フレームワークの種類・目的・注意点まずはこれを押さえよう

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世の中には様々なフレームワークがあります。経営学や経営管理工学などの理論を背景に持つものもあれば、普段何気なく使っているものまで、その数は膨大です。

ここでは、ビジネスの現場、個人の思考整理が必要な場面で直感的にすぐに使えるフレームワークを集めました。 注意点では、フレームワークを使うときに陥りがちな落とし穴や活用のヒントを説明していますので、ぜひ活用してみてください。

ビジネス戦略をたてるときに使えるフレームワーク群

MECE

【目的】問題の「モレ」と「ダブリ」をなくして課題をスッキリさせる

【説明】例えば成人男性を「サラリーマン」と「学生」に分けたとします。この場合自営業者や経営者などが抜け落ちてしまいますので「モレ」がある状態です。 また、成人女性を「主婦」「OL」「既婚者」に分けた場合、「主婦」で「既婚者」、また「OL」で「既婚者」の部分に「タブリ」が生じます。

【注意点】実際に使えない分類をしても意味がありません! 男性の例でいうと、例えばWEBで単純な職業アンケートをフォームで送ってもらう場合には「サラリーマン」「学生」「自営業」「会社経営」「その他」の区切り方でMECEはできていますが、社会人大学院生に対して教材を勧めるサイトで「サラリーマン」「学生」「自営業」「会社経営」という区切り方をしては不十分です。

そのサイトが対象とする男性の場合には当然「サラリーマン」であって「学生」、「会社経営」者であって「学生」というダブリが生じるのが当たり前だからです。また、同様に起業家向けサイトのセミナー募集応募フォームでは「学生」と「会社経営」にタブリが生じます。 分類する「軸」(この場合、「社会人大学院生」「起業家」)に即してケースバイケースで最適なMECEを行うことが基本です。

仮説思考

【目的】アイディアにストーリーを導入する

【説明】仮説思考は、状況を結論から逆算して整理する方法です。セブン-イレブンではアルバイトの主婦から学生まで、商品の発注時にこのフレームワークを使っています。

  1. 仮説をたてる
  2. 裏付けデータを収集する
  3. 仮説を実行する
  4. 仮説の検証をする

【注意点】 1の「仮説」から考える正しい方法とは例えば次のような例です。

  1. 明日は週末で天気予報では絶好の釣り日和だから、早朝から多くの釣り客が昼食を買いに来るはずだろう。かなり気温が上がりそうだから、時間がたっても傷みにくいものを買うはずだ。「よし!梅のおにぎりをたくさん仕入れておこう」
  2. この店で過去に一番梅おにぎりが売れた時の個数をPOSデータから抽出したら100個だった
  3. 100個売れた時は明日の予想気温よりも低かったので明日は120個仕入れよう
  4. 予想は当たり、おにぎりは120個でも足りなかった。次回からもっと強気に仕入れよう

陥りがちな仮説思考の間違いは、1と2が逆転すること、つまり最初に「裏付けデータを収集」し、次に「仮説を立てる」をやってしまうことです。例えばコンビニといえばPOSデータですが、セブン-イレブンでは過去のPOSデータから発注を考えてはいません。 梅おにぎりの例で言えば、「POSデータによれば、8月の梅おにぎりの平均値は60個なので、60個の仕入れをキープしておこう」という発想には自分なりの仮説が全く入っていませんので、仮説思考になっていません。仮説がないので仮説の検証もできませんから、創意工夫・戦略の改善につながっていきません。

ロジックツリー

【目的】論理的に整理して相手に納得してもらう

【説明】ロジックツリーとは、問題をツリー(樹木)状に分解して整理し、その原因や解決策を探る方法です。 代表的なロジッククツリーには、「なぜ?」を繰り返すWhyツリーと「どうやって」を繰り返すHowツリーがあります。

【注意点】 Whyツリーは、うまく使えば見えていなかった課題点を浮き彫りにすることができます。しかし、使い方を間違うと堂々巡りになってしまいます。

例えば「なぜ売上が上がらないのか」⇒「広告宣伝費が足りないからだ」、では「なぜ広告宣伝費が足りないのか」⇒「売上が上がっていないからだ」となると、完全にロジックの遊びになってしまいます。 ロジックツリーではWhyツリーとHowツリーを組み合わせて使うことが有効です。「どうやって売上を上げるのか」⇒「広告宣伝費をかける」「訪問件数を増やす」「・・・」、では、「広告予算を増やさなくてもすぐに実施できる訪問件数増加をまずやろう、広告予算増加については来季の課題として別途提案しよう」などの現実的な解決方法が見えてきます。

