ランディングページとは?賢いランディングページ5つの特徴
ランディングページとは、検索エンジンという乗り物に乗ってきたユーザーが最初に着陸(Landing)するページのことです。
また、ただ単に最初に着地するページというだけでなくて最終的なゴール、
つまり
- 問合せ
- 資料請求
- 購入
までを一つのページの中で完結させてしまうページです。
普通のWEBページでは、サイト全体の設計に従ってトップページから各詳細ページが枝分かれしており、それぞれのページは
- 商品説明
- 問い合わせ
- 読み物コンテンツ
- お客様の声
- サービスの流れ
など各詳細ページが独立しています。
そしてそれぞれ独立したバラバラのページがリンクで相互につながってナビゲーションリンクとともにひとつの全体のサイトとなっています。ユーザーは自分の関心に従ってサイト内を自由に行ったり来たりするわけです。
ランディングページは、その逆にすべてを1ページで完結させます。なぜでしょうか?
その理由をきちんとおさえておかないと、ランディングページの効果を十分に引き出すことのできない中途半端なページになってしまいます。
セールスをするため、情報を取る為など目的は多々ありますが、今回は1枚縦長の目的を絞ったランディングページについて紹介をします。
1枚縦長のランディングページとは何かを理解した上で、効果的なランディングページの作り方、改善の仕方について解説します。
Contents
優れたランディングページの特徴を整理しよう
ランディングページの特徴は、最初に上げたリンクがなく1ページで完結すること以外にもいくつかのポイントがあります。
最初にその特徴を5つにまとめて理解しておきましょう。
ランディングページの特徴
- ランディングページにリンクがなく1ページで完結する
- 縦長の1ページを最後まで読ませるために縦スクロールを使う
- 情報の羅列ではなく、明確なストーリー性を持っているか
- 営業マンが営業活動をしているようなクロージングの臨場感がある
- LPO(ランディングページ・オプティマイゼーション)によって絶えず進化していく
それぞれ、解説していきます。
特徴1 ランディングページにリンクがなく1ページで完結する
ランディングページでは、1ページの中で最終的なアクションを起こしてもらうことが最終目的です。
サイト全体を興味のおもむくままに訪問してもらって、自社や製品に対する認知度をだんだんと深めてもらうことが目的ではありません。
冒頭のファーストビューにインパクトある商品画像やキャッチーなコピーを配し、検索エンジンから着地したユーザーの心をつかみ、最終的にクロージングまでもっていくのがランディングページです。
したがって、一気に最後まで読んでもらってアクションを起こさせるには、他のページに感心を持ってもらっては困るのです。
とはいえ、リンクがないから他に飛べないという強制力だけで長い1ページを最後まで読ませるのには無理があります。訴求したいサービスや商品をひとつに絞るわけですから、その商材が魅力的であることはもちろんのこと、読んでいるうちに共感したり、理解が深まったりするというユーザー体験が欠かせません。
つまり、リンクという横の広がりを強制的にカットしてしまう代わりに、ユーザーの関心を最後まで引っ張る導線設計が必要となってくるのです。
こうしたユーザー体験を可能にするのが、次の「縦スクロール」です。
特徴2 縦長の1ページを最後まで読ませるために縦スクロールを使う
- 1ページの読み込み時間が遅いとユーザーが離脱してしまう!
- 長い1ページは悪いページだ!
インターネットがまだそれ程一般的でなく、回線スピードも遅い時代にはこうした考え方が常識でした。
実はいまだに古いウェブディレクターやデザイナーの一部には、こうした考え方が頭から抜けていない人もいます。しかしブロードバンド時代にはこの考え方は捨てましょう。
かつて7秒数える間に全体のページが出てこないとユーザーが離脱するという7秒ルールとかいう考え方がありましたが、今は昔の話です。
縦スクロールが決して悪いユーザーインターフェースでないという大きな理由がもう一つあります。それは、スマートフォンの普及によるページ操作性の感覚の変化です。
現在すでにECサイトを訪問するユーザーはスマートフォンユーザーがパソコンユーザーを上回っており、今後もこの傾向は続くことが予想されています。スマホユーザーにとっては、指による画面の縦スクロールは何の違和感もないごく普通の動作です。
パソコンのインターフェースですと、横長の17インチや19インチのディスプレイでスクロール無しで情報が把握できるレイアウトが良いとされてきましたが、スマホの小さい画面に合わせて情報を画面サイズに集約する方が良い、などと言っているウェブ・デザイナーやディレクターは一人もいません。
ただし、読み込みスピードが早かったり縦スクロールに慣れているという条件だけでは、長い1ページもののランディングページは成功しません。内容がつまらなければ別のサイトへと離脱してしまうことには変わりないからです。
そこで大切になってくるのが次に解説する、ランディングページが「明確なストーリー性」を持っているかどうかです。
特徴3 情報の羅列ではなく、明確なストーリー性を持っているか
長い情報を読ませるための環境が整っていたとしても、長い記事を読ませるための内容が伴っていなければユーザーが最終アクションまでたどり着かないことは明白です。
そのため、ランディングページでは明確なストーリー性でコンテンツを構成し、ユーザーを最後まで飽きさせないしかけが非常に重要になってきます。
一般的に、ランディングページのストーリー性は下記のようなプロセスをたどります。
ストーリー1 ファーストビュー
これから最後まで読んでもらう商品やサービスが一発で分かる簡潔な説明、さらにユーザーのイメージを喚起するようなメッセージ性のある画像が必要です。
言い換えれば、ランディングページでは
- 「激安!本日深夜12まで!」
- 「あと5名様で販売完了!」
などの煽るだけのコピーは要りません。
また、画像も「店じまいセール」のイメージ画像や「値段に大きくX(×)印しをして9割引!」などの煽り画像も要りません。
それよりも、次で解説する自分の持っている問題を解決してくれそうなイメージを換気するメッセージ性のあるコンテンツが重要です。
ストーリー2 問題提起・興味喚起
「あなたは今こんなことで困っていますよね?だからこのサイトに来たのですよね?だったら、大正解です。このページに書いてあることはきっと、あなたの抱えている問題を解決します!」
と思わせるユーザーベネフィットを訴求する部分です。
ファーストビューをある程度のボリュームの文章で補完する機能を果たすと考えればよいでしょう。
検索エンジンから着地したユーザーが「あ!確かにこのページには自分が困っていることを解決してくれそうな情報がありそうだ」と思ってもらえれば、この「問題提起・興味喚起」の部分は成功です。
ストーリー3 他のユーザー体験で共感を引き出す
ランディングページでは、製品やサービスを使った人の体験談が重要な役割を果たします。これはインターネットと閉じた空間で、なおかつリンクを意図的にカットしたランディングページでユーザーが息苦しさを感じないために必須となります。
営業マンがクロージングに失敗するときのありがちなパターンとして
- 「家族に相談してみます」
- 「詳しい友人の意見を聞いてみたい」
といった言葉にうまく反応できないことが挙げられます。
せっかく申込直前までいって、あとは書類を書いてもらうだけという段階でこの言葉がお客さんの口から出て来たために、これまでのすべての商談が振り出しに戻ってしまったという苦い体験を持つ営業マンはたくさんいます。
ランディングページもこれと同じ危険性があります。それどころか対面ではない分だけさらに離脱の危険性があるとも言えるでしょう。
「ちょっと、他のサイトも見てみようかな・・・」という離脱を防ぐために、ランディングページでは「家族に相談してみます」「詳しい友人の意見を聞いてみたい」といった言葉を先取りして、体験談として紹介しておくことが大事になってきます。
体験談を読んだユーザーは「ああ、自分と同じ悩みを持っていた人は、確かに問題を解決できたんだな」という共感をランディングページから離れることなく、持つことができるのです。
ストーリー4 解決法を提示する
だいたいここまで読んでくれた人はこの後一気に読んでくれます。ここまでで自分の悩みを解決した人と問題意識を共有したユーザーは、この段階では背中を押されたがっていると言えます。
つまり、はっきりと言葉にして「迷うことはありませんよ、この製品はあなたの問題を解決します」という部分を説明すればよいのです。
具体的には、
- 製品のスペック
- 特徴
- サービスが他社製品と比べて優れている点
などを解説します。通常のカタログページですとこのスペック説明・内容説明が最初に来てしまうのですが、ストーリー性を重視するランディングページはこの段階で、詳細説明を行います。
しかしその時、カタログをそのまま載せるような意味もなく詳細な商品説明、サービス紹介は絶対に避けましょう。せっかくここまでストーリーでひっぱってきたユーザーの高揚感が、急速にしぼんでしまいます。
商品の性能やサービスの質などを理解しないと先へ進めないというのではなく、大切なