タイプ別!起業準備のために絶対に読んでおくべき書籍15選

「今年こそは起業するぞ!」と思い立った時、自分のモチベーションをどうやって形にしたら良いかに悩むケースも多いでしょう。

周りに起業した友人などがいればアドバイスをもらうこともできますが、そんな友人が見つからなかったり、いたとしても自分の本当に知りたいことに答えてくれるとは限りません。

そんな時は、実際に起業した人のほとんどが手にする定番中の定番の起業本を読み、頭のなかを一度整理してみるのが良いでしょう。

起業に関する本を書いている人は基本的に起業の大成功者ばかりです。そんな先輩の生の声が溢れている必読書を厳選して15冊お届けします。

是非必要な書籍を読んで頂き、起業前に考えを整理して起業準備を開始しましょう。

Contents

起業の心構えから固めたい時におすすめの本

『はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術』

自分一人で仕事を自由にやっていくというだけでなく、仕組みを作ってビジネスをやっていきたいと考える人にはおすすめです。

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著者 マイケル・E・ガーバー

概要

起業先進国のアメリカで2003年に出版されてから、全世界で20カ国語に翻訳され100万部以上出版されています。著者はスモールビジネス専門のコンサルタントでなんとコンサルティングしたスモールビジネスは25000社以上です。

この本の特徴は、スモールビジネスに携わる人を

  • 「起業家」
  • 「マネージャー」
  • 「職人」

に分けて、それぞれの役割を明確に解説してくれていることです。

起業家はどうあらねばならないのか、マネージャーや職人をどう使いこなして行ったら良いのかなどが豊富な具体例とともにいきいきと説得力を持って描かれています。

起業したらしばらくは

  • 「起業家」
  • 「マネージャー」
  • 「職人」

を兼務して、忙しい日々を送ることに成るのが普通です。

しかしそのまま忙しさをぬけ出すことができずに寝る時間も確保できず、何のために起業したのかわからないという状態で心身ともに疲れ果ててしまうパターンも多いのが現実です。

この本を読めば、

  • 「起業家」
  • 「マネージャー」
  • 「職人」

それぞれの役割分担が明確に理解できますので、正しい起業のイメージを確立することが可能です。

『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』

サラリーマンはなぜお金が貯まらないのか、どうすれば新しい生き方が見つかるか知りたい人におすすめです。

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著者 木暮 太一

概要

著者は脱サラして出版社を経営している異色の起業家です。起業家のバイブルとなっている『金持ち父さん貧乏父さん』シリーズとマルクスの『資本論』には、充実した働き方に関して共通の主張が合った!というのが著者のバックボーンになっています。

  • なぜ、起業せずに会社の中で頑張っても充実した働き方ができないのか?
  • なぜ一生懸命頑張った分が報酬となって自分に跳ね返ってこないのか?

を説得力ある形でまとめています。

サラリーマン時代の延長で起業をしても、うまくいきません。

その理由はこれまでの自分が何に囚われていたのかを正確に理解していないから、起業してもサラリーマンと同じ考え方で行動してしまうからです。

本書を読めば、サラリーマンと起業家の働き方の違いの本質がつかめます。

『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール』

起業家の聖地シリコンバレーで、スタートアップに求められる常識について知りたい人にはおすすめです。

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著者 ランダル・ストロス

概要

Yコンビネーターとは、シリコンバレーにあるベンチャーファンドです。

出資にあたっての条件が、このベンチャーファンドの研修を受けて合格することなのですが、この研修を受けたスタートアップには「Dropbox」創業者も含まれています。

本書は、その独自の成功者を生み出す検収の模様を通じて、スタートアップが成功するにはどうしたらよいのかを、成功例・失敗例を交えて浮き彫りにしてくれます。

Yコンビネーターの生々しい研修の現場から、貴重なノウハウのエッセンスがこの1冊にまとめられています。

実際にYコンビネーターから出資を受けるには、スタートアップチーム全員がシリコンバレーに引っ越してきて研修を受ける必要があります。

本書は研修システムへの密着取材を通じて、起業の聖地シリコンバレーでの生々しい研修の様子を疑似体験できます。

 

