誰でもできる!事務所移転が簡単にできる7つのポイント
起業したばかりの頃は自宅を事務所として使用したり、バーチャルオフィスなどを活用している方も多いかと思います。
しかし事業が軌道に乗り、社員を採用する必要がある場合はどこかに事務所を借りて心機一転再スタートを切ろうと考えるのではないでしょうか。
もし事務所を移転したら一体どんな手続きをしなくてはいけないのでしょうか。
できる限り面倒な手続きは避けたいところです。
しかし必要最低限の手続きは行わないといけません。
事務所移転するために必要な行動を一緒に考えてみましょう。
Contents
事務所移転を決めたら…
ポイント1 物件を探そう
まずは何より先に物件を探しましょう。
- エリア
- 家賃金額
- 広さ
- 最寄り駅
など譲れない条件があるはずですので、まずは先に条件を決めておき物件を探しましょう。
物件数はとても多いので、必要最低限の条件を決めておく事で情報を絞って探す事ができます。
人気のあるエリアや駅に近い物件は家賃が高いでしょうし、広い事務所は駅から遠い場所にあるかもしれません。
何を一番重要視するかで様々な物件があるかと思いますので、納得のいく事務所を探してみましょう。
ポイント2 物件の契約をしよう
気に入った物件を見つけたら契約を進めましょう。
通常法人での不動産契約には
- 登記簿謄本
- 実印(契約書押印)
- 印鑑証明
- 連帯保証人の実印、印鑑証明
- 直近の決算書
等の用意が必要となります。
また書類は有効期限が決められていますので(発行から3ヶ月、6ヶ月など)、事前に提出先に確認をしてください。
また他にも必要な書類を指示されたら速やかに用意をして、できる限りスムーズに契約できるようにしましょう。
印鑑証明については「知っているようで知らないシリーズ2【法人印鑑証明】」記事を参照してください。
登記簿謄本については「知っているようで知らないシリーズ1【登記簿謄本とは?】」記事を参照してください。
ポイント3 引っ越しをしよう
どれだけ荷物が少ないと思っていても実際に荷物をまとめるとかなりの荷物がある事に気がつきます。
まずは荷物をまとめる前に不用な物は処分しましょう。
でも何でも捨ててしまってはいけません。
書類などは法律で保存期限が定められていますので、注意をしましょう。
引用 http://www.e-somu.com/business/document/document_top
◎経理・税務 |
文書名 | 起算日 | 根拠条文 | 年限 |
計算書類および附属明細書 (貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表) |
作成した時 | 会社法435 | 10年 |
会計帳簿および事業に関する重要書類 (総勘定元帳、各種補助簿、株式申込簿、株式割当簿、株式台帳、株式名義書換簿、、配当簿、印鑑簿など) |
帳簿閉鎖の時 | 会社法432 ※会社法に規定される「会計帳簿および事業に関する重要な資料」は主なものを挙げた。 |
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取引に関する帳簿 (仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、、買掛帳など) ※証憑書類のうち取引に関する事項(法人税法施行規則の別表22に定める記載事項の全部または一部)を帳簿に記載することに代えて、記載されている書類を整理保存している場合の書類を含む |
帳簿閉鎖日および書類作成日・受領日の属する事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日(当該事業年度分の申告書提出期限の翌日) | 法人税法施行規則59、67 ※2001年3月31日以前に開始した事業年度については、保存年限6年(国外関連者との取引に際して作成された一定の書類)のものと、保存年限5年(棚卸資産の取引に際して作成された一定の書類)のものがある。 |
7年 |
決算に関して作成された書類 (上に挙げた、会社法で10年保存が義務づけられている書類以外) |
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現金の収受、払出し、預貯金の預入れ・引出しに際して作成された取引証憑書類 (領収書、預金通帳、借用証、小切手、手形控、振込通知書など) |
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有価証券の取引に際して作成された証憑書類 (有価証券受渡計算書、有価証券預り証、売買報告書、社債申込書など) |
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取引証憑書類 (請求書、注文請書、契約書、見積書、仕入伝票など) |
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電子取引の取引情報に係る電磁的記録 (取引に関して受領または交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項の記録) |
電子帳簿保存法施行規則8 | ||
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書 | 法定申告期限 | 国税通則法70~73 | |
給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 | 課税関係終了の日 | ||
源泉徴収簿(賃金台帳) | 法定申告期限 | ||
課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書等 (5年経週後は、帳簿または請求書等のいずれかを保存) |
課税期間末の翌日から2ヶ月を経過した日 | 消費税法30、消費税法施行令50、消費税法施行規則15の3 | |
資産の譲渡等、課税仕入、課税貨物の保税地域からの引取りに関する帳簿 | 課税期間末の翌日から2ヶ月を経過した日 | 消費税法58、消費税法施行令71 | |
監査報告 (本店備置き分。支店備置き分はその謄本を3年保存)(監査役設置会社等の場合) |
株主総会の1週間(取締役会設置会社は2週間)前の日 | 会社法442 | 5年 |
会計監査報告 (本店備置き分。支店備置き分はその謄本を3年保存)(会計監査人設置会社の場合) |
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会計参与が備え置くべき計算書類、附属明細書、会計参与報告 (会計参与設置会社の場合。会計参与が定めた場所に備置き) |
会社法378 | ||
金融機関等が保存する非課税貯蓄申込書、非課税貯蓄申告書、非課税貯蓄限度額変更申告書、非課税貯蓄異動申告書、非課税貯蓄勤務先異動申告書、非課税貯蓄廃止申告書などの写し | これらの申告書、退職等に関する通知書等の提出があった年の翌年 | 所得税法施行令48、所得税法施行規則13、租税特別措置法施行令2の21、租税特別措置法施行規則3の6 | |
金融機関等が保存する海外転勤者の財産形成非課税住宅貯蓄継続適用申告書、海外転勤者の国内勤務申告書などの写し | |||
金融機関等が保存する退職等に関する通知書 |
◎人事・労務 |
文書名 | 起算日 | 根拠条文 | 年限 |
重要な人事に関する文書 | 法律等による保存年限はないが、文書の性格上、永久保存が必要と考えられるもの | 永久 | |
労働組合との協定書 | |||
従業員の身元保証書 | 作成日 | 身元保証二関スル法律1、2 | 5年 |
誓約書などの種類 | |||
雇用保険の被保険者に関する書類 (雇用保険被保険者資格取得等確認通知書、同転勤届受理通知書、同資格喪失確認通知書(離職証明書の事業主控)など) |
完結の日 (その適用事業所を退職等した日。以下同じ) |
雇用保険法施行規則143 | 4年 |
労働者名簿 | 死亡・退職・解雇の日 | 労働基準法109、労働基準法施行規則56 | 3年 |
賃金台帳 (国税通則法では7年保存を義務付け) |
最後の記入をした日 | ||
雇入れ・解雇・退職に関する書類 | 退職・死亡の日 | ||
災害補償に関する書類 | 災害補償の終わった日 | ||
賃金のその他労働関係の重要書類 (労働時間を記録するタイムカード、残業命令書、残業報告書など) |
完結の日 | ||
企画業務型裁量労働制についての労使委員会の決議事項の記録 | 有効期間の満了後 | 労働基準法施行規則24の2の3 | |
労使委員会議事録 | 開催日 | 労働基準法施行規則24の2の4 | |
労災保険に関する書類 | 完結の日 | 労働者災害補償保険法施行規則51 | |
労働保険の徴収・納付等の関係書類 | 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則70 | ||
家内労働者帳簿 | 最後の記入日 | 家内労働法施行規則24 | |
派遣元管理台帳 | 契約完了の日 | 労働者派遣事業法37 | |
派遣先管理台帳 | 労働者保険事業法42 | ||
身体障害者であることを明らかにすることができる書類 (診断書など) |
死亡・退職・解雇の日 | 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則45 | |
家内労働に関する帳簿 | 最後の記入日 | 家内労働法施行規則24 | |