5W1H

【目的】プランニングの全体を整理する

【説明】5W1Hは、

  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Why (どうして)
  • How(どのように)

にそって物事を整理することです。文章を書く時の基本ですが、マーケティングのフレームワークとしても非常に有効です。

【注意点】 5W1Hは基本的に現在の状況やプランニングを的確にストーリーで表現するときに有効です。例えばWho(10代の女性に)What=(新商品のコスメを)When(夏休みに入る前1週間限定で)Where=どこで(渋谷で)Why(全国展開のテストケースとして需要を確認したいので)How(試供品として提供する)というプランはとても明確です。

しかし、実際に上記のプランを実行するためには、仮説思考などの別のフレームワークと組み合わせて、そのプランや状況説明が本当に妥当かどうかを検証する必要もあります。「いつ、どこで・・・」というストーリーは便利だけど、反面なんとでもなってしまうという面もあるので、5W1Hで整理したストーリーが独りよがりなものにならないように注意しましょう。

PEST分析

【目的】外部環境を整理する

【説明】PESTは、マクロな変動要因である、政治(Politics)、経済(Economics)、社会 (Society)、技術(Technology)の頭文字をとったものです。

【注意点】 営業戦略やマーケティング戦略を練る場合、私たちはどうしても近視眼的になりがちです。しかしネットでの医薬品の販売許可などの規制緩和(政治的要因=P)や、アベノミクスによる消費の拡大による飲食店での高級メニューの追加(経済的要因)、大震災によるリスク管理の高まりによる保険加入の増大や防災グッズの売上拡大(社会的要因)、WindowsXPサポート打ち切りによる新規需要の拡大(技術要因)など、大きな視点からビジネスチャンスを発見することが可能です。

3C分析

【目的】3つのCで問題を客観視する

【説明】3Cとは、「顧客」(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字です。顧客、競合、自社の3つの視点から課題点を見つけ出して、自社の戦略を立案するための定番フレームワークです。

【注意点】 3C分析のゴールは、成功の鍵(KSF=Key Success Factor)などを発見することです。ただ単に自社の置かれている状況を確認するだけで終わらずに、自社(Company)はどのようにしたら競合(Competitor)と差別化が可能で、「顧客」(Customer)の支持を得ることができるかまで落としこむことが大切です。この点で、3C分析で客観的に現状を確認した後、SWOT分析に引き継ぐという方法が有効でしょう。

SWOT分析

【目的】自社と競合の強みを分析する

【説明】SWOT分析は、自社の目標達成のために「強み」(Strength)、「弱み」(Weakness)、「機会(Opportunity)」、「脅威(Threat)」 の4つの要因を軸に、事業の評価や目標達成のための戦略を練るツールです

【注意点】 SWOT分析は、先ほどの3C分析をさらに具体化するテクニックとも言えます。方法は、下記のようなマトリックスにそって自社を分析します。他のフレームワークを援用しつつ、各マトリックスをいかに具体化できるかがポイントとなります。

SWOT

バランススコアカード

【目的】自社の優位性を整理する

【説明】バランススコアカードの特徴は、数値的な「財務データ」を独立で分析せずに、「顧客」「業務プロセス」「学習成長」という4つの側面から分析するところに特徴があります。やり方としては、まず戦略目標(KGI= Key Goal lndicator) を決め、それに必要不可欠な重要成功要因(CSF= Critical Success Factor)を「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習成長」に落としこむということになります。

【注意点】 財務的な観点だけでなく、顧客の視点、業務プロセスの視点、成長と学習の視点を総合した業績評価を行なうためには戦略を立てた後に、実行、検証してよりよい戦略にブラッシュアップしていく作業が欠かせません。その意味で、バランススコアカードはPDCAサイクルのような実践的な活動の中で常に評価・検証される必要があります。

ランチェスター戦略

【目的】弱者は強者と同じ戦い方をしてはいけない

【説明】ランチェスター戦略には2つの法則があります。第1法則は、一騎打ちや接近戦では弱者が強者の損害は互角で、勝敗は人員数と装備の質が決定しますので弱者にチャンスのある戦略です。第2法則は近代兵器によって行われる戦いで、攻撃力は兵力の2乗となるため強者に有利な戦略となります。 したがって、弱者に有利な戦略とは「差別化の戦略」となり、強者が目を向けないニッチ市場や細分化した市場において独自のポジションを築く戦略です。一方、強者の戦略とは大きな経営資源を投入して、市場を支配のルールそのものを支配してしまう戦略です。

【注意点】 強者である企業と弱者である企業の戦い方は180度違います。従って、強者向けに書かれたビジネス書で書かれていることを、中小企業やベンチャーの戦略立案にそのまま応用してもあまり有効でない場合が多いです。強者向けに書かれているビジネス書などは、SWOT分析のフレームワークなどの「競合分析」に使うなど、自社にあった読み方をしましょう。

コトラーの4つの競争地位

【目的】プレイヤーの市場でのポジションを把握する

【説明】 コトラーは代表的なポジションを、界ごとに圧倒的知名度でトップシェアをとっている存在「リーダー」、トップ企業ではないものの、知名度も抜群で業界の上位グループをキープしている「チャレンジャー」、安定したマーケットに向けて、一定の利益を確保するポジションをキープ「フォロワー」、市場の絞込みなどで、特定分野で一定のシェアを獲得している「ニッチャー」の四つの事象に分けました。

【注意点】 コトラーの分類は直感的に非常に分かりやすいのが特徴です。ただし、そのポジションを構成する製品やサービスなどの強みや弱みは個々に違います。個々の製品やサービスの詳細な分析はPPMなどを使ってより詳細に把握すべきでしょう。また、現在のポジションを分析する枠組みとしては優れていますが、今後の戦略立案などには、アンゾフの成長マトリックスなどのよりダイナミックな分析に適したフレームワークを併用すると効果があります。

アンゾフの成長マトリックス

【目的】どんな成長戦略が描けるか確認する

【説明】 アンゾフは、経営戦略を市場と製品の2つの視点から、それぞれ既存・新規と分けることによって4つの成長戦略に分類しました。

アンゾフ

  • 市場浸透戦略(既存の市場×既存の製品) 既存のマーケットシェアをより高めることで、収益性が高め事業を安定させます。自社ブランドへのロイヤルティの高い顧客などの囲い込みなどが主な施策です
  • 新製品開発戦略(既存の市場×新規の製品) 既存の販路と顧客を活用し、既存製品の周辺商材、高価格高機能化製品、低価格低機能化製品、バリュー・イノベーション製品などを投入します
  • 新市場開拓戦略(新規の市場×既存の製品) 既存製品を、新規の顧客層へ広げる成長戦略です。海外や地方への営業拡大や、シニアや若年層などへのターゲットの拡大などの販路拡大です
  • 多角化戦略(新規の市場×新規の製品) 多角化の内容によって、さらに「水平型多角化」「垂直型多角化」「集中型多角化」「コングロマリット型多角化」に分類されます。

【注意点】 企業の成長戦略の分類として非常に有効ですが、1企業単体のみで完結させる必要はありません。提携戦略でこれらのフレームワークを活用するほうが時間的、コスト的にも現実的な場合もあるので柔軟に考えましょう。例えば「新市場開拓戦略」を取る場合に、営業会社に外注したり、「新製品開発戦略」で優れた製品を持つ他社を買収したり、技術提携したりすることでも同じ効果が得られる場合もあります。

プロダクト・ライフサイクル

【目的】製品寿命をシミュレーションする

【説明】 人間の寿命と同じように、製品にも「寿命」があります。市場を支配していたように見えた製品もやがてその役割を終えていきます。こうした製品の寿命を導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのステージに分けたモデルがPLC(プロダクトライフサイクル) です

【注意点】 多くの製品にPLCは当てはまりますが、製品によってはこのパターンに当てはまらないものもあります。著名人の発言や口コミなどのきっかけでブレークする「遅咲き型」や、ファッションのように、一定のサイクルでブームが再燃する「サイクル型」、お菓子などの数十年渡って定番商品となる「持続型」などがあります。

PPM

【目的】売れ筋商品を洗い出す

【説明】 PPMでは縦軸に市場成長率、横軸に相対マーケットシェアをとって4つの事象で事業を分類します。

PPM

  • 花形事業(高成長率・高シェア) これから本格的な成熟期を迎える、まさに伸び盛りの旬の商材です。ヒト・モノ・カネの資源投入を続けて、「金のなる木」に育てることが目標になります
  • 金のなる木(低成長率・高シェア) 製品やサービスの最終段階で、安定した事業収益をもたらしますが、逆に言えば今後大きな発展が望めない分野とも言えます。この事業を企業の核にしつつ、新しい製品やサービスの開拓をすることが重要です
  • 問題児(高成長率・低シェア) まだ海の物とも山の物ともつかない状態です。大きく化けて花形産業になるか、もしくは爆発的な成長を遂げないまま。ならないまま「負け犬」事業になって撤退の決断を迫られる場合もあります
  • 負け犬(低成長率・低シェア) 撤退や売却などの判断が必要になるお荷物事業で、そのまま放置すると本体の経営を圧迫しかねません。

【注意点】 製品やサービスのライフサイクル分析として非常に分かりやすいのが特徴です。次の項目の「バリューポートフォリオ」などと組み合わせて、製品やサービスの分析にとどまらず、事業全体の成長戦略と結びつけることで、より具体的なアクションプランに落としこむことが可能になります。

バリューポートフォリオ

【目的】今後の核になる戦略を見極める

【説明】 PPMが製品のライフサイクル分析ならば、「バリューポートフォリオ」は、製品とサービスを市場へ投入していく事業そのものを「株主からの視点」と「経営者の視点」の2つの視点から分析し、経営資源をどの事業に投下すべきかを分析するフレームワークです。 4つの領域は「本命事業」「変革事業」「機会事業」「見切り事業」と呼ばれます。

【注意点】 バリューポートフォリオの特徴は、PPMの製品のライフサイクルを事業に拡大して分析した点と、事業の分析を株主にとっての業績指標であるROI (投資当たりのリターン、資本効率)と、「企業ビジョンや経営理念」の軸から分析するところです。 このバランスをいかに上手に取るかで、会社経営の方向性や製品やサービスのライフサイクル戦略も変わってきます。

ブルー・オーシャン

【目的】戦わずして勝つ方法を見つける

【説明】ブルーオーシャン戦略とは、競争の血の海(レッドオーシャン)を避け、独自の新市場(ブルーオーシャン) を切り拓いていく戦略です。

【注意点】 このブルーオーシャン戦略は、競合との競争を避けることを目的としたフレームワークです。SWOT分析を初めとした多くのフレームワークが、競合を分析し、競合に打ち勝つことを主目的としたレッドオーシャン型フレームワークだということに注意しましょう。 直接勝つのではなく、「直接的な競合を避けることで最終的に勝つ」という発想の転換がこのフレームワークを活用するときの基本的な姿勢となります。

バリュー・イノベーション

【目的】低コストと高付加価値を実現する

【説明】 バリューイノベーションは「コストを引き下げると同時に顧客の価値を実現する」ことです。ただ単に競合がやってこないニッチ市場を守るという姿勢ではなく、下記のようなERRCを追求することで実現できるフレームワークです。

【ERRC】

  1. Eliminate 余分なコスト要因を完全に除去する
  2. Reduce 余分なコスト要因を減らす
  3. Raise 新しい価値を増加させる
  4. Create 新しい価値を付け加える

【注意点】 製品やサービスの改良は「コストをかけて機能を充実させる」(高価格高機能)もしくは「コストを減らして機能を絞る」(低価格低機能)のどちらかになりがちです。この発想にとらわれているうちは、結局レッドオーシャンの中での戦いを強いられることになります。1,000円散髪のQBハウスのようなブルーオーシャン戦略には、顧客のサービス満足度とコスト満足度の両立が欠かせません。

コア・コンピタンス

【目的】資源集中すべき事業を選別する

【説明】コア・コンピタンスとは、「他社には提供できないような価値を顧客に提供できる核となる能力」です。SWOT分析と似ていますが、より客観的な数値に落とし込めるのが「コア・コンピタンス」の特徴です。

【注意点】 実際には、コア・コンピタンスの「数値」に何を使ったらよいか悩むケースが多いのですが、KPIの数値をイメージすればよいでしょう。すなわち、ウェブマーケティングで言えば「インプレッション数」「ユニークアクセス数」「コンバージョンレート」「離脱率」などです。通常の営業指標で言えば、「成約率」や「業界占有率」などです。SWOT分析のように、主観的な項目の列挙で終わらないレベルに落とし込めるかどうかがポイントとなります。

個人の思考整理や業務改善に使えるフレームワーク群

PDCA

【目的】好循環の作業サイクルを確立する

【説明】PDCAサイクルという名称は、タスクを達成の流れの4段階の頭文字を表します。

  1. Plan (計画) 仮説に基づいて計画を策定します
  2. Do (実施・実行) まずは計画を実行します
  3. Check (点検・評価) 実施した計画の結果が仮説と合致しているか検証します
  4. Act (処置・改善) 仮説通りに行かなかった部分を調べて仮説の見直しを図ります

【注意点】 PDCAは1回実施しただけで終わりではありません。P→D→C→Aを何回も回す、つまりP→D→C→A→P→D→C→A→P→D→C→A・・・と繰り返していくことにポイントがあります。もちろん単なるルーチンワークではなく、毎回結果をきちんとチェックして新しいアクションにフィードバックしてPDCAサイクルの質を高めていく努力が不可欠です。

GTD

【目的】書き出すことで課題を整理する

【説明】 GTDでは、以下の5つのステップで仕事を整理・実行します。

  • ステップ1 収集  頭の中にあるモヤモヤをすべて書き出す
  • ステップ2 処理  書き出した事柄を分類し、リストに仕分ける
  • ステップ3 整理  作ったリストを手帳やスマホアプリにインプットする
  • ステップ4 見直し 自分が置かれている状況や達成度に応じて再整理する
  • ステップ5 実行  今できることの中からやるべきタスクを実行する

【注意点】 一見Todoリストと同じに見えますが、GTDではステップ1にあるように「すべて書き出す」ことがポイントです。GTDの基本的な考え方は、物事の優先順位にはきまった直線的な流れがあるのではなく、状況に応じて変化していくものである、というものです。従って最初は関連性がないと思われていた事柄も、整理・再整理するうちに関連性があることに気がついたりします。優先順だけでピックアップされたTodoリストでは、この当初見えなかった関連性を再発見してリストを質的にアップデートすることができず、ただ単にやる事リストの順番を並び替えるだけになってしまいますので、注意しましょう。

プロコン

【目的】賛成反対の対立概念で問題を浮かび上がらせる

【説明】Pros Consリストは、ある課題について、そのメリットとデメリット(あるいは長所と短所)を明らかにするフレームワークです。一見曖昧で整理しにくい事柄でも良い点悪い点を軸に整理すると、課題が浮き彫りになってくる場合が多いです。

【注意点】 製品やサービスのメリット・デメリットを検討するときには、顧客視点でアイディアを発想するようにしましょう。例えば、ある製品が営業マンにとって売りやすいか売りにくいかという軸で発想するのではなく、顧客にとって使いやすいか使いにくいか、顧客にとって魅力的かそうでないか、という視点を持つことです。この視点を軸にすることによって普段囚われていた固定観念が打ち破られて、しい販売方法のブレークスルーが期待できます。

PERT図

【目的】クリティカルパスを発見する

【説明】PERT (Program Evaluation and Review Technique) とは、プロジェクトを最短で完了させるためのオペレーシヨンズ・リサーチ(OR)の方法です。全体スケジュールに影響を与える重点作業は何かを求めるPERT図はアローダイアグラムとも呼ばれています。

【注意点】 PERT図はもともと経営管理工学として、理論的に定式化されたもので数値が出てきてとっつきにくいという印象を持っている人もいるでしょう。しかし、ポイントは「クリティカルパス」を見ぬくことで、それさえできればこのフレームワークを使いこなしたと言っていいのです。

クリティカルパスとは、絶対に動かせないスケジュールだと考えましょう。つまり、一日も早めることはできないし、一日も遅れることはできないという縛りのあるスケジュールです。例えば難易度の高い部品を外注していて、その部品は今月の15日にならないと納品されない、そしてあとの作業工程を考えると納品されたら即日部品の組立に入らないと納期完成できない(部品がないので、組立作業も前倒しできない)、この部分がクリティカルパスです。前後のスケジュールを調整できない部分と言っても良いでしょう。細かな理論的なことは脇においておき、この点を見つけ出すということに注目すれば、PERT図は使いこなせるようになります。

バリューチェーン

【目的】どのビジネスプロセスが優れているか見極める

【説明】バリューチェーンは『競争優位の戦略』でマイケル・ポーターが考案した「価値(value) の連鎖」の分析です。事業プロセスのすべての段階において、どのプロセスがどのような価値を生んでいるのか、競争力はどこにあるのかを分析するためのフレームワークです。

【注意点】 バリューチェーンは、「材料や部品の購買物流」「製造」「出荷物流」「販売・マーケティング」「サービス」の主活動と、「調達活動」「技術開発」「人事・労務管理」「全般管理」の支援活動に大別されます。普通に「価値」の分析というと「付加価値」(販売価格から購買原料のコストを引いた額)を考えてしまいますが、企業活動の本当の価値(競争優位の源泉)は最終的な製品やサービスの付加価値だけでなく、支援活動を含めた部分の価値の総量にあるというのが、このフレームワークのポイントです。この考え方でいけば、例えば製品の付加価値が互角であっても即日配達を実現している「出荷物流」に優れたサービス(例えばAmazon)の方がトータルの価値は高いと評価でき、ネット時代のサービス分析にも適しています。

制約条件

【目的】ある条件下で問題解決を最適化する

【説明】制約条件とは「ボトルネック」(瓶の出口)つまり課題達成を妨げている究極の原因のことですボトルネックは、納期や資源、人員などタスクの状況によって変わっていきます。他の条件を向上させたとしても、ボトルネックを潰さないかぎりはそのボトルネックの性能以上の結果は出せないという発送が根底にあります。

【注意点】 品質改善や業務プロセスの見直しでは、QCサークルのように、作業全体のクオリティを向上させることも大切ですが、この出口を狭めている部分を見つけ出し改善していくことが重要です。例えば、いくら自社工場内のラインを改善して作業スピードを高めたとしても、外注先からの部品の納期スピードが一向に改善されない場合には無駄な努力となってしまいます。この場合、「外注先からの納期」が瓶の出口となって、その他の努力の水準を低い水準に固定してしまいます。このボトルネックはすぐにわからない場合もあり、つねにボトルネックを発見していくことが大切になってきます。

マーケティングアイディアを形にするのに使えるフレームワーク

マーケット・セグメンテーション

【目的】ターゲットをはっきりさせる

【説明】マーケット・セグメンテーションとは、ターゲットを細分化することで特定の見込み客に絞り込んで商品やサービスを展開することを言います。例えば、年齢、収入、家族人数、職業などのデモグラフィックデータ、国や地域などの地理的データ、購買頻度や購入金額などの顧客データなどです。

【注意点】 STPマーケティング(「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」)というフレームワークがあるように、「セグメンテーション」と「ターゲティング」は別物なので区別しましょう。セグメンテーションはあくまで、似たような特徴を持つ人を細分化して分類把握することです。そして切り分けたセグメントの中から、一つまたは複数のセグメントを対象顧客として選び出す活動を「ターゲティング」と呼びます。ターゲティングするときには、自社の強みや市場のトレンドなど、利益があげられるという確度の強い対象を選別するわけです。

マーケティングミックス

【目的】売れる仕組みを作り上げる

【説明】 マーケテイングミックスとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion) という4つのPを組み合わせてマーケティング戦略を実行することをいいます。 ただ、この4Pという視点はあくまで売り手からのものであり、顧客の側から見たマーケティングミックスとして、4Cという考え方が提唱されました。対応は下記のようになります。

  • 製品(Product)=顧客価値(Customer Value)
  • 価格(Price)=顧客にとっての経費(Cost)
  • プロモーション(Promotion)=顧客とのコミュニケーション(Communication)
  • 流通(Place)=顧客利便性(Convenience)

【注意点】両面から考えないとダメ! マーケテイングミックスを売り手から見れば4P、買い手から見れば4Cということになります。現在、マーケティングミックスは4Cで考えることが重要だと言われています。4Pから4Cの流れは「プロダクトアウト」から「マーケットイン」への発想の転換です。簡単にいえば、プロダクトアウトは「いいものを作れば売れる」という発想でありマーケットインは、「顧客の望むものを作る」です。

しかし、ここで注意しなければいけないのは、顧客は自分の望んでいるものを本当は知らない、という場合もあるということです。例えばiPhoneが世の中に出た時、顧客は顕在的にそれを望んでいたわけではありませんでした。アップル社は顧客が潜在的に望んでいるものまで考えぬいたうえで、あえて4P視点で製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の一連の流れを新しく創造したとも言えるでしょう。 決して4Pが古くなったのではなく、その両面から考えていくことが今なお重要なのです。

ポジションニングマップ

【目的】自社の商品のポジションを確立させる

【説明】 STPマーケティング(「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」)というフレームワークの最後の部分を占めるのがポジショニングです。セグメンテーションは似たような特徴を持つ人を細分化して分類把握することで、その中から、一つまたは複数のセグメントを対象顧客として選び出す活動を「ターゲティング」と呼びます。ポジショニングとは、その選ばれたターゲットに対して、いかにして独自のポジションを築くかを目的とした差別化戦略と言えるでしょう。

【注意点】 ポジショニングには、大きく分けてレッドオーシャン型のポジショニングと、ブルーオーシャン型のポジショニングがあります。レッドオーシャン型のポジショニングを分析するフレームワークとしては、SWOT分析や、コトラーの4つの競争地位があります。一方ブルーオーシャン型のポジショニング分析のためのフレームワークとしては、バリュー・イノベーション、ERRCなどがあります。 自社がどんな方向でビジネスを展開していくかのイメージを持つことで、必要なポジショニングの形や、使えるフレームワークも見えてきます。ポジショニングでどんなフレームワークを使ったらよいか混乱してしまう場合には、まずレッドオーシャン型を目指すのか、ブルーオーシャン型を目指すのかからはっきりさせると良いでしょう。

パレートの法則

【目的】経営資源の配分を決める

【説明】 パレートの法則は社会のあらゆる場面で当てはまることが確認されています。ビジネスの現場でも、「上位20%の営業マンが、売上げ全体の80%をあげている」「20%の売れ筋商品が、総売上の80%を稼ぎ出している」「20%の上得意客が、総売上の80%をもたらしている」などの法則があります。

【注意点】 パレートの法則が当てはまる場合には、20%の部分にヒト・モノ・カネの経営資源を集中投資すると効率的だとされています。例えば上位20%の営業マンを優先的に鍛えることで売上は更に上がり、上位20%の売れ筋商品を強化することで売上は更に上がり、上位20%の上得意客を優遇することで売上はさらに上がります。 ただし、近年Amazonなどのビジネス形態で「ロングテール」と呼ばれる現象も確認されており、ケースバイケースで戦略を使い分ける必要もあります。

ロングテール

【目的】パレートの法則が成立しないケースを武器にする

【説明】 Amazonなどのインターネットを利用したネット販売では、膨大な商品数を低コストでオペレーション可能です。従ってパレートの法則のように、20%のヒット商品の大量販売を中心に戦略を組み立てなくても、ニッチ商品の多品種少量販売によって大きな売上を上げることができます。

【注意点】 確かにオンラインショップの売り上げでは、少しずつしか売れない商品の売り上げをすべて合計すると無視できない売上になる場合が多く見られます。ただし、パレートの法則が完全に古くなったわけではありません。あくまで在庫管理に費用がかからない典型的なネット販売で、なおかつ多品種少量販売が成立するような商売でなければ、ロングテール理論は成立しません。

イノベータ理論

【目的】新製品が受け入れられるプロセスをイメージする

【説明】 PLC(プロダクトライフサイクル)やPPM(プロジェクトポートフォリオ・マネジメント)など、製品を起点としたライフサイクルのフレームワークがあるように、製品が受け入れられる「人」に注目したサイクルを分析するフレームワークもあります。そうしたフレームワークの代表的なものがこのイノベータ理論です。