どんな商材を柱にするのかを決めるときにおすすめの本

『一万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法』

起業のアイディアがまだ見つかっていなかったり、どうやって形にしていったら良いか迷っている人におすすめです。

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著者 クリス・ギレボー

概要

著名コンサルタント本田直之氏監修による、

  • 「貯金はいらない」
  • 「会社を辞めなくても始められる」
  • 「主婦の方にも向いている」

一万円あれば起業できるアイディアの実例が載っている本です。

アイデア集のように数を集めたものではなく、なぜたった一万円で、ビジネスが成功したのかをきちんと掘り下げてくれている本です。

ネットで自分に合っていそうな起業アイディアをなんとなく読んでいても、いざビジネスプランにまとめようとすると何をどう具体化していいのか、分からなくなってしまいます。

本書を読めば、1万円起業のアイディアがどうやって実際に軌道に乗ったのか、その秘密を学ぶことができます。

『ひとりビジネスの教科書』

大きな戦略を描くことも大切ですが、毎日どんな思考、行動を積み重ねれば成功できるか知りたい人におすすめです。

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著者 佐藤 伝

概要

著者は「習慣」の形成に関する本を100万部以上売り上げているベストセラー作家です。

NHKテレビ「おはよう日本」や雑誌「日経ビジネス アソシエ」などの著名なメディアで、成功する習慣を身に付けるための専門家としてとして紹介されています。

この本は

  • 「商品の作り方」
  • 「自分ブランドの構築方法」
  • 「インターネット活用術」
  • 「集客テクニック」

などを解説していますが、教科書的な解説とはまったく違います。

それぞれのトピックで、普段からどういう心構えを持ったら良いか、具体的にどう発想すればよいかなどの起業が成功する習慣作りのヒントが満載です。

商品の作り方では、

  • 「松竹梅」で複数の価格を提示する値付けのコツ
  • ライバルに差をつける「心理価値」の作り方

などの具体的な項目が、自社商品や自社サービスを発想していく貴重なヒントになってくれます。

『ハイパワーマーケティング』

自分の強みを活かしながら小さく初めて大きくビジネスを伸ばしていきたい、その道筋を知りたい人におすすめです。

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著者 ジェイ・エイブラハム

概要

著者のジェイ・エイブラハムは2000年にフォーブスが「アメリカトップ5経営コンサルタント」に選んだ一人で、世界中に彼をカリスマと崇める信奉者がいます。

本書は、日本の起業コンサルタント、WEB系マーケターがバイブルとしてきた定番のマーケティング書です。

第1部の「今あるものを最大限に増やす方法」は、自分の足元にある財産をしっかり認識することから確実にビジネスをスタートさせる考え方が説かれています。

後半の第2部では、

  • アップセル/クロスセル
  • USP
  • 先制のマーケティング
  • リスク・リバーサル
  • BTRF
  • A/Bスプリット
  • 紹介システム
  • ジョイント・ベンチャー

などの手法が具体的に説明されています。

マーケティング用語の名前だけは知っていても、それを実際にどう理解して自分のビジネスに活かしたら良いか分からないという場合、本書の解説は目からウロコが落ちること間違い無しです。

販売・マーケティングに関するおすすめの本

『リーン・スタートアップ』

自分の考えた製品やサービスにのめり込みそうな人が、自分を客観視する視点を持ちたいと思った時、おすすめです。

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著者 エリック・リース

概要

著者のエリック・リースはエンジニア出身の起業家で、「リーン・スタートアップ」という言葉は彼によって2011年にはじめて提唱されました。

「リーン」(lean)には「余分な肉がなく細い」といった意味です。エンジニアによくありがちな起業の失敗例として、世の中に受け入れられるかどうかを検証せずに自分の作りたいものを作ってしまうということがあります。

著者はそうした失敗のパターンに陥らないために

  • 「仮説構築」
  • 「製品の実装」
  • 「軌道修正」

を繰り返すことの大切さを説いています。製品を仕上げるときに、販売やマーケティングでの実際のデータをフィードバックしながら完成品を作っていくやり方が体系的に解説されています。

