の役員変更登記の手続」(著者 永渕圭一:出版社 日本法令 3,100円税抜き) 

⇒ http://www.horei.co.jp/item/cgi-bin/itemDetail.cgi?itemcd=2472440

上記の株主総会の議事録や取締役会の議事録を作成が必要となりますが、これらもインターネットなどで検索すれば雛形がありますので、それほど難しくはありません。

また、その他の必用書類は法務局のホームページからもダウンロードできます。

法務局ホームページ「商業・法人登記の申請書様式」

⇒ http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1-2

これらをしっかりと記載して法務局に提出すれば、自分で作成・登記はできます。

しかし株主総会決議から2週間以内に登記を完了している必要がありますので、慣れていないと大変です。

先に分かっている場合は前もって準備しておくほうがよいです。

また以下のような自分で作成する場合のキット(ひな形や書類とその解説がセットになったもの)が販売されていますので活用するもの一つの手段です。

  • 株式会社役員重任手続きキット

http://www.kit-manual.com/junin/

  • ひとりでできるもん

https://www.hitodeki.com/lp/change_all.php

上記のように自分でも役員の変更登記はできます。

しかしそれでも心配な場合や手続きを簡潔に済ませたい場合は専門家に依頼することもできます。

役員の変更登記を専門家に相談・依頼する場合は?

前述のように役員の変更登記は自分でもできますが、

  • 「専門家に相談したい」
  • 「専門家に依頼したい」

と言う場合もあります。

しかし「誰に相談したらよいのか?」と言う疑問があります。

会社関係の書類の専門家と言うと

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 税理士

が思い浮かびます。誰の相談や依頼をしたらよいのでしょうか?

結論を言うと原則「登記の手続きが行えるのは司法書士」となります。

しかし「税理士や行政書士も登記手続きをしているのでは?」と思われた方も多いかもしれません。

これは違法行為をしていない前提で考えるのであれば、社内に司法書士がいるか、提携の司法書士に依頼(外注)しているということです。

つまり窓口は違えども、原則司法書士に相談・依頼することになります。

役員の変更登記の費用の比較

最低限掛かる費用としては登録免許税があります。

登記する際にかかる税ですので、必ず必要となります。

役員の変更登記の登録免許税は1万円です。(資本金が1億円以上の場合は、登録免許税は3万円となります。)

これにプラスして専門家必要などがかかります。

つまりすべて自分で行えば上記の登録免許税だけとなります。

そのほかは例えば

  • 自分でやるために書籍を購入すれば、「書籍代+登録免許税」
  • 作成キットなどを購入すれば「キット代+登録免許税」
  • 専門家に依頼すれば「報酬・手数料+登録免許税」

となります。専門家の報酬は2~4万円前後が多いです。

自分で行う場合と専門家に依頼する場合のメリット・デメリット

役員の変更登記を自分で行う場合と専門家の依頼する時のそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

役員の変更登記を自分で行う場合

メリットは、何と言っても費用が少なくて済むという点です。

上記のようにすべて自分で行えば登録免許税以外の費用は掛かりません。

自分で行う場合のデメリットは事務処理の煩雑さです。

このような書類作成や登記に慣れていればそれほど時間や労力はかかりませんが、初めて行う場合は書き方も分からなかったり、調べるのに時間がかかったりします。

専門家に依頼する場合

専門家に依頼するとメリットとすれば、自分で行う場合の時間や労力を削減できる点です。

また登記に関する相談をしたり、的確なアドバイスをもらえたりするという点もメリットです。

例えば「任期を何年にしたほうがよいのか?」などはその会社の状況に合わせてアドバイスをいただけることもあります。

専門家に依頼するデメリットすれば費用面です。

最近は司法書士事務所のホームページなどで報酬などが記載されていますのでそれらを参考にしながら依頼をしていくほうがよいです。

専門家を選ぶ時の注意点

費用としては上記のように最近ではホームページに報酬が載っているので確認できます。

もし知り合いなどの紹介により司法書士に相談・依頼する場合は先に報酬額を確認した方がよいです。

報酬に決まりはないので、その司法書士又は司法所事務所によって報酬額は変わります。

また税理士や行政書士が窓口になっている場合もどのような料金体系になっているか、どこの範疇まで対応してくれるのか確認すべきです。

例えば税理士事務所内に司法書士がいる場合などは、通常の顧問料の中で対応してくれ場合もあるかもしれませんし、「顧問料の中で対応してくれると思っていたら、別料金だった」と言うこともあるかもしれません。

注意点としてはどこに依頼するにしても、料金体系やどの範囲までやってくれるのかを確認することです。

役員の変更登記に関わる経理処理とは?

登録免許税の経理処理とは?

自分で役員の変更登記をする場合でも専門家に依頼する場合でも、登録免許税がかかるとお伝えしました。

そこで次に出て着る疑問が「この登録免許税をどのようの処理するのか?」です。

登録免許税は、「租税公課」と言う勘定科目で処理します。

例えば登録免許税10,000円を現金で支払った場合の仕訳は

「(借方)租税公課10,000/(貸方)現金10,000」

になります。

専門家費用の経理処理とは?

役員変更登記を専門家(司法書士)に依頼した場合の経理処理も見ていきましょう。

司法書士に依頼した場合でも登録免許税はかかります。

それにプラスして報酬がかかることになります。報酬の勘定科目を支払手数料とします。

また、司法書士への報酬は源泉徴収することが必要になります。

例えば、報酬20,000円(源泉徴収額1,021円)、登録免許税10,000円の差し引き28,979円を現金で支払った場合の経理処理です。

借方)支払手数料20,000円/(貸方)現 金28,979円

(借方)登録免許税10,000円/(貸方)預り金 1,021円

となります。

経理処理を行う際の注意点

上記のように司法書士に支払う報酬については源泉徴収が必要となります。

国税庁のホームページ「司法書士等に支払う報酬・料金」を参照

⇒ http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2801.htm

これらに気を付けて支払、経理処理を行う必要があります。

まとめ

役員の変更は「社内の情報」としてだけでなく「社外の人が知りえる情報」としても重要だということです。

登記をすることによって誰でもその情報が見えるようにする必要があります。

そしてそれは法令で定められており、登記をしないと過料もあります。

役員の変更登記についてしっかり理解しておけば、それほど難しいことではありませんのできちんと対応していきましょう。

 

 

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