知ってるようで知らなかったオファーの意味をもう一度学ぼう

「魅力的なコピーの書き方やセールスの勉強もしっかりやった!でも、どうも上手く売ることができない結果が出ない…」

そういう時はクロージングが弱い場合があります。

コピーライターとして非常に有名なゲイリー・ハルバートは、

「強いオファーはコピーをカバーできるが、弱いオファーはどんなコピーもカバーできない」

といっているほど、オファーは重要です。

強いクロージングを行うための優れたオファーの考え方について勉強してみましょう。

オファーとは何なのか

オファー(offer)の語義は「申し出」「提案」を意味します。

マーケティング用語としてのオファーは「販売者が購入者に対して購入の条件を提案すること」です。

インターネットで調べていると

  • 「無料特典をオファーと言う」
  • 「購買者に与える特典をオファーと呼ぶ」

という紹介の仕方をしているサイトが出てきますがこれは誤りです。

特典自体はオファーではありません。

「○○してくれたらこういう特典が付いてきますがいかがでしょうか?」と提案することがオファーです。

ちなみにこの○○は何でも入ります。

  • 購入
  • 事前予約
  • メルマガの登録
  • アンケートモニター

相手のアクションに対して自分はこのような対応をしますという条件を提示することをオファーと呼ぶのです。

買わせてほしいと言わせるのがオファー

ここでは商品を売っていくことを考えていきましょう。

オファーは非常に勇気のいる行為です。オファーは度胸の必要な行為といえるでしょう。

もしあなたが、大胆で魅力的な強いオファーを作ることができれば、強いセールスマンとなるのは間違いありません。

オファーで必ず出てくるのが、顧客理解です。

相手のことを十分に理解していないと魅力的なオファーを作り上げることはできません。

例えばあなたが若い女性向けのダイエット商品を売っていたとして購入特典として、非常に美味しいけどカロリーも高いケーキを付けたらどうでしょうか?