本書を読めば単に知識としてではなく、ビジネスをやりながら販売、マーケティング戦略を鍛え上げて利益を出していく方法を身につけることができます。

『グロースハッカー』

ビジネスはスピードが大切だと思っているけど、具体的にはどうしたら加速できるのか知りたいという人におすすめです。

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著者 ライアン・ホリデイ

概要

グロースハッカーとはスタートアップ起業がリリースしたサービスをわずか数ヶ月から数年でメジャーにしていく、シリコンバレーの「成長請負人」のことです。

成長請負人は、市場と対話しながら販売やマーケティングデータを分析し、事業戦略を組み立て、信じられないようなスピードでビジネスを推進していきます。

本書では、

  • Dropbox
  • ツイッター
  • Amazon

などの例をとって、爆発的に売り上げを拡大してく方法を解説します。クックパッドの加藤恭輔氏が解説文を書いているのも必読です。

起業して数年で自分のビジネスを順調に軌道に乗せることができる人がいる一方で、いつまでたっても下請け状態から抜け出せず、成長と無縁な日々の日銭稼ぎに終止してしまう起業家も多いです。

ぜひ本書から自分のビジネスを加速させる方法を学んでください。

『ドリルを売るには穴を売れ』

理論的なマーケティング戦略より、お客さまにとって何が必要かという商売の嗅覚を磨きたいという人におすすめです。

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著者 佐藤 義典

概要

著者は4P、ポジショニングマップなどを駆使した戦略分析に通じたMBAホルダーです。

しかしコンサルティング業を通じて、そうした基本的な理論を実戦的にわかりやすく説明することの大切さを身にしみて実感していました。

従来のマーケティング戦略の本が、どうやってモノを売るかという視点だったのに対して、本書では視点を180度逆転し、お客様にとっての価値をどうやって訴えていくかに焦点を当てています。

理論を教科書のように理解しても現場ではあまり使えません。そうではなくてお客様にとってマーケティング戦略がどういう価値を持つのかということこそ一番大切です。

そこから「ドリルを売るなら穴を売れ」(モノではなく価値を売れ)という切り口でマーケティング戦略を体系化したのが本書です。

本書を読めば、実際に商売を行っていく上での一番大切な視点を身につけることが可能です。

ITを武器にするためにおすすめの本

『ザ・プラットフォーム―IT企業はなぜ世界を変えるのか?』

ITビジネスはどんな特徴があるのか、なぜ世の中の仕組みを変えるほどのインパクトがあるのか知っておきたい人におすすめです。

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著者 尾原 和啓

概要

著者はNTTドコモのiモード事業立ち上げを経験した後、Google、楽天などでの役員経験を積み、現在はインドネシアのバリ島在住で日本と往復をしながらIT企業の役員などを務めています。

本書の特徴は、ITビジネスを「プラットフォーム」を軸に分析した点です。これまでのビジネスで求められる能力は「問題解決能力」でしたが、ITビジネスでは「問題設定能力」が求められます。

IT業界では、創造的な企業であるGoogleやフェイスブックなどが設定した検索のルールや売買の仕組みに沿って、プレイヤーがビジネスを行っており、プラットフォームという「問題設定」を行った会社が一人勝ち状態になっています。

実際に起業すると、サラリーマン時代に要求された「問題解決能力」ではなく「問題設定能力」が試されます。IT分野で起業する人以外でも、本書の強調する「問題設定能力」は必須になってきますので、ぜひ理解して自分のものにしておきましょう。

『ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』

インターネット関連事業で起業したい人すべてにおすすめです。

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著者 クリス・アンダーソン

概要

マスマーケティングの時代には、パレートの法則「2割の売れ筋商品が8割の利益を稼ぎだす」が常識でした。

ところがインターネット時代では、Amazonのように販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えることで、全体の売上を押し上げる手法が可能なことが実証されています。

本書は、そうしたネット時代ならではの新しい常識を「ロングテール」と名付け、成功例や考え方を解説しています。

通販ビジネスをやりたい人は品揃えのヒントになりますし、Googleアドセンスのキーワードの選び方などにも応用できますので、ぜひ「ロングテール」の考え方をマスターしましょう。

『シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略』

「物」を所有しない新しいビジネスを模索している人、すべてにおすすめです。

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著者 レイチェル・ボッツマン

概要

車や自転車、宿泊所など、「物」を所有しないで、必要なときだけ使うことが常識になりつつあります。これはインターネットを使って所有している人と使いたい人をマッチングさせる仕組みが広く普及したことが要因です。

ネットを使えば、リアルの世界ではありえなかったような広範囲の人をマッチングさせることが可能です。

本書は、一つの「物」を売るのではなく、シェアすることで新しいビジネスチャンスを生み出そうとする人に向けて、成功例や発想のヒントを多数公開しています。

持たない暮らしがトレンドとなっていく中で、ネット関連のビジネスをするときに必ずマスターして置かなければいけない「シェア思考」を手軽に整理できる必読書です。

 

財務・経理に関するおすすめの本

『起業は1冊のノートから始めなさい―――「事業プラン」から「資金計画」までを可視化する起業ログのススメ』

事業プランを具体化して資金計画にまで落としこむ作業をじっくり行いたい人におすすめです

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著者 上野 光夫

概要

著者は日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)で創業融資を担当し、5000人の起業家に対する融資を担当した経験を持ちます。

独立後は起業家向けのファイナンス指導を行っており、日本最大の起業家支援プラットフォーム「DREAM GATE」では「資金調達部門」人気ランキングで2年連続して第1位に輝くなどの実績を持っています。

本書の特徴は、実際に手を動かして事業計画や資金計画を具体化する方法が丁寧に書かれている点です。副題にあるように「起業ログ」というブログ、日記のような感覚で自分自身を見つめ、明日に繋がるような気付きを書き出すことで、資金調達を含めた起業の条件を一つ一つクリアしていきます。

起業の意欲はあってもどうしてもそのスタート地点まで自分の思いを具体化できないで悩んでいる人は、本書のやり方で自分の夢が形になっていくことを実感できるはずです。

『あらゆる領収書は経費で落とせる』

会社の数字感覚をこれから磨きたい人におすすめです。

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著者 大村 大次郎

概要

元国税局調査官が、領収書の効果的な処理の仕方を教えてくれます。起業した後一人でビジネスをやっているうちは、領収書の整理で時間が謀殺されることはある程度は覚悟しましょう。

しかし、起業家ならば経理の事務作業をするだけでなく、領収書を整理しながら経理のコツをつかみたいものです。

本書は、お得な節税法としての領収書の処理に詳しく慣れるだけでなく、領収書の具体的な処理を通じて会社のお金の効果的な使い方のセンスを磨くことが可能です。

何十年間経理の実務をやっていて初めて気がつくような、帳簿のコツが本書を読むことにより、わずか数時間で理解できます。

『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』

経理の知識だけでなく、会社を大きくしていく財務について知りたい人におすすめです。

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著者 磯崎 哲也

概要

会社設立の手続や、税金の知恵などを解説した「会社の作り方」の本はたくさんあります。

しかし本書がそういったよくある本と一線を画しているのは、単に知識として

  • 「事業計画」
  • 「資本政策」
  • 「企業価値」
  • 「IR」
  • 「コーポレートガバナンス」
  • 「社外取締役」

などを解説しているだけでなく、著者の豊富なコンサルティング経験を交えながら起業や成長のイメージが湧くようにまとめている点です。

経営者は数字に強いことが条件ですが、それは細かい経理の数字だけではありません。本書を読めば、経営者に必須の骨太の財務センスを磨くことが可能です。

起業した後、自分のビジネスを軌道に乗せるためには金融機関との付き合いや資金の調達のノウハウがどうしても必要になってきます。この本を使えば、そのプロセスが具体的にイメージ可能です。

まとめ

起業に必要なトピックスをおさえたい時にぜひ手にとって欲しい本をご紹介しました。

もちろん順番にすべてを読む必要はなく、興味を持った順に手にとっていけば頭のなかが整理されて、今の自分に必要な新しいアイディアが浮かんでくるはずです。

大切なのは、知識としてそれらを吸収するだけでなく、目的意識を持ってこれらの本を読破していくことです。
ぜひ頑張ってください!

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