リストラしないされない!リストラに負けないための基礎知識

労働者にとって非常につらい気持ちになるのが「リストラ」です。
一方で経営層にとっても、あまり経営がうまくいっていない証拠でもあるため、悩ましい決断となるのは間違いないでしょう。
労働者にとっても経営者にとってもつらい決断であるリストラはなぜ起こるのでしょうか。
Contents
経営者から見たリストラとは?
労働者側から見たリストラは早期退職とセットになってきているため、イメージしやすいのではないでしょうか。
一方で経営者側から見たリストラとは、どういうものであるか見ていきましょう。
そもそも、会社が上手く行っていればリストラは発生しないのかといわれたら、疑問の余地が残ります。
リストラとは「リストラクチャリング」の略語であり、経営上の事情により人員削減の手段として行う解雇とのことを言います。
しかし、「リストラクチャリング」自体に解雇という意味は薄く、本来の意味は事業構造を再構築することを意味しているのです。
本来であれば企業が成長しているしていないにかかわらず、自社の戦略として不採算部門の事業縮小や撤退などの整理を行う、成長事業や高収益事業への人の異動を行うなど、経営資源を「選択と集中」の元、コントロールすることに主眼が置かれています。
つまり、経営者側から見ると、単なる経営戦略の一環でもあるのです。
しかし、多くの場合は今まで一緒に働いてきた社員を路頭に迷わす決断を含んでいるため、非常に重いものと感じている経営者が多いでしょう。
解雇とリストラの違い
解雇とリストラでは意味は全く異なります。
解雇は、労働者が労働契約上の責務を行わない場合に発生する、お互いにとって残念な結果と呼べるものといえるでしょう。
- 「普通解雇」
- 「整理解雇」
- 「懲戒解雇」
と大きく分けて3つの解雇があります。
「リストラ」は先述した通り、本来は重要な経営戦略です。
しかし、大きな会社などで実施されているのは、リストラという名前で行われている「整理解雇」であるといえるでしょう。
リストラが始まる会社の特徴
リストラである「整理解雇」が行われるような業績不振に悩まされている会社の行動には特徴があります。
それは、その会社で労働している時に肌で感じるものといえるでしょう。
長期的な仕事がなくなる
長期的な仕事というのは、その事業や企業あるいは人が長く存在することを前提とした仕事ということが出来るでしょう。
こうした仕事が少なくなってくる、少数の人に集中しだすといった状況は非常に危険です。
経営層がリストラを考えている可能性があります。
また、同時に、こうした仕事の絶対数が減ってきていると感じる場合はもっと危険といえるかもしれません。
企業そのもの存続にかかわる重要な指標です。
内容や量が急に変わる
今まで大きな変化がなかったにもかかわらず、仕事の内容や量が変更されるというのも、リストラが起こる前兆といえるかもしれません。
特に社内で何か大きな投資などが行われていない場合や、大きなミスが発覚したわけではない場合など、事件もきっかけもなく、仕事の内容や量が変更されるというのは、会社が労働者の選定を行っている可能性があります
自社や関連会社の株価が不安定になる
株価というのはそれそのものが、企業の業績を測る重要な要素であります。
また、多くの人が判断している指標でもあります。
そのため、業績の悪化やその傾向がわかると、株価も大きく揺れ動くのです。
株価の動きをきっかけにリストラを考える経営者もいます。
多くのステークホルダーが確認している指標なので、説得性が違うといえるでしょう。
役員の雰囲気がピリピリし始める
上司から経費削減を強く言われたり、勤務態度などに対する見方が厳しくなってきたりという場合は、会社の経営がうまくいっていない可能性があります。
社内の空気が厳しくなったと感じた時は、何が原因か考えましょう。
外部から人を招聘したり、何か新しいことを始めたりといった、大きな動きがなかった場合は、冷静に原因を見極める必要がありそうです。
リストラを受けたときに考えたいこと
まじめに仕事をしていたとしても、リストラの対象となってしまうかどうかは、最終的には運となる要素も大きいものです。
何をしていれば絶対安全ということがない以上、自分が対象となってしまった時の心構えを準備しましょう。
生活費の圧縮