確かに女性にとって美味しいケーキは魅力的に映るかもしれませんが、痩せたいと感じている人にとっては魅力的には見えませんね。

このように、オファーはその商品を買う可能性がある人たちにとって、魅力的なものでなければならないのです。

何をしてほしいのか明確な力強いオファーを人は信頼する

オファーは人の心に深く入ってきます。時に人は強引なオファーを煩わしいと感じたり、高圧的で嫌だと感じたりするでしょう。

しかし、それを恐れて強くオファーできない場合、人はその商品を信頼できないのです。

強く押してこなかったということは商品に自信がないのかな?と感じる傾向にあります。

商品を売る時に最も大事なことは、相手とあなた自身との間に信頼関係を構築することです。

信頼関係が出来上がっていれば、強いオファーを提示しても不快に感じません。

むしろ、積極的で良いセールスだなと感じるでしょう。

考え方としてはコピーやレターで相手と信頼関係を作り、オファーで売るというイメージです。

コピーやレターがどれだけ優れていても、オファーでしっかりと買ってくださいと提案できなければ、商談は必ず失敗します。

オファーが必要な商品と不要な商品

オファーが大事という話をしてきましたが、世の中にはオファーが重要になる商品とあまり重要にならない商品があります。

なぜなら、オファーは「失敗したくない」という人の気持ちを抑え込む行為だからです。

つまり、その商品を見て「失敗したくない」という思いが強くなるような商品とそうでない商品がそこにはあるということになります。

必要な商品

オファーが必要になってくる場合は主に3点です。

  1. 実際に使ってみないと判断が難しい商品
  2. ある程度高額で検討が必要な商品
  3. 差別化の難しい商品

例えば、ダイエット商品やスポーツジムの加入などは「実際に使ってみないと判断が難しい商品」にあたるでしょう。

そういった商品は使ってみた後の実感が重要だからです。

パソコンの買い替えや新しい電化製品、例えば食器洗い乾燥機などは「ある程度高額で検討が必要な商品」といえるでしょう。

特に新しい電化製品は、今までなくても何とかなっていたという様な心理も働くため、「失敗したくない」という感情が強く働く場合があります。

「差別化の難しい商品」は弁護士や税理士、医者、マッサージやカウンセラーなど、目に見えないサービスを提供するといったものが当てはまります。

サービス内容で差別化のイメージがわきにくいのであれば、むしろオファーで差別化するという考え方です。

不要な商品

オファーが不要な商品についても3つあります。

  1. 指名買いの場合
  2. 低額商品の場合
  3. 緊急性の高い場合

「指名買い」とはすでに相手がこちらの商品やブランドを十分に理解しているため、「失敗したくない」という感情が発生しません。

むしろ、「買えば成功する」ことを知っているため何もせずとも買っていきます。例えば、高級ブランド商品などはこれに当たるでしょう。

「低額商品」の場合、失敗のハードルが下がります。

もし自分に合わなくても安いものだから良いだろう、このくらいの金額ならお試し感覚で購入できるな、といった心理が働く商品であれば、力強いオファーは必要ありません。

「緊急性が高い」とは、例えば大きなけがをした、何かシステム上のトラブルがあった、などのそれがなければどうにもならないという商品です。

こうした場合は、その商品を手に入れること自体が目的となっているため、オファーの必要がないのです。

明確に区別のできない場合の対処法

オファーの必要な商品と不要な商品について考えてみましたが、世の中にはどうも明確に区別のできない商品があります。

  • 検討期間の長い商品
  • 信頼関係が出来上がっている中で売っていく商品

検討期間の長い商品とは例えばリフォームなどがそれに当たるでしょうか。

或いは、新築マンションの購入や車の購入もそれに当たるでしょう。

また、信頼関係がもともと出来上がっている場合も非常に難しいものがあります。

これは、「なぜ力強いオファーをしてくるのか?」と相手が疑惑を持ってしまう危険があるという状況が発生してしまう場合があるためです。

力強いオファーをしてくるということは、

  • 何か隠しているのではないか
  • オファーをするために仲良くしてきたのではないか

と疑問を感じてしまう可能性があります。

しかしこのような関係になっている場合は、しっかりと相手の目線で情報を伝えることのできる関係性が出来上がっている場合が多いでしょう。

そのため、オファーをするかしないかではなく、まずは相手がどの様に考えているのか、フォローを重視すべき状況になっています。

そうした相手へのフォローをしていく中で、オファーの必要性を検討すればいいのです。

リサーチ・リサーチ&リサーチ

力強いオファーによって、人はこちらを信頼するのだということが理解いただけたと思います。

オファーを力強いものとするためには、オファーで得られるものと商品で得られるものが相乗効果をもたらすと効果は更に高まります。

商品理解

力強く有効なオファーを生み出すためには、まずはあなたが扱っている商品がどういうもので、どんな利益を相手に与えるのかということを明確にする必要があります。

例えば、筋肉トレーニング用のマシンを紹介している時に、

「筋肉が綺麗につくためのサプリメントをサービスしてみる」

このように、紹介する商品の良さをさらに引き出す特典やサービスを提供するというのは、非常に魅力的なオファーになります。

顧客理解

一方で、あなたが扱っている商品を欲しがりそうな人たちが必要としないようなオファーを作ることは、そのオファー自体がどれだけ価値があろうとも独りよがりになるでしょう。

例えば、健康商品をあなたが扱っているとして、その特典としてマクドナルドのクーポン券を付けたらどうでしょうか。

仮にそのクーポンが非常に大きな割引を提供するものであったとしても、健康食品を求める人とマクドナルドを求める人がずれているため、そのオファーを魅力的と感じる人は少ないでしょう。

まとめ

「優れたコピーやレターで信頼を作り、力強いオファーで売る。」

これがオファーの胆であり、原点です。

そして、そのオファーが本当に有効かどうかは、その商品と買ってくれるであろう顧客をどの様にどのくらい理解しているのかによって、大きく変わってきます。

「己を知り彼を知れば百戦して危うからず」という有名な孫子の言葉は、まさにこのオファーにも当てはまる言葉なのです。

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