雇用保険に関する書類 (雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届など。労働保険の保険料の徴収等に関する法律または同施行規則4による書類は3年) |
完結の日 | 雇用保険法施行規則143 | 2年 |
健康保険・厚生年金保険に関する書類 (被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書、標準報酬改定通知書など) |
健康保険法施行規則34、厚生年金保険法施行規則28 |
◎労働安全衛生 |
文書名 | 起算日 | 根拠条文 | 年限 |
クロム酸等の空気中における濃度の定期測定記録 | 作成日 | 特定化学物質障害予防規則|36 | 30年 |
特別管理物質についての作業の記録 | 当該事業場において常時当該作業に従事することとなった日 | 特定化学物質障害予防規則|38の4 | |
放射線業務従事者の線量の測定結果記録 ※当該記録を5年保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときはこの限りでない |
作成日 | 電離放射線障害防止規則9 | |
電離放射線健康診断個人票 ※当該記録を5年保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときはこの限りでない |
電離放射線障害防止規則57 | ||
特別管理物質を取り扱う業務に携わる労働者の特定化学物質健康診断個人票 | 特定化学物質障害予防規則40 | ||
粉じん濃度の測定記録、測定結果の評価記録 | 粉じん障害防止規則26、26の2 | 7年 | |
じん肺健康診断記録、じん肺健康診断に係るエックス線写真 | じん肺法17 | ||
一般健康診断個人票 | 労働安全衛生規則51 | 5年 | |
有機溶剤等健康診断個人票 | 有機溶剤中毒予防規則30 | ||
鉛健康診断個人票 | 鉛中毒予防規則54 | ||
四アルキル鉛健康診断個人票 | 四アルキル鉛中毒予防規則23 | ||
特定化学物質健康診断個人票 ※クロム酸等は30年 |
特定化学物質障害予防規則40 | ||
高気圧業務健康診断個人票 | 高気圧作業安全衛生規則39 | ||
高圧室内業務の減圧状況の記録 | 高気圧作業安全衛生規則20の2 | ||
線量当量率の測定の記録 | 電離放射線障害防止規則54 | ||
放射性物質の濃度測定の記録 | 電離放射線障害防止規則55 | ||
放射線事故に関する測定の記録 | 電離放射線障害防止規則45 | ||
安全委員会議事録 | 労働安全衛生規則23 | 3年 | |
衛生委員会議事録 | |||
安全衛生委員会議事録 | |||
救護に関する訓練の記録 | 労働安全衛生規則24の4 | ||
危険・有害業務に従事するときの安全衛生のためのときの安全衛生のための特別教育の記録 | 労働安全衛生規則38 |
◎総務・庶務 |
文書名 | 起算日 | 根拠条文 | 年限 |
定款 | 法律等による保存年限はないが、文書の性格上、永久保存が必要と考えられるもの(会社法31、特許法67など)このほか、次の文書を永久保存している会社もある。 ●株主総会議事録 ●取締役会議事録(役員会議事録) ●稟議書、重要決裁文書 ●財務諸表および附属明細書、税務申告書 ●固定資産台帳および固定資産の取得・売却に関する書類 ●顧客名簿 ●印鑑登録簿 ●外部団体加入・脱退関係書類など |
永久 | |
株主名簿、新株予約権原簿、社債原簿、端株原簿、株券喪失登録簿 | |||
登記・訴訟関係書類(権利証など) | |||
官公庁への提出文書、官公署からの許可書・認可書、通達などに関する重要な書類 | |||
知的所有権に関する関係書類(特許証や登録証、特許料や登録料の受領書など) | |||
社規・社則およびこれに類する通達文書 | |||
効力の永続する契約に関する文書 | |||
重要な権利や財産の得喪等に関する文書 | |||
社報・社内報、重要刊行物 | |||
製品の開発・設計に関する重要な文書 | |||
株主総会議事録 (本店備置き分。支店備置き分はその謄本を5年保存) |
株主総会の日 | 会社法318 | 10年 |
取締役会議事録 | 取締役会の日 | 会社法371 | |
監査役会議事録 | 監査役会の日 | 会社法394 | |
委員会議事録 (指名委員会、監査委員会、報酬委員会) |
委員会の日 | 会社法413 | |
重要会議の記録 | 記録作成の日 | ||
満期または解約となった契約書 | 満期または解約の日 | ||
製品の製造、加工、出荷、販売の記録 ※民法724の規定では、20年が期限 |
製品の引渡し日 | 製造物責任法5、6 | |
事業報告 (本店備置き分。支店備置き分はその謄本を3年保存) |