  • イベーター(lnnovators=革新者) 常に世の中の新しいテクノロジー製品を追い求める人で、企業が本格的なマーケティング活動を始める前に自分で情報を収集して購入を決定してしまう顧客層です。数は少ないですが、オピニオンリーダーとしてマーケットに影響力があります
  • アーリーアドプター(EarlyAdopters =初期採用者) イノベータ一と同じ様に製品が広まる前に強い関心を示しますが、新しいテクノロジーを求めるというよりは、新製品がもたらすメリット、目新しさなどに価値を置く層です
  • アーリーマジョリティ(EarlyMajority =初期多数派) 平均より早く新しいものを取り入れる「新しもの好き」の層です。顧客全体の1/3を占めるユーザーで、この層が動いた時に製品の認知度や売上が急拡大します
  • レイトマジョリティ(LateMajority =後期多数派) 「まわりの人がみんな使っているから、自分も使ってみようかな・・・」という層で自分からは冒険はしないものの、全休の1/3を占めるとされており、この層が動くことによって製品の普及は安定します
  • ラガード(Laggerds=動作の遅い人) 完全に定番商品となって初めて購入に関心をもつそうです。

【注意点】 アーリーアダプターとアーリーマジョリティとの間には簡単には超えられない大きな溝(Chasm:キャズム)があります。このキャズムを乗り越えるのは容易ではなく、逆に言えばここを乗り越えれば製品の普及は合計で3分の2にも及びます。どの時期、どのターゲットがキャズムを乗り越える鍵になるかを見極め、経営資源を集中的に投下することが重要ポイントとなります。

AIDMAの法則

【目的】消費者行動の基本パターンを知っておく

【説明】 「消費行動」の仮説の定番で、以下のようなプロセスをたどります。

  1. Attention (注目) 「あ、なんだろうこれ!?」
  2. Interest (関心) 「あれってどう使うのかな?知り合いで誰か使っている人いるかな?」
  3. Desire (欲求) 「自分も使ってみたいな」
  4. Memory (記憶)「よし、今度実物を見てみよう」
  5. Action (行動)「欲しい!買おう!」

【注意点】 AIDMAは1920年台にアメリカで提唱されたモデルです。しかし、基本的なパターンはいまでも有効だといえるでしょう。ただしADIMAは作り手中心のマス広告の時代に最も有効なフレームワークであることもまた事実です。現代の消費者行動は一方的な広告の伝達には反応しにくくなっているという現状も踏まえ、AISASの法則のような、消費者側からの能動的なアクションを取り入れたモデルが有効な場合もありますので、適宜使い分けましょう。

AISASの法則

【目的】ネット時代の消費者行動のパターンを知っておく

【説明】 AISASは1995年日本でインターネットの商用化が進み始めた時期に電通が提唱したフレームワークです。

  1. Attention(認知・注意)
  2. Interest(興味・関心)
  3. Search(検索)
  4. Action(行動)
  5. Share(共有)

【注意点】 AIDMAの「D 欲求」「M 記憶」がなくなり、「S 検索」「S 情報共有」が追加されています。ひとつめのSはサーチエンジンによる検索行動、ふたつ目のSはレビューサイトへの投稿などです。サーチエンジンやSNS全盛のネット時代にふさわしい新しい消費者行動のフレームワークと言えます。 ただし、AIDMAが完全に置き換わったというわけではありません。マス媒体や対面販売などでは依然としてAIDMAが有効であるケースも多く、適宜使い分けることがポイントです。

マインドマップ

【目的】アイディアを視覚的に整理する

【説明】マインドマップの特徴は以下のようなものです。

  • 中心のセントラルイメージから思いついた順に書き留めていくのでアイディアを連想しやすい
  • アイディア、概念、見解、気づき、題材、話題、仕事上の関心事など何にでも使える
  • 言葉だけでなく、イラスト、アイコンを添えることで、より感覚的に理解でき記憶に残りやすい
  • アイディア出しが終わった後リスト化などがしやすい

【注意点】 ロジックツリーも同じように、アイディアをWhyやHowなどを使って整理していきます。しかし。マインドマップは、もっと自由な発想で発展させることが重要です。あまり論理的整合性や、MECEにこだわっているとアイディアの連想が止まってしまいます。マインドマップでアイディアを出しきるだけ出しきった後に、ロジックツリーやMECEに落とし込んで、より精緻な整理をしていくというやり方が自然だといえます。

まとめ

以上、《ビジネス戦略をたてるときに使えるフレームワーク群》《マーケティングアイディアを形にするのに使えるフレームワーク群》《個人の思考整理や業務改善に使えるフレームワーク群》の3つに分類して代表的なフレームワークを整理しました。 もちろん、上記の枠組みにとらわれる必要はありません。フレームワークは現場で応用できてなんぼのものです。分類はあくまでも一例ですのでいろいろな場面で試してみましょう。

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