大ヒットを生む「セールスレター」の仕組みを理解しよう!
セールスレターの技術とは、基本的に何かを売るために使われるもので、純粋にはコピーライティングの技術とは異なっています。
コピーライティングの中にセールスレターが内包されていると考えてください。
コピーライティングの技法はビジネスのあらゆる場面で必要になってきます。
一方で、セールスレターの技術は売るというポイントに絞ったライティング技術ということになるのです。
Contents
セールスレターとコピーライティングは違うもの
コピーライティングの技法は、
「相手に正確に情報を伝え、その上で相手に行動を起こしてほしい」
という時に活用される技法です。
一方、セールスレターの目的は「行動=購買」になります。
そのため、セールスレターはコピーライティングよりもはるかに顧客理解が必要になってくるのです。
セールスには何よりも、ニーズとウォンツの理解が必要
物を買う時に、人は必ずそれが自分にとって良い商品であるということを確信して買っていきます。
自分に関係のない商品を買う人は稀です。
しかし、自分にとって良い商品がなんであるかを明確に知っている人は非常に少ないのです。
また、同じく、自分が何に困っているのかについても明確に把握していません。
ニーズとウォンツの違い
「近代マーケティングの父」であるフィリップ・コトラーはニーズとウォンツの違いを明確に分けています。
- ニーズとは抽象的欲求のこと。人間生活上、必要なある充足状態が不足している状態。
- ウォンツとは具体的欲求のこと。そのニーズを満たす(特定の)ものが欲しいという欲望
ニーズとは
- 「おなかすいた」
- 「喉が渇いた」
などの状態を指す言葉であり、
ウォンツとは
- 「おなかすいた⇒何か食べよう」
- 「喉が渇いた⇒何か飲もう」
といった、具体的な行動を示す言葉となります。
そして物を売るとは、こうした「何か」を明確に的確に提供することで生まれるのです。
つまり、セールスはニーズに合わせるのではなくウォンツに合せることを求められます。
あなたはだれに売り込むのですか?
「ニーズよりもウォンツに合せる。」
この時に重要なのは誰に合せるのかということになります。
例えば、「お腹が空いている」といった時に、和食好きならばお米を、洋食好きならばパンを食べたいと感じるかもしれません。
そういう人たちにお菓子を持って行っても上手くいかないでしょう。
確かに、お菓子を食べたらお腹は膨れます。
しかし、現代では多くの選択肢があります。
そのため、その人の希望や嗜好に合ったものを提供しなければ受け入れられません。
ましてや売ることは非常に難しいでしょう。
こうしたギャップを解消するために、あなたが扱っている商品を誰に売るのか誰に提供するのかを明確にしなければなりません。
これをペルソナといいます。
あなたが扱っている商品は多くの人のニーズに応えることができるでしょう。
しかしウォンツとしてみた場合はどうでしょうか。
- 若い人のウォンツに応えられますか?
- 女性・男性どちらが注目してくれそうですか?
- 一般の人たち用なのか企業用なのか?
こういったたくさんの問いかけを商品とすることで、誰にどのような形で提供したら効果が高そうかを考えていく必要があります。
読んでいる人と関係性を作っていく(ラポール)
インターネットやDMなどを活用するセールスレターにおいても、そこにコミュニケーションは必ず発生します。
セールスレターを読んでくれる人と良い関係性を作っていくことが何よりも重要です。
心理学用語で「ラポール」という言葉があります。
これは
- 「どんなことでも打ち明けられる」
- 「言ったことが十分に理解される」
というお互いの信頼関係を表す言葉です。
良いセールスレターは、このラポールが発生することがあります。
商品を買う人の多くは、自分の不満や不安、或いは不便さを解消したいと考えています。
自分が十分に幸せで満足を得ているのであれば、今の生活に何かを付け加えることはしないものです。
つまり、商品を買うという行為は同時に購入先に自分の弱みを見せていることと同じことが起こります。
そのため、「この人ならば弱みを見せても大丈夫だな」というような信頼関係を生み出すことができれば、結果がよくなっていくのです。
こうした信頼関係を生み出すキーワードは
「共感と納得」
です。
共感を得るには商品を売っていくペルソナの気持ちや置かれている状況を十分に理解しなければなりません。
その上で、納得が発生するのは、そのペルソナがいつも使っているような言葉を用いることです。
大事なことは、そのペルソナの目線で商品を見つめることでしょう。
すると、商品を買うことに対する期待や不安が見えてくるのではないでしょうか。
体験は無料!体験をまずは売ろう
- ウォンツ
- ペルソナ
- ラポール
という3つのキーワードが出てきました。
この3つのキーワードをしっかりと押さえながらセールスレターを作るだけで、あなたのセールスレターはよいものとなっていくでしょう。
しかし、現在は情報過密な社会でもあります。
一方で、多くの人は自分にとってその商品が本当に必要なのか邪魔にならないのかを明確にしたいという欲求があります。
自分にとって本当に必要なのかをイメージしてもらうためには、その商品を使うとどうなるのかをペルソナの期待に合うように作りだしていくことです。
つまり、イメージの中でその商品を使っている体験をさせるのです。
この体験の素晴らしい点は無料であるということです。
そして、何よりも魅力的であるということに尽きます。
相手にとって利益のある商品を使った魅力的な体験は、ほかのどんな営業ツールよりも強烈に相手を刺激します。
セールスレターで売るものは商品ではなく体験である。これはセールスを成功させる重要な視点でもあります。
人は買わない理由と買えない理由を探している
- ウォンツ
- ペルソナ
- ラポール
- 体験
と4つのセットが書けるようになれば、どんな商品も売ることができるでしょう。
しかし、人の心は非常に難しいものです。
2人の営業マンが同じ商品を売り込みに行き、どちらから商品を買うかを決めた後、なぜその人から買うことを決めたのかというアンケート調査をしたことがありました。
多くの人は、買った方の営業マンの良さを褒めるよりも、買わなかった方の営業マンの悪い点を先に挙げたと言います。
これは重要な示唆のある調査です。
人は、
「その商品をなぜ買わなかったのかということは明確に話せますが、なぜ買ったのかということは上手く話せない」
ものです。
そして、買えない理由を探しています。
人は、物を勧められて買うということを嫌っているのです。
しかし、それと全く同じぐらい、人は他人から勧められたいと思っています。
ある物を買うという行為を1として、あるものを買わないという行為を0とします。
そしてそれを一本の棒グラフにしてみます。
多くの人は0~1の間を彷徨っているでしょう。
セールスはこの人たちを出来る限り1にするための力といえます。そして、多くの人は1になる前にその場から立ち去るのです。
そしてこういうのです。「あの時は買えなかったのだ」と。
買わない理由と買えない理由については、必要以上にセンシティブになる必要はありません。
むしろこちらからオープンにしてしまい、共感の種として活用していくべきです。
相手が何故買わないのかどうして買えないのかを考えていくことは、相手の心や環境を理解する要素になります。
買わない理由と買えない理由の裏側には買う理由が潜んでいます。
まとめ
セールスレターを書く力は技術です。
そのため、訓練と勉強で必ず上手くなっていきます。
- ウォンツ
- ペルソナ
- ラポール
- 体験
- 理由
これらをしっかり追いかけることで、あなたのセールスレターは着実に良いものとなっていくでしょう。
上手い文章を書く必要はありません。大小説家のような誰の心にも刺さる様な文章はここでは求められていないのです。
あなたに必要なことは目の前の商品をどの様に表現したら相手にとって最も魅力的に映るのかを考えることです。
そして、それをイメージできたら、そのことをまっすぐに伝えることです。
上手い文章と買いたくなる文章は違います。この記事があなたの良いセールスレターを書く手助けになれば幸いです。