リストラの対象になってしまった場合でも、まずは退職金といった形で大きな金額をもらえることもあるでしょう。
しかし、今まで定額で振り込まれていた金額が途切れてしまうというのは意外と大きなことです。
また、自分の人生プランを再び考える必要があり、何をするにもお金が必要であることを考えると、少しの間でも生活費を節約していくことを考えましょう。
子供たちの学習や日々の食費、ローンの支払いなど、圧縮できない部分はありますが、衣服や趣味などの出費を抑えることは可能です。
多くの場合、こうした圧縮は一時的なものとなりますので、安心してください。
まずは、自分の生活プランやキャリアプランを整えることが先決です。
再就職支援サービスや転職
生活プランやキャリアプランを再構築した後は、また仕事をすることになると思います。
最近では、転職サービスなども幅広く、また地方自治体が整備している再就職支援もかなり充実しています。
なかなか腰が上がらないかもしれませんが、話を聞くだけでもいいかもしれません。
動き出してみることが肝要です。
リストラのショックを癒す
リストラというのは、いわば会社からいらないといわれてしまったともいえます。
「失格者」として見られてしまったというのは、自覚している以上に大きなショックをもたらします。
このショックを隠そうとすると、後々大きな問題を引き起こすこともあるでしょう。
そのため、まずはリストラのショックを癒すことが重要です。
最近では、リストラや転職を経験した人は非常に多くなっています。
自分の友人の中にもそういった経験が多い人もいるのではないでしょうか。
妻や家族を心配させないためにも、日々頑張ってしまうという人でも、時に弱音は吐かなければ、次のステップは弱弱しいものになってしまいます。
心のダメージを癒すには時間と他人が必要です。
ぜひ、食事に行くなりレジャーを楽しむなりして、自分の心に折り合いをつけてみてください。
あなたが思うほど、あなたを落伍者だと思う人はいないものです。
リストラは不当?正当なリストラの4要件
本来会社には雇用を維持しなければならないという決まりごとがあり、会社の経営が悪化しているからという理由だけでは、簡単に労働者の雇用を打ち切ることが出来ません。
そのため、客観的合理性がなければリストラも簡単にはできないのです。リストラを行うためには4つの条件が必要です。
これを確認してみましょう。
人員整理の必要性
基本的に人員整理をする理由は、企業の維持存続です。
維持存続のために何が必要なのかはその時次第といえますが、そのうちのひとつが人員整理ということもできます。
客観的に見て、企業が非常に経営危機にあえいでいて、解雇・人員整理以外に抜本的な打開策がないと認められる場合に、リストラが可能になるといわれているのです。
解雇回避努力義務の履行
経営危機の状態だからすぐに人員整理という頃はできません。
解雇以外の方策で、経営危機を乗り切ろうという計画も絶対に必要です。
いうならば、今いる従業員の雇用はできる限り守るべきという前提を覆すことは出来ないのです。
そのため、新規や中途の採用抑制や、希望退職者の募集などを並列で行っていくことになります。
非解雇者選定の合理性
合理性とは、説明性と言い換えることもできます。
客観的に見て、整理解雇の対象となる理由や選定基準が具体的であり合理性があることが必要です。
過去の勤務成績や会社の貢献などから、比較的作りやすいともいわれています。
手続きの妥当性
整理解雇を行う際に、労働協約を守る必要はあります。
解雇同意条項などがこれに当たります。
また、一般的に解雇を行う際には、その必要性の説明、協議の必要性などが定められています。
これは、労働基準法にも定められている重要な項目であり、この手続きや項目が無視されてしまった場合、解雇自体が無効となる可能性も否定できません。
まとめ
リストラは経営が苦しい企業が行う、最終方策の一つと考えられます。
リストラを行わなければ、抜本的な改善が難しい時にしか行われないものです。
労働者としては、会社に残るのは一種の権利でもあります。
また不当なリストラは、解雇の無効を求めて訴えることも可能でしょう。
もし、リストラの対象となってしまった場合でも、人生が全て終わってしまう訳ではありません。
会社に残るのも縁ですし、去るのも縁です。
新しい人生プランを考えてるきっかけやチャンスとなる可能性もあるのではないでしょうか?