株主総会の1週間 (取締役会設置会社は2週間)前の日) |
会社法442 | 5年 |
有価証券届出書・有価証券報告書およびその添付書類、訂正届出(報告)書の写し | 内閣総理大臣に提出した日 | 金融取引法25 | |
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写し | 管理票の写しを受領した日 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則8の26 | |
産業廃棄物処理の委託契約書 | 契約終了日 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則8の4の3 | |
契約期限を伴う覚書・念書・協定書など | 契約期間終了の日 | ||
重要な内容の発信・受信文書 | 発信・受信日 | ||
四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し | 内閣総理大臣に提出した日 | 金融商品取引法25 | 3年 |
官公署関係の簡易な認可・出願等の文書 | 出願・受領日 | ||
業務日報、社内会議の記録、軽易な契約関係書類、参照の必要性のある文書など | 記録・作成日 | ||
臨時報告書、自己株券買付状況報告書およびそれぞれの訂正報告書の写し | 内閣総理大臣に提出した日 | 金融商品取引法25 | 1年 |
当直日誌、軽易な往復文書、受信・発信文書、通知書類・調査書類・参考書類など | 記入日、作成日 |
※最新の情報は各自お問い合わせ頂きご確認お願い申し上げます。
引っ越し業者を決める際は、比較サイトである「引っ越し侍」などが便利です。
条件を入力すると様々な業者から提案の連絡がありますので、色々な業者を一気に比較することができます。
事務所の移転が終わったら…
ポイント4 変更登記をしよう
本店を移転していたら登記簿謄本を変更しなくてはいけません。
商業登記簿には、様々な情報が登記されています。
例えば、
- 「商号(会社の名前)」
- 「本店の所在地」
- 「決算の公告の方法」
- 「会社の目的(会社が行っている事業内容)」
- 「発行可能株式数(会社が発行できる株式数の上限)」
- 「株式の譲渡制限」
など多岐に渡っています。
これらの商業登記簿に登記されている定款の事項に変更があった場合に、商業登記簿の変更手続きが必要になるのです。
例えば「会社名を変更した場合」とか「本店所在地の変更(移転)をした場合」などは変更登記が必要となります。
ポイント5 税務署や役所に届け出をしよう
[手続名]異動事項に関する届出
概要
事業年度等の変更、納税地の異動、資本金額等の異動、商号又は名称の変更、代表者の変更、事業目的の変更、会社の合併、会社の分割による事業の譲渡若しくは譲受け、法人区分の変更、支店・工場等の異動等をした場合の手続です。
[手続根拠]
法人税法第15条、第20条、法人税法施行令第18条
[手続対象者]
異動等を行った法人等
[提出時期]
異動等後速やかに
[提出方法]
届出書を1部(調査課所管法人は2部)作成の上、提出先に持参又は送付してください。
[手数料]
不要です。
[添付書類・部数]
なし
なお、異動事項の内容確認のため、登記事項証明書、定款等の写しを確認させていただく場合があります。
引用 https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_5.htm
また法人事業税や法人市民税、社会保険や労働保険も移転の申請をしましょう。
こちらは本店所在地により提出方法が様々ですので、問い合わせの上漏れなく申請をしてください。
ポイント6 事務所移転の挨拶状を出そう
事務所の移転が決まったら取引先やお客様に移転のご案内をしましょう。
移転を機に少し遠ざかっていた取引先やお客様にコンタクトを取るチャンスです。
お客様へのご案内はただの移転のご案内にせず、「引っ越し記念サービス」などのキャンペーンを展開して、引っ越しを売上げにつなげるキャンペーンをしてみましょう。
ポイント7 名刺や封筒を作成しよう
新しい住所での
- 名刺
- 封筒
- ゴム印
を作成しましょう。最近は全てネットで発注ができますので、手間もかかりません。
古い封筒が余っていたらもったいないなと思ってしまうかもしれませんが、社外向けには古い封筒は使用しないようにしましょう。
まとめ
事務所の移転はとにかくパワーが必要ですが、新しい環境は新たなパワーを会社に与えてくれます。
オシャレなエリアでオシャレな事務所を…、と思っても実際はそうは行きません。
しかし工夫次第では自分の理想の事務所作りをする事ができます。
できるだけ費用を抑えて、できるだけ理想の事務所作りをするために楽しんで事務所移転をしてください。