経営者が本当に必要なFacebook広告の知識はコレだ!
近年急速に普及してきたSNS(ソーシャルネットワークサービス)は、当初の会員間コミュニケーションツールから企業による強力な広告ツールへと発展してきました。
今ではSNSを広告ツールとして活用して、大きな売り上げを生んでいる会社も多くあります。
でも実際に広告を出すまでに、何をすればいいのか?広告を出した後はどうすればいいのか?と数多くの疑問があり、結局広告を出すことが出来ない…という声をたくさん頂きます。
しかしご安心ください!
この記事の前半では、SNSの概要からインターネット広告・SNS広告の動向を紹介し、後半ではFacebook広告の出稿ステップ、運用、活用ポイントまでを解説していきます。
Contents
- 1 WebマーケティングツールとしてのSNS
- 2 SNSの概要(主要SNSの特徴、会員数、ポジショニング)
- 3 インターネット広告市場の概要とSNS広告の最新動向
- 4 インターネット広告の分類・種類
- 5 インターネット広告を契約形態から分類すると
- 6 Facebook広告の概要(構造、種類、表示位置、特徴)
- 7 Facebook広告作成する過程に必要な3つの知識
- 7.1 知識1 広告マネジージャー
- 7.2 知識2 広告の目的
- 7.2.1 目的① 存在を知ってもらう
- 7.2.2 ビジネスを話題にしてもらう
- 7.2.3 ビジネスの近隣エリアへのリーチを増やす
- 7.2.4 動画でブランドを表現する
- 7.2.5 目的② エンゲージメントを促す
- 7.2.6 アプリをダウンロードする人を見つける
- 7.2.7 商品やサービスをチェックしやすくする
- 7.2.8 高い関心を示している人たちに情報を伝える
- 7.2.9 スレッドを開始するキャンペーンを作成する
- 7.2.10 購入への最初のステップを促す
- 7.2.11 ビジネスに興味を持つ人を増やす
- 7.2.12 目的③ アクションを促す
- 7.2.13 関心を示している人にアクションを促す
- 7.2.14 買い物客に店舗に来てもらう
- 7.3 知識3 表示位置について
- 7.4 Facebook広告の特徴
- 8 Facebook広告の出稿ステップと運用管理
- 9 Facebook広告の課金体系(費用)
- 10 分析ツール
- 11 Facebook広告の活用ポイントと考慮点
- 12 まとめ
WebマーケティングツールとしてのSNS
SNS(ソーシャルネットワークサービス)とは、インターネット上で利用者間の交流をはかるために設計された、コミュニティ型の会員制サービスです。
今ではスマートフォンを持つほとんどの人が利用しています。
歴史を振り返るとまだスマートフォンが普及する前の、いわゆる「ガラケー」を使っていた2000年代半ば頃から、Twitterなどの一部のSNSから徐々に広まっていきました。
当初は限定された範囲でしたが、その後スマートフォンの普及により、SNSをビジネスに活かそうという動きが加速していきます。
インターネット環境を前提にしたビジネスは、特に「広告」の分野で一定の規模にありましたが、そのコミュニケーションは「アクセスしてくれるのを待つ」という「受け身」であって限界がありました。
ところが、「スマートフォン+SNS」の組み合わせにより、コミュニケーションの双方向性や浸透度などが画期的に向上し、特に広告ビジネスのツールとして大きく拡大していきました。
このように、SNSがWebマーケティングの主要ツールとして認知され、特に、ここ数年においては多くの成功事例を聞くようになりました。
ここで、「マーケティング」と「Webマーケティング」について確認しておきます。
「マーケティング」とは?
事業を推進する上で最も重要な機能であり、このテーマだけで本が何冊も書けるほどですので、ここではエッセンスだけを説明します。
「マーケティング」とは端的にいうと、「売れる仕組みを創ること」「見込み客を創ること」です。
Webマーケティングとは?
Webを活用した「マーケティング」ということになります。
マーケティング戦略において検討すべき基本的なステップ
マーケティング戦略において検討すべき基本的なステップを挙げてみます。
- 事業環境分析
- 提供製品・サービスの価値の定義
- 市場のセグメンテーション
- 狙う顧客のターゲティング
- 提供製品・サービスのポジショニング(差別化、ブランディング)
- マーケティングミックス(製品、価格、販促、販路)の最適化
マーケティングとは、自社の製品・サービスの提供価値とターゲット顧客を定義して、対象市場へアプローチすることにより、見込み客を創ることです。
単に「広告宣伝」や「ブランディング」だけに留まらない、広い概念です。
なお、見込み客を顧客に昇華させる(契約・購買)のが、「販売(狭義の営業)」の機能になります。
このように、「マーケティング」は売上をあげるための活動の重要な範囲を対象としていますので、事業経営そのものということも言えます。
近年では、インターネットによる取引が拡大しており(個人向け約10兆円、企業間取引約270兆円)、Webマーケティングの重要性が指摘されています。
インターネット上で企業と(見込)顧客とが、より密接に関係を築ける環境が整い、マーケティングの仕組みも大きく変革してきました。
そのなかでも”SNS”は急速に普及し、企業と(見込)顧客がダイレクトにコミュニケーションをとれる”Webマーケティング”の必須ツールになりました。
Webマーケティングでは、
- 年齢層
- 地域
- 興味関心
などの属性をセグメントに分けてアプローチし、施策の結果を定量的な数値として入手することができます。
これまで手探りで行っていた「広告宣伝」施策は、投資対効果を見極めながら効率的に行えるようになります。
しかも、購入者(顧客)と直接つながることができるので、販売・成約からリーピートまでの仕組みを途切れることなく構築することができます。
今後も多くのアイデアや機能が生まれ、成長・変化していくことが予想されます。
SNSの概要(主要SNSの特徴、会員数、ポジショニング)
SNSとは、SNSの分類・種類
SNSの概要について、おさらいしておきます。
SNS登場以前から活用されてきた「電子メール」は、宛先を逐次指定してメッセージ交換を行うものですが、SNSでは予め設定されたグループ内でのコミュニケーションを容易にしてくれます。
メンバーの投稿に対して、「共感」や「コメント」などのアクションを1クリックで行うことができるのが特徴です。
また、自分の趣味や嗜好、プロフィールなどを公開することによって、同じ趣味や嗜好を持った人と新たな交流関係をもったり、幅広いコミュニケーションをとることができます。
このように基本的には個人の集まりとしてのコミュニティ・インフラですが、情報をメンバー間で一気に拡散することができるので、近年では商品・サービスの宣伝・広告の強力なツールとなっています。
SNSでできること(主な機能)
- メンバーにメッセージやチャットを送信する・・逐次のメールアドレス指定は不要
- 自分のプロフィールを公開する、メンバーのプロフィールを閲覧する・・匿名または実名登録
- 文章や写真・動画を投稿する、投稿に対してメンバーがコメントする
- メンバーに他の知人・友人を紹介する
- 趣味・イベント(同窓会・OB会他)など特定のテーマを決めて掲示板などで交流する
SNSの大まかな分類
- 交流・意見交換系
メンバー同士で情報交換や意見交換ができる
主な製品として、Facebook、Twitter
- メッセージ交換系
メッセージ(チャット)のやり取りが中心
主な製品として、LINE
- 写真共有系
写真を投稿(共有)して、会員同士がコミュニケーションを行なう
主な製品として、Instagram
- 動画共有系
動画を投稿(共有)して、会員やユーザーがコミュニケーションを行なう
主な製品として、YouTube
SNSの普及度、利用動向
SNSの普及度や利用動向について、いくつかの調査結果を紹介していきます。
日本のSNS利用者は2016年末時点で、6,872万人/普及率69%となっており、2018年末に7,486万人へ拡大すると予想されています。
引用元:ICT総研「2016年度 SNS利用動向に関する調査」http://ictr.co.jp/report/20160816.html
ネットユーザーに占めるSNSの利用率は、LINEがダントツで約72%、ついでTwitter約41%、Facebook約36%、Instagram約22%となっています。
引用元:ICT総研「2016年度 SNS利用動向に関する調査」http://ictr.co.jp/report/20160816.html
また同調査によると、Twitter利用者のうち、約4割の人が100人以上の相手とつながっていて、Facebook、LINE、Instagramの利用者は、100人未満と回答している人が7割以上になっている。
さらに代表的なSNS4製品について、各製品毎に掘り下げてみていきます。
引用元:株式会社FindModel「主要SNSのユーザー数と利用企業数の比較(Facebook,Twitter,Instagram,LINE)」
https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
次にFacebookについて掘り下げてみていきます。
Facebookのユーザー数と利用企業数
- 全世界のユーザー数は20億人を突破(2017年6月発表)。
地域ごとの内訳:
北米ユーザー:2億3600万人(11.7%)
ヨーロッパ圏ユーザー:3億6000万人(17.9%)
アジア圏ユーザー:7億5600万人(37.6%)
- 過去2年間の成長率は、北米やヨーロッパ圏が鈍化する一方、アジア圏やその他地域を中心に拡大(米国では既に普及率が人口の70%以上と高い)
- 全世界の利用企業数は6500万社以上で、Facebookに広告を出稿している企業数も500万社以上
- 日本国内でのユーザー数は2,800万人以上(2017年9月発表)
- 年齢分布の特徴は、30代40代の割合が他SNSと比較して多い
- 実名制であることと、充実したメッセージ機能により、ビジネスマン同士の利用も多い
(日本国内のFacebookの年代別ユーザー数)
引用元:株式会社FindModel「主要SNSのユーザー数と利用企業数の比較(Facebook,Twitter,Instagram,LINE)」
https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
Facebookの特徴と機能概要
- ユーザーの年齢層が他SNSと比べると幅広い(老若男女問わない)
- 実名登録が原則であるため、交流する内容は現実世界の感覚に近い
→多くは知人・友人間の交流であるため、誹謗中傷が拡がってしまい収拾がつかなくなるといった「炎上リスク」が少ない
- 情報共有、コミュニケーション、近況報告、共通の興味を持ったコミュニティの形成、人脈の維持・拡張などで活用されている
- 投稿された情報や反応(「いいね」)など、あらゆる情報を時系列に表示(タイムライン機能)
- 投稿情報の中で、コメントや反応が良い(「いいね」が多い)ものや頻度が多いものなどを絞り込んで表示(ハイライト機能)
- メンバーの投稿に対して、「いいね」ボタンを1クリックするだけで思いを気軽に伝えることができる
- 企業は専用のページを開設し、企業としてアカウントを運用することが可能
→商品やイベント等について、定期的な告知でファンを増やし、潜在顧客に対してアプローチすることができる
- 企業の「投稿」に対し、ユーザーは共感を示す「いいね」、意見を述べる「コメント」、投稿を自分のタイムラインに転載する「シェア」の3つのリアクションができる。
4大SNS(Facebook、Twitter、LINE、Instagram)のポジショニング
以下の図は、一般的に言われているSNSの特徴を基にしたポジショニングを簡単に表したものです。
①つながりの濃さ/拡散性
②会員数/年齢層
インターネット広告市場の概要とSNS広告の最新動向
インターネット広告市場の概要
【広告市場データ】
引用元:株式会社電通「日本の広告費」http://dentsu-ho.com/articles/4923
株式会社電通「日本の広告費」(http://dentsu-ho.com/articles/4923)によると、
日本の総広告費は年々伸張し、2016年に約6.3兆円になりました。
広告費に占める各メディアの割合は、テレビとプロモーションメディア(屋外プロモーション、折込、DM、フリーペーパー、展示、映像その他)が各3割(計6割)を占めています。
インターネット広告については、「媒体費」と「制作費」を合わせて約1.3兆円で、直近の2年間では10%以上の伸び率で他に比べて突出しています。
媒体費:サイトやアプリ等への広告掲載費用
制作費:掲載する広告制作費で、デザイン制作や撮影費用、制作会社や広告代理店への委託費用など
上記3表は株式会社電通「日本の広告費」http://dentsu-ho.com/articles/4923の数値情報より筆者作成
株式会社電通「日本の広告費」http://dentsu-ho.com/articles/4923の数値情報より筆者作成
さらに、インターネット広告市場の詳細をみていきましょう。
株式会社サイバー・コミュニケーションズ「2016年インターネット広告市場規模推計調査」http://www.cci.co.jp/news/release/2017_04_17/1.htmlから、国内インターネット広告市場におけるデバイス別、広告種類別の広告費を抽出しました。
デバイス(スマートフォン、PC)別広告費
- 2016年のインターネット広告媒体費(1兆378億円)の内、スマートフォン広告費は6,476億円(62%)、PC広告費は3,902億円(38%)となり、約6割をスマートフォン広告費が占める
- 2016年の伸び率は、スマートフォン広告費が前年比130%、PC広告費が前年比93%
- スマートフォン広告費は2017年には前年比124%と高い伸び率で、8,010億円と推計
ビデオ(動画)広告費
- 2016年のビデオ(動画)広告費は869億円(前年比168%)となり、インターネット広告媒体費全体の8.4%を占める
- 2017年のビデオ(動画)広告費は1,224億円(前年比141%)となると予測
広告種別広告費
- 広告種別・デバイス別広告費の割合は大きい順に、運用型広告費:7,383億円(インターネット広告媒体費の71%)、予約型広告費:1,538億円(同15%)、成果報酬型広告費:1,457億円(同14%)
- 運用型広告費では、スマートフォン広告(5,020億円)がPC広告(2,363億円)を上回る
- 予約型広告費でも、スマートフォン広告(823億円:8%)がPC広告(716億円:7%)を上回る
(広告種別の定義)
- 予約型広告:純広告、タイアップ広告、その他予約型広告(アドネットワークのうち予約型で取引されるもの等)
- 運用型広告:検索連動型広告、ソーシャル広告、その他運用型広告(アドネットワークのうち運用型で取引されるものやDSP等)
- 成果報酬型広告:アフィリエイト広告、リアルアフィリエイト広告、リワード広告
スマートフォン広告種別広告費
- ソーシャル広告が急成長(163%)、予約型広告も拡大
- スマートフォン広告費の種別規模は、運用型広告費(5,020億円:78%)、予約型広告費(823億円:13%)、成果報酬型広告費(633億円:10%)
- 運用型広告費の中で分類すると、検索連動型広告費(2,162億円:33%)、その他運用型広告費(2,003億円:31%)、ソーシャル型広告費(854億円:13%)
スマートフォン広告費の広告種別成長率
- 2016年の対前年比は、ソーシャル型広告費が最も高く163%、次いで予約型広告費が149%、その他運用型広告費が130%、検索連動型広告費が123%、成果報酬型広告費が103%の順で高い成長率
インターネット広告の分類・種類
インターネット広告の種類を簡単におさらいしておきます。
1. 純広告
メディア(媒体)の保有する枠から広告主が場所を指定して買い付け、広告を出稿するもので、表示方式は、バナー広告やテキスト広告などがある。
純広告は基本的には変動金額ではなく、枠そのものを買っている「固定金額」(一部成果報酬型もある)。
課金体系や掲載規約が明確に決まっているので、掲載するWebサイトとの相性が決め手となる。
特徴:
- 検索連動型ではなく、該当するWebサイトをアクセスした全ての訪問者の目に触れるため、潜在ユーザーにアプローチができる
- 希望する媒体のWebサイトの出したい枠に必ず掲載される
- 一般的に単価が高い
- 投資対効果の評価が難しい
2. 記事広告 (タイアップ広告)
該当するメディアの方で記事を執筆し掲載してもらう広告。
特徴:
- メディアの知名度や配信力が高ければ、多くのユーザーにリーチできる
- 第三者が発信することにより、信頼性を高めることができる
- 一般的に単価が高い
3. DSP広告 (Demand-Side Platform)・・アドネットワークまとめて一括配信するもの
DSPとは、広告媒体ではなく「広告配信ツール(仕組み)」を指す(デマンドサイド=広告主)。
メディアの広告枠を集約し、広告表示の最適化を行うことを目的としており、多くのWebサイトやアプリの広告枠をまとめてネットワーク化し、その中で広告を配信する仕組み。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などが代表的。
純広告と違ってどの媒体に広告が配信されるかを選択することはできない。
「サイト」ではなく、アクセスしている人の「属性」に対して認知してもらうという発想。
課金体系は入札制で、クリック課金やインプレッション課金が多く、入札金額の高い広告から表示される。
特徴:
- 多種多様な媒体へ露出が可能
- ターゲティング方法が多様
- 多くの広告を出稿することができ、広告の停止・再開などが容易
- 入札金額によっては露出されないこともある
4. リスティング広告 (検索連動型)
リスティング広告は、Webマーケティングの中で最も基本的な「検索連動型広告」。
ヤフーの「スポンサードサーチ」やグーグルの「Google AdWords」の検索連動型広告などが代表的。
ユーザーの検索キーワードを予測し設定しておくことで、そのキーワードで検索をした際に広告を表示する仕組み。
検索をするという何らかの動機を持つユーザーに訴求できるため、(顕在層)を効果的に自社サイトへ誘導することが期待できる。
一般的に他のWebマーケティング手段よりも、費用対効果が高いと言われている。
課金方法は、クリック課金で、広告の露出は入札状況に左右される。キーワードによって課金単価が大きく異なるので、その選定が重要になる。
たとえば抽象的なキーワードは、単価が高く、具体的なキーワードでは、単価が低くなる。
特徴:
- 投資対効果を細かく試算できる
- エリア・時間・曜日によるセグメントやリターゲティング機能により、広告配信の最適化が可能
- 顕在層にリーチできるため、費用対効果が高い
- 少額の予算からでも開始できる
- 広告の停止・再開などが容易
- 潜在層にリーチするには向いていない
- 競合が多いキーワードを狙う場合は高額な費用が必要
5. アフィリエイト
Webサイトやブログの運営者、メールマガジンの配信者などの「アフィリエイター」に広告掲載の依頼をし、予め設定したコンバージョン(資料請求や購入など)の段階で費用を支払う仕組み(成果報酬型)。
アフィリエイターは広告主が管理するのではなく、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)に依頼をし、企業や商品に適したアフィリエイターに出稿依頼をしてもらう方法が一般的。
(主なASP:A8.net、バリューコマース、アクセストレード、ジャネット)
6. SNS広告
インターネット広告の中で一般的な検索連動型広告は、ユーザーが検索することで初めて表示される仕組みなので、検索が行われなければ広告が表示されることありません。
それに対して、SNS広告は普段利用しているSNSのタイムラインに通常の投稿と一緒に広告が表示されるため、広告主がターゲットしたユーザーに向けて意図的に露出させることができる。
また、SNSユーザーの属性、興味・関心、趣味・嗜好などに基づいた精度の高いターゲット設定ができるため、訴求効果が高い。
他のインターネット広告と比べて、費用が安く運用次第で高い費用対効果が期待できるのもメリット。
さらに、「いいね!」や「リツイート」などでシェアされた広告には費用が発生しないため、シェアされることにより、広告費以上に多くのユーザーへ訴求することが期待できる。
SNSからwebサイトへの送客数は、年々増加しており、代表的なSNSであるFacebookがGoogle検索を送客数で上回ったという調査結果もある。
7. 動画広告
YouTubeなどの動画サイトやアドネットワーク、スマホアプリ内などに出稿する動画による広告。
出稿方法は、コンテンツ再生前に表示される動画広告や、再生開始から数秒が経過すると、ユーザーが視聴をスキップできる広告などがある。
課金方法はユーザーが完全に視聴した際や、クリックした時点で発生するなど、いくつかの方式がある。
以上それぞれ特徴がありますので、目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。
一般的には、顕在顧客向けには、リスティング広告が優先され、潜在顧客向けには、SNS広告を活用していくことで効果が期待できます。
インターネット広告を契約形態から分類すると
次に、契約形態についてみておきます。
インターネット広告を契約形態から分類すると以下の2つに分けられます。
- 「予約型広告」
掲載期間や掲載内容、掲載金額等が事前に決められている広告で、純広告、タイアップ広告など - 「運用型広告」
広告の最適化を自動的におこなう広告で、検索連動型広告(リスティング)、ディスプレイ広告、youtubeなどの動画広告、SNS広告など
「運用型広告」は効果測定を行いながら配信方法で、頻度や予算を調整していくことができるので、予め設定した目標の達成度や投資対効果を確認しながらすすめることができます。
この運用型広告は、「アクセスなどのユーザーの反応をリアルタイムに計測できる」というインターネット広告の特長を活かした形態であり、投資規模も年々増えています。
続いて、本書のメインテーマであるFacebookが分類される「SNS広告」について、代表的な4メディアを具体的にみていきます。
ポジショニングを比較しよう
まずは、ポジショニングを比較してみます。
広告の目的は、大きく2つあります。
1つは、認知度や好感度を上げる「ブランディング」、ここでは、「潜在顧客」を創るのが狙いです。
一般的なテレビコマーシャルが代表的なものです。
2つ目は、「レスポンス」、広告媒体を通じて自社の製品やサービスをオファリングし、反応を得ることを狙いとしています。
テレビショッピングやチラシなどで購入や資料請求など何らかのアクションを促します(多くは特典を付加)。
SNS広告においても、これら「ブランディング広告」と「レスポンス広告」のどちらに向いているかという適性があります。
これら2軸で4大SNSである、Facebook、Twitter、Instagram、LINEの位置付けをみてみます。
まず、レスポンス広告として期待度が高いのは、Facebook広告とLINE広告でしょう。
知人・友人といった既知の会員同士のサークルであることから、投稿や反応の信頼度が高いことが影響しています。
ブランディング広告に最も適しているのは、写真などイメージしやすい媒体を中心に情報共有しているInstagram広告になるでしょう。
Instagramは多くの有名人・著名人が利用している点も、「ブランディング広告」として優れる点です。
【ポジショニングの大まかなイメージ】
ターゲットとする世代での位置付けは、先にみた年代別の会員分布に依存します。
世代を特定できる場合は、Facebook広告やInstagram広告が適していますし、比較的対象世代が広い場合は、Twitter広告やLINE広告の適性が高いでしょう。
このように広告の目的とターゲティング属性から、SNSを選定して広告を企画することが基本的な考え方になります。
Facebook広告の概要(構造、種類、表示位置、特徴)
では、代表的SNSである「Facebook広告」について具体的に解説していきます。
Facebook広告の最大の特徴は、細かな条件設定により精度の高いターゲティングができることです。
実名で登録するFacebookでは、ユーザーの多くは職業や年齢、性別、居住地域といった自分自身の「属性」を入力しています。
Facebook広告は広告を表示する対象ユーザーの属性を詳細条件から細かく選ぶことができ、自社サービスにあったターゲットに的確に広告を表示することができます。
広範囲にブランディングするというより、潜在的なニーズを掘り起こすことが適しているでしょう。
たとえば、ニッチな商品・サービスのレスポンス広告としても有効です。
また他に比べて細かなターゲティングが可能であるため、企画・設計・運用に当たっては、相応のノウハウと試行錯誤が必要になってきます。
Facebook広告作成する過程に必要な3つの知識
Facebook広告を作成する過程をみていきましょう。
知識1 広告マネジージャー
Facebookの初期画面から、左側の「作成」→「広告」と選択していくと、「広告マネージャ」が立ち上がります。
この「広告マネージャ」から広告の出稿を行うことになります。
まず、広告出稿の操作を行う「広告マネージャ」の構造をみてみます。
「広告マネージャ」画面左側にあるように、処理手順に沿って以下4つに分類されています。
■キャンペーン(広告の目的)
キャンペーンはFacebook広告を利用して何をしたいかという目的別に作成します。
■広告アカウント(新規作成)
アカウント情報(アカウントの国、通貨、時間帯)を設定します。
アカウント単位で通常は初めの一度だけ設定します。
■広告セット(トラフィック、クーポン、ターゲット、配置、予算と掲載期間)
広告セットは、キャンペーンを構成する予算や広告配信スケジュール、またはターゲットごとに設定します。
この中には、画像やテキストなどの広告素材で作られる広告が複数存在することになります。
■広告(アイデンティティ、形式、リンク)
広告セットに存在する複数の違う素材から、目的を達成するに当たっての効果的な広告です。
Facebookが自動で最適化しながら表示してくれる仕組みになっています。
Facebook広告を構成している3つの階層のうち、Facebook上に実際に表示されるのは広告の部分だけです。
どんな種類の広告を出稿できるかについては、最初のステップである「広告の目的」毎に掲示されています。
知識2 広告の目的
目的は大きく3つに分類されています。具体的にみてみましょう。
目的① 存在を知ってもらう
ビジネスを展開するにあたって、まずはより多くの人に「ビジネスの存在」を知ってもらう必要があります。
ここでの広告出稿の目的は認知度を高めることです。
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- 動画の再生数アップ
認知度を高めるための主な手段:
ビジネスを話題にしてもらう
新しいものを見つけるために人々が集まる場で、ビジネスを宣伝する
→ブランドの認知度アップ広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-brand-awareness
ビジネスの近隣エリアへのリーチを増やす
店舗の近くにいる人にリーチして来店してもらう
→リーチ広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-reach-ads
動画でブランドを表現する
ビジネス、ブランド、商品のストーリーを説得力のある効果的な動画で伝える
→動画再生広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-video-views
目的② エンゲージメントを促す
ビジネスの存在を知っていてまだ顧客になっていない人たちに、商品やサービスを紹介してフォローを促し、さらに詳しく知ってもらう。ここでの広告出稿の目的はエンゲージメントを増やすことです。
- アプリのインストール
- トラフィック
- リード獲得
- エンゲージメント
- 動画の再生数アップ
- メッセージ
エンゲージメントを増やすための主な手段:
アプリをダウンロードする人を見つける
自社のモバイルアプリをインストールする可能性が高い人とつながり、App StoreやGoogle Playに直接リンクを通じて、利用者にアプリをダウンロードして試してもらう。
→アプリインストール広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-app-install-engagement
商品やサービスをチェックしやすくする
Facebookで広告の目的に[トラフィック]を使用して、商品やサービスにアクセスできる、わかりやすい入り口を用意する。
ウェブサイトクリック:
特定の商品ページに直接誘導して売上に結び付けたり、ホームページに誘導してストーリーや商品、サービスを見てもらう。
→ウェブサイトクリック広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-clicks-to-website
アプリのエンゲージメント
アプリをインストールしている利用者にアプリの利用再開とアクションの実行を促す。利用者を商品のページ、旅行検索、ゲームのスタート画面など、アプリ内の特定のエリアに誘導する。
→アプリエンゲージメント広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-app-engagement
高い関心を示している人たちに情報を伝える
Facebookの連絡先情報が自動入力されたフォームを表示させ、利用者に1回タップしてもらうだけで、ビジネスにとって有望なリードや新規顧客を獲得する。
→リード獲得広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-lead-ads
スレッドを開始するキャンペーンを作成する
潜在顧客とMessengerでスレッドを開始する広告を作成する。
→Messenger広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-messages-objective
購入への最初のステップを促す
コンバージョンを行う前に、利用者の多くは、投稿へのリアクション、イベントへの出欠の回答、クーポンの取得など、関心があることを示す小さなアクションを実行します。目的に[エンゲージメント]を使用して、これらのアクションを促します。
クーポンの利用
クーポンやプロモーションを使って利用者の関心を引き出し、購入を促す。
→クーポン利用広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-offer-claim
投稿のエンゲージメント
Facebook広告への反応に基づいて、利用者が好む商品とコンテンツを把握して、利用者の好みに合った商品やコンテンツをより多く提供する。
→投稿のエンゲージメント広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-page-post-engagement
ベントへの参加
情報と計画を事前に広めて、イベントのターゲット層を絞り込む。
→イベントへの参加広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-event-response
ビジネスに興味を持つ人を増やす
短時間のフィード内動画広告を利用して注目を集め興味をかきたてることで、購入検討時に真っ先に思い浮かべてもらえるようにしたり、より長時間のスキップできないインストリーム広告を利用して複雑なメッセージを伝えたりする。
→動画再生広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-video-views
目的③ アクションを促す
獲得できたファンをコンバージョンにつなげる。利用者の購入や登録など、アクションの実行を促します。
- オンラインコンバージョン
- 来店数の増加
コンバージョンを促進するための主な手段:
関心を示している人にアクションを促す
ウェブサイトコンバージョン
ページへのアクセス、購入など、どのような価値あるアクションを求めるにしても、Facebook広告で、ウェブサイトにアクセスしてアクションを起こすよう人々に促す。
→ウェブサイトコンバージョン広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-website-conversions
アプリのエンゲージメント
自社のモバイルアプリをすでに利用している人を、商品のページ、旅行の検索、ゲームのスタート画面など、アプリ内の特定のエリアに誘導し、そこでアクションを実行するよう促す。
→アプリエンゲージメント広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-app-engagement
製品カタログでの販売
商品に関心を示した人に、自動的に商品を宣伝する。製品カタログをアップロードしてキャンペーンを設定するだけで、適切な購入者に適切な商品が表示されます。
→ダイナミック広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-dynamic-ads
買い物客に店舗に来てもらう
Facebook広告の目的「来店数の増加」は、オンラインの世界とオフラインの世界を橋渡しする役割を果たします。顧客に実店舗に来店してもらい、オンラインで閲覧された商品の購入につなげます。
→来店数の増加広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-store-visits
オフラインデータをFacebookと結び付けて売上を伸ばす。実店舗での購入、電話による予約、質の高いリードなどのオフラインイベントデータを活用して、デジタルキャンペーンを強化できます。
→オフラインコンバージョンを増やす広告
Facebook公式サイトへのリンク:https://www.facebook.com/business/learn/facebook-offline-conversions
知識3 表示位置について
新しい広告を作成する際には、最適なパフォーマンスが得られる可能性が高い場所に自動的に掲載するか、広告を表示する場所を手動で設定するかを選択できます。この広告を掲載する場所のことを「配置」と呼びます。
引用元:Facebook公式サイトhttps://www.facebook.com/business/help/274759766036201/?helpref=hc_fnav&bc[0]=AHCv1&bc[1]=Ads%20Help&bc[2]=Creating%20Ads&bc[3]=Ad%20Placements
広告の作成時に選択した目的に応じて、Facebook上およびFacebook以外の場所に広告を掲載できます。使用できる配置は以下のとおりです。
Facebook:
- フィード
デスクトップニュースフィード(ノートパソコンまたはデスクトップからFacebookにアクセスする場合)やモバイルニュースフィード(モバイル機器やモバイルブラウザー経由でFacebookにアクセスしたりする場合)に、広告を表示できます。
- グループ
広告はFacebookにグループで表示されます。
- 右側広告枠
広告はFacebookの右側広告枠に表示されます。右側広告枠に掲載される広告は、コンピューターを使用中の利用者にのみ表示されます。
- インスタント記事
広告はFacebookモバイルアプリやMessengerに配信されるインスタント記事に表示されます。
- インストリーム動画
広告はFacebookのライブ動画およびオンデマンド動画に、短い動画として表示されます。
Instagram:
- フィード
デスクトップフィード(ノートパソコンまたはデスクトップコンピューターからInstagramにアクセスする場合)やモバイルのフィード(モバイル機器でInstagramアプリを使用したり、モバイルブラウザー経由でInstagramウェブサイトにアクセスしたりする場合)に、広告を表示できます。
- Stories
利用者のInstagramのStoriesに広告を表示できます。Storiesの広告は、InstagramでStoriesを表示している利用者にのみ表示されます。
Messenger:
- 広告メッセージ
広告は、Messengerでこれまでにやり取りしたことがある人に直接配信されるメッセージとして表示されます。
Audience Network:
Audience Networkとは、アプリ内での広告表示をFacebookにより承認されているモバイルアプリの公開者のネットワークです。
Audience Networkを利用すると、コンピューター、モバイル機器、スマートテレビ(一部ご利用できない場合あり)といったデバイスの違いを超えて、広告キャンペーンのリーチをFacebook外のウェブサイトやアプリまで拡大できます。
Audience Networkでは、Facebookと同じターゲット設定、測定指標、配信設定を使用することによって、コスト効率が最も良い価格で、キャンペーンの目標を達成できるようにします。
広告は、Audience Networkのアプリとウェブサイトに表示されます。
Audience Networkでは以下の目的を選べます。
- ブランドの認知度アップ(動画のみ)
- リーチ(動画のみ)
- トラフィック
- エンゲージメント(動画のみ)
- アプリのインストール
- 動画再生数(動画のみ)
- コンバージョン
- 製品カタログでの販売
クリックした後の広告の動作は、広告主が選択した目的の種類によって異なります。
利用者が広告をクリックすると、広告の目的によって次のように動作します。
- 新しいウィンドウでリンクを開く
- アプリのインストールを促す
- 使用中のモバイル機器の既存アプリを起動する
Facebook広告の特徴
Facebook広告の最大の特徴は、細かな条件設定により精度の高いターゲティングができることです。
実名で登録するFacebookでは、ユーザーの多くは職業や年齢、性別、居住地域といった自分自身の「属性」を入力しています。
Facebook広告は広告を表示する対象ユーザーの属性を詳細条件から細かく選ぶことができ、自社サービスにあったターゲットに的確に広告を表示することができます。
広範囲にブランディングするというより、潜在的なニーズを掘り起こすことが適しているでしょう。
たとえば、ニッチな商品・サービスのレスポンス広告としても有効です。
また他に比べて細かなターゲティングが可能であるため、企画・設計・運用に当たっては、相応のノウハウと試行錯誤が必要になってきます。
主な優位点:
- ターゲティング精度が高い、細かいターゲット設定によって適切なユーザーに広告を表示できる
- 購買に至るまでの各段階(認知、情報提供、検討、意思決定)で活用できる
■少額から広告配信を開始できる(1クリックあたり単価が安い)
■自社ページを持っていれば、ファンとコミュニケーションを取ることができる(顧客管理)
■広告の停止や再開を簡単に行える
Facebook広告の出稿ステップと運用管理
具体的な出稿ステップを画面と共に確認していきます。
まず広告マネージャを立ち上げ、キャンペーンの作成で「広告の目的」を選定することからスタートします。
広告作成の流れは以下のようになっています。
- キャンペーンの作成
- 広告アカウントの作成(初めて広告を作成するときのみ)
- 広告セットの作成
- 広告を作成
- 広告の審査→掲載開始
ステップ1 キャンペーンの作成
広告の目的をリストから選択する(目的の内容・種類については4章参照)
引用元:Facebook公式サイト
ステップ2 広告アカウントの設定
初回の広告作成時のみ設定します(2回目以降は表示されない)。
引用元:Facebook公式サイト
ステップ3 広告セットの作成
- 広告セットの作成では、ターゲットするオーディエンス、出稿する場所、使用する予算と掲載期間を設定します。
- オーディエンスの設定では広告を表示するターゲットの基本的な絞り込み条件(年齢、性別、趣味・関心など)を入力します。
- 広告を表示するターゲットの条件を入力すると、画面の右側にオーディエンスの推定リーチ数が表示されます。どのくらいの数のユーザーに対して広告が表示されるかの概算の数値です。
- オーディエンスの設定欄にあるカスタムオーディエンスとは、企業が持っているFacebook外の顧客データとFacebookのアカウント情報を照合し、広告を表示することができる機能です。
引用元:Facebook公式サイト
- [配置]セクションで、広告をFacebook、Instagram、Audience Networkのどこに表示するか決定します。
- [自動配置]を選ぶと、パフォーマンスが最大になる可能性の高い場所を判断して表示してくれます。これを手動で行う場合は、[配置を編集]を選択します。
- [予算と掲載期間]セクションで、広告の予算を選び、掲載期間を設定します。
- 予算の設定では1日あたりの予算もしくはキャンペーン期間中の通算予算のいずれかを決めます。
- 1日当たりの予算で金額を設定すると、日毎に費用が予算に達すると広告が自動的に配信されなくなります。
引用元:Facebook公式サイト
ステップ4 広告の作成
- [形式]セクションで、広告フォーマットを選びます(カルーセル、単一画像、単一動画、スライドショー、キャンバス)。
- [メディア]セクションで、広告に使用する素材を選びます。
- 広告に使用したい画像または動画をアップロードするか、すでにアップロードしているものをライブラリから選択します。
- Facebookが推奨している画像サイズは1200×628ピクセルで、使用できる最小のサイズは254×133ピクセルです。
- 画像内にテキストを含む領域が画像面積の21%を越える画像は、Facebook広告の審査に通りません。
- 画像は1件だけ表示する形式と複数枚表示する形式、スライドショー様式で画像が流れる形式があります。
- Facebook広告上で表示されるテキストを編集します。
引用元:Facebook公式サイト
ステップ5 広告の審査→掲載開始
- 上記で説明した設定が全て完了したら、最後に注文を確定させます。
- 注文を確定させるとFacebook広告の審査に入り、承認されることで広告の配信が開始されます。
広告の審査は1時間程度ですが、最大で12時間かかるとされています。
運用管理
ここまでご紹介したように、広告を作成する際に「広告マネージャ」の中で処理を行ってきました。
出稿後の運用管理についても、この「広告マネージャ」を使用します。
全てのキャンペーン、広告セット、広告は広告マネージャ上で設定を変更することができます。
広告のパフォーマンスを確認することもできます。
「広告マネージャ」のメニュー(プルダウンイメージ)
引用元:Facebook公式サイト
「広告マネージャ」の「作成と管理」画面
引用元:Facebook公式サイト
- 効果測定と設定変更
「広告マネージャ」の中でキャンペーン、広告セット、広告の各階層の効果をみることができます。
測定結果を確認し、配信・停止を切り替えたり予算額を変更したりして、リアルタイムに選定変更を行います。
KPIとして管理したいCPAやインプレッション数など多くの項目を測定することができます。
- 出稿後の広告の設定変更
広告を出稿して課金が発生した後でも、効果測定の結果や予算の消化状況などに応じて、随時修正を加えることができます。
出稿した広告は様々な要因によって常に影響を受けます。
広告の効果を最大化するためには、「広告マネージャ」を使って効果測を測定しながら、日常的に改善していく必要があります。
Facebook広告の課金体系(費用)
Facebook広告の課金体系(費用)
Facebookで広告を掲載するときは、掲載する広告ごとに予算を設定します。
各広告に設定した予算を超える料金が請求されることはありません(消化金額はいつでも管理できる)。
各広告に設定した予算は、広告の掲載期間を通じて、利用者が広告を見る、クリックする、アクションを起こすのに応じて消化されていきます。予算を消費する速さは、以下の点によって異なります。
- ターゲット層の規模
- ターゲット層にリーチするための入札価格
- 掲載期間
予算: 広告の掲載に支払う上限額
費用: 実際に支払う金額(予算の範囲内で使用された金額)
ある広告セットに使う金額を管理する予算設定には2種類あります。
1日の予算: 広告セットに支払う1日ごとの費用の平均額
通算予算: 広告セットの掲載期間全体で支払う費用の上限額
また、自分で選択した課金対象の条件が満たされた時にだけ費用が発生する仕組みになっています。
主な課金対象:
- クリック課金(CPC):
広告主のWebサイトなどに移動するための広告リンクがユーザーにクリックされるたびに課金される。
- インプレッション課金(CPM)
広告が表示される回数(インプレッション)がカウントされ、1,000回を超えるたびに課金される。
- 最適化インプレッション課金(oCPM)
広告主が予め設定したアクションのインプレッションによって課金される。
設定項目は、アプリのインストール(CPI)、「いいね!」が押される回数、動画の再生、投稿に対するアクション(コメント、シェア他)などがあります。
分析ツール
Facebookの基本機能である「広告マネージャ」により、細かな効果測定の分析が可能ですが、
その他、無料で提供されている分析ツールを紹介します。
Google Analytics
自社サイトの流入元を分析することができます。
【主な分析項目】
- Webサイトに来たユーザーの属性(性別・年齢・関心など)
- どこを経由しWebサイトに流入したのか(検索エンジン・SNSなど)
- どのページに人気があり、どのページに改善の余地があるか
- どのようにしてユーザーはコンバージョンに至っているのか
Google Search Console
どういう検索ワードで、ユーザーがWebサイトに入ってきたのかを分析できる
【主な分析項目】
- 実際にどういうキーワードでの検索がされているか
- Webサイトに問題が起きていないか
- 他のどんなサイトにWebサイトのリンクが貼られているか
- Googleの検索エンジンに登録されている数
Googleトレンド
自社サイトに関連する「キーワード」を知る
何年といった単位で、指定したキーワードの動向を見ることができる
【主な分析項目】
- 特定のキーワードの人気度推移や地域別の人気度推移
- キーワード同士の人気度比較
- 関連するキーワード
goodkeyword
自社サイトに関連する「キーワード」を知ることができる
特定のキーワードから「検索エンジンでどのように検索されているのか」が分析できる
【主な分析項目】
- 特定のキーワードが、Google・YahooJapan・Bingの検索エンジンで、他のどのようなキーワードと一緒に検索されているか
Facebook広告の活用ポイントと考慮点
実際に活用するに当たってのポイントについてまとめておきます。
これまでみてきたように、精度の高いターゲティングが可能なので、広告主サイドも細かな企画・運用が必要になります。
試行・評価・見直しを短いサイクルで実行していくことで期待効果が高まります。
よって、ある程度の工数を投入するつもりで取り組みましょう。
また、製品の仕様変更や機能追加が多いので、常に最新の情報を入手し消化していく姿勢・体制が必要です。
ユーザー層や使われ方から想像すると、直接的な広告宣伝よりも、ビジネスに有益な情報を広く提供して、中長期的な関係維持を築くことも有効でしょう。
実名登録という特性を活かし、ピンポイントでターゲティングするために属性情報をできるだけ絞り込むことが必須です。
また、長尺動画の投稿が可能なため、少し濃い目のコンテンツを活用することも有効でしょう。
主な活用ポイント
- 広告のターゲティングを詳細に検討する
- 広告の目的を明確にして、目的に応じた「キャンペーン」「広告セット」「広告」を設定する
- 目的に応じた「広告種別」を選択する(使い分ける)
- 日次レベルで効果分析を行い、修正・変更を繰り返す
これまで細かく説明してきましたので、最後に少し大きな観点で考慮点をあげておきます。
まずSNS広告を企画・運用するに当たっては、事業そのものの定義から企画・検討を十分に行うことです。
- 自社が提供する商品・サービスの価値は何か
- 自社が狙う市場、顧客は誰か
そして、潜在顧客、見込客のターゲティング。ここは詳細に定義しておかないと、適したSNSの選定ができません。
さらに、目標とする効果と投資規模です。投資は金銭的なものだけでなく、投入工数も含みます。
「試行・評価・見直し」を繰り返すことになるので、体制面での心構えも必要になってきます。
「やりっぱなし」ではなく、運用中の分析を踏まえて、より良いものへと改善していきましょう。
SNS広告は、他のマス広告と異なり、SNS利用者一人一人との関係を構築することが前提です。
決して一方的な情報提供ではなく、双方向のコミュニケーションを伴うものでなければなりません。
SNSというツールによって、事業者(広告主)が一人一人の潜在・顕在顧客と会話することができるようになり、これまでは難しかった顧客との信頼関係を深めることができます。すぐに購入に至らなくても、関心や共感を持ってくれる人が一人でも増えることは大きな財産になるはずです。
まとめ
Facebookの広告についてたくさんの情報をまとめてみました。
広告初心者でもFacebook広告はわかりやすいので安心して出稿することができると思います。
予算と費用対効果をしっかり管理・測定して、テストを繰り返しながらより効果のある広告に力を入れていけば、ビジネスが大きく変化するかもしれませんので、是非挑戦してみてください!