目指せ地域No.1!エリアマーケティング3つのポイント

今あなたはどのようなビジネスをしていますか?

またこれからどのようなビジネスを目指していますか?

ネットで完結するビジネスであれば、日本中・世界中を相手に仕事をができますが、店舗ビジネスや訪問する形式のビジネスであれば、エリアが限られてきます。

しかもエリアには同じようなお店がたくさんある場合はライバルにも勝ち続けないといけません。

そのようなエリアの中で自社の強みを最大限に活用できる方法はあるのでしょうか。

エリアマーケティングを理解しよう!

エリアマーケティングとは?

エリア・マーケティングとは経営学用語の一つで、「市場を単なる商品売買の場として捕らえるのではなく、顧客の日常の生活空間として捉え、そこから商店の存在する場所に特化した経営を展開していくという経営戦略」のことです。

そのため地域住民の意識や生活様式を把握し、それらを店舗レイアウトや品揃えや広告活動に反映させていくことになるため、きめ細かな対応を行うということになります。

引用元 ウィキペディア

エリアマーケティングの必要性

ではなぜエリアマーケティングが必要なのでしょうか?

日本は世界から見れば小さな国かもしれませんが、地域により気候や気温が全く違います。また味の好みも地域ごとに様々です。

全国展開をしている飲食店は同じ商品でも、地域ごとに味を変えています。

平均年齢が高いエリアと低いエリアでは求められるサービスが違います。そのため事前にそのエリアを調査して、そのエリアでは何が求められているか分析する必要があります。

エリアマーケティングのつ3のポイント

ポイント 地域の人口分布図をチェック!

あなたのビジネスがエリアビジネスの場合は市役所の人口分布図を確認してみましょう。

男女比、年齢別人口が発表されているので、どの層が多いのか確認をしてください。エリアビジネスの場合はある程度人がいるエリアを狙ったほうがいいです。

またサービスや商品のペルソナが多いか確認をしてください。

PM1

横浜市人口の対前年同月比較増加数の推移 引用元 http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/jinko/news-j.html

PM2

横浜市年齢別人口(平成27年1月1日現在) 引用元 http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/jinko/age/new/age-j.html

ポイント ライバルを調べよう!

インターネットやタウンページでエリア内にライバルがどのくらいいるか調べられますが、下記方法だと一目瞭然でわかります。

例 横浜市で造園会社を経営している場合のライバル調査

Googleで「横浜市 造園会社」で検索

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例 東京都千代田区 貸し会議室を経営している場合のライバル調査

Googleで「東京都千代田区 貸し会議室」で検索

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いかがでしょうか。

文字で見るよりも一目でどのくらいライバルがいるか情報が入ってきます。

ここで見つけたライバルはサイト等のチェックしてどのような流れでお客様に対応しているか確認をしてください。

家族に頼んで一度サービスを実際に申し込んで、利用してみるというのも有効な手段です。

ライバルは「地域」「業種」検索結果の1ページ目にある

ライバル企業を探すのに便利で確実な方法は、検索エンジンで「地域」「業種」を打ち込んでみることです。

例えば「八王子市」「工務店」とか「渋谷区」「パン屋」などです。このとき検索エンジンが探しだしてくれる上位結果があなたのライバルとなります。

あなたの店舗や会社の近所に住んでいるとか知り合いだとかという以外のお客さんは、どうやってあなたのことを知るのかと考えれば良いのです。

自分自身、例えばこれから入りたい居酒屋さんを探す場合、同じように「今いるところ」「居酒屋」と検索するはずですよね。

それと同じことをやってみましょう。

ライバルのトップページからライバルの強みを3つ取り上げる

次にやることは、検索結果1ページ目のライバルサイトを実際に見てみることです。

この時に

  • ただ印象としてクールだな
  • 商品情報がいっぱいあるな

といった感想で終わらないようにしましょう。

ライバルの強みを3つずつ抽出してエクセルシートなどに書き出しましょう。

検索上位にきているサイトはSEO的にも優れているので、タイトルに自社のアピールポイントがうまく表現されているケースが多いです。

例えば「水のトラブル」「横浜」と検索すると、1ページ目に「クラシアン」が出て来ます。横浜支社の紹介ページからトップページに行ってみると、タイトル周辺に強みがばっちり載っていますね。

  1. 予定に合わせて!ネットやFAXで作業予約
  2. 24時間受付365日対応
  3. 20年以上の信頼と実績があるクラシアン

この時、自分の会社のことを考えながらチェックします。

あなたの会社は、ネットやFAXで作業予約ができますか?
電話のみ対応ではありませんか?

あなたの会社は、24時間受付365日対応ですか?
平日朝9時から夕方5時までではありませんか?

あなたの会社は、20年以上の信頼と実績がありますか?
まだ開業して3年ほどではありませんか?

多くのライバルが語っている強みは避けながら、

  • どうやってライバルと違う強みを出せるか
  • 今ある自社のリソースから考えていかにライバルとの差を出せるか

などを考えながら、強みのチェックを進めます。

 ポイント 実際エリアに住んでいるペルソナにヒアリングしよう

商品やサービスを設定したときに決めたペルソナにより近い人にヒアリングをしましょう。実際の声ほどリアルな物はありません。

  • どんな商品が必要か
  • どんな申込方法がベストか
  • 理想の価格帯はどのくらいか
  • 特典があるとすればどんな物が欲しいか

など細かい点までヒアリングをしましょう。

またヒアリングが難しいようでしたら、無料や安価で商品を提供してモニター募集をして、アンケートに回答頂きましょう。

インタビューの際は

  • 年齢
  • 住所
  • 職業

といった基本情報はもちろん、「どうしてそう思うのか」といった、数値に表すことができない「感情」についてもしっかりインタビューをして聞き出すことが重要です。

具体的にはA4サイズ1枚の中に、以下のような項目が記入できるようなシートを準備した上でインタビューを行うとよいでしょう。

  • 年齢
  • 住所
  • 職業
  • 移動中などの隙間時間は何をしている?
  • 知らない情報があった場合には何を使ってどのように探している?
  • 今興味があることは何?
  • 今不満に思っていることは何?
  • ○○(商品・サービスに関連するワード)が必要なときにはどうしている?

上記において列挙した項目は、あくまでも一例です。

ペルソナとは

「ペルソナ」とはその製品・サービスを利用する上で理想となる顧客像のことを指します。

元々はラテン語で「人」「位格」、古典劇を演じる役者さんが使った「仮面」のことを指しました。

そこから転じて、心理学者のユングが人間の外的側面のことを「ペルソナ」と呼んだことから、心理学はもちろん、マーケティング分野においても「ペルソナ」という考えが広まりました。

エリアマーケティング導入のメリットとデメリット

メリットその1 ノウハウ化できる

エリアマーケティング導入時のノウハウをまとまて、他のエリアの同業種又は異業種の経営者に販売できます。

エリアマーケティング導入までを

  • ステップ化
  • マニュアル化
  • チェックリスト化

など作成しておけば、すぐに販売できます。自分のエリアなどライバルになりうる会社に販売しないように注意しましょう。

またノウハウは全て販売せず、一部のみ内容を公開しフランチャイズ化などの展開も可能です。

またノウハウを販売した後も、その後の運営などでコンサル契約につながることもあります。コンサル契約ができれば、継続して安定した収入が確保することができます。

メリットその2 成功率の高い計画を立てられる

エリアマーケティング導入時には、綿密な調査をするので、成功率の高い計画を立てる事ができます。

ライバル調査やSWOT分析などで自社のポジショニングを確認する事ができます。

SWOT分析とは

【目的】自社と競合の強みを分析する

【説明】SWOT分析は、自社の目標達成のために「強み」(Strength)、「弱み」(Weakness)、「機会(Opportunity)」、「脅威(Threat)」 の4つの要因を軸に、事業の評価や目標達成のための戦略を練るツールです

【注意点】 SWOT分析は、先ほどの3C分析をさらに具体化するテクニックとも言えます。方法は、下記のようなマトリックスにそって自社を分析します。他のフレームワークを援用しつつ、各マトリックスをいかに具体化できるかがポイントとなります。

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デメリット1 サービス提供数が限られる

インターネット等で全国に販売できる物とは違い、限られたエリアに住んでいるお客様の元へ伺ってサービスを提供する場合は、1日に提供できるサービス提供数に限界があります。

稼働スタッフ数を増やせば、提供数は増えますが人件費や交通費や燃料費のコストの増加なども考えられます。

限られた人数で対応する場合は、ルートを守った移動を行い効率よく移動しましょう。

またお伺いした先では必ず

  • 周辺のお客様にご挨拶する
  • チラシのポスティングをする

を行い、1回の訪問で多くのお客様と接点を持てるようにしましょう。

デメリット2 ライバルに真似をされやすい

エリア内でうまくいったサービスは、同じエリア内のライバルにすぐに真似をされてしまいます。

ライバルはただうまくいった仕組みをまねるだけでいいので、すぐに同じようなサイトやチラシが増えていきます。

なので常に自社にしかできない強みを出し続けないといけません。

  • 24時間以内に対応
  • 返金保証
  • 定期的な勉強会の開催

価格の値下げで勝負をせず、あくまでもサービスで勝負をしてください。

お客様は他社より金額が高くても、そのサービスやスタッフに満足をすれば、高くても購入をしてくれます。

エリアマーケティング成功事例

ではここで実際のエリアマーケティングの成功事例をご紹介しましょう。

【業種】 造園会社 

【会社所在地】 神奈川県横浜市

横浜市内で主に公共工事を中心とした造園工事業を営んでいましたが、公共工事に頼ってばかりの経営体質を改善するために、個人向けの庭木のお手入れサービスの導入を検討しました。

ステップ1 ペルソナ設定

まずはペルソナを決めました。今までは自宅の庭の手入れは休日にお父さんやおじいちゃんがしていた家庭も、代が変わり若い夫婦がメインとなっていることを想定しました。

ペルソナ名 田中真紀様

  • 31歳主婦
  • 旦那様の年収は800万円
  • 本人の年収は200万円
  • 子供2人(7歳と4歳)
  • 現在は9時から5時のパートで事務職をしている
  • 車はプリウス
  • 戸建て住宅は3000万円で購入
  • 趣味は旅行、カフェ巡り

ステップ2 エリアの戸建て住宅数をチェック

エリアの一戸建て住宅数を調査しました。

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引用元 http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/census/jutakutochi1310.html

ステップ3 エリアの人口分布をチェック

エリアの人口状況を確認しました。

PM2

横浜市年齢別人口(平成27年1月1日現在) 引用元 http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/jinko/age/new/age-j.html

ステップ4 ペルソナを研究

設定したペルソナはどんな庭木の手入れサービスがあったら喜ぶか徹底的に洗い出しをして、細かい商品設定をしました。

  • 職人さんが怖い⇒職人っぽい作業着は着用せず、ユニフォームはポロシャツにズボンで対応
  • お茶を出したくない⇒あえてお茶出しはいらないとお約束
  • 家に入られたくない、トイレを貸したくない⇒トレイは借りないことをお約束
  • 作業後急に高い金額を言われそう⇒見積もりより高い請求はしないことをお約束
  • 子供がいるから薬剤が心配⇒薬剤の使用制限をお約束

などペルソナの不安を消し、喜んでいただけるお客様への約束事項を決めて宣言しました。

また家の中を通らなくてはいけない作業の場合は、しっかり養生をするだけでなく作業員は新しい靴下に履き替えて作業をすることなどをお客様目線でのサービスを徹底しました。

このビジネスは大成功をして、現在もエリア内ではトップを走り続けています。

まとめ

エリアマーケティングに関しましてご理解いただけましたでしょうか。

インターネットビジネスが多くを占めているビジネス業界ですが、店舗ビジネスやエリアビジネスはどうしてもいろいろな上限があります。

しかしその欠点に変わるアイデアを出し続けることで、エリアビジネスには限界はありません。

最初から無理だ…、と考えないでください。

「どうしたらこれが実現可能になるのか?」という視点で考えるといろいろなアイデアが出てくるはずです。

地域No.1を目指し、またその地域を大きく盛り上げてください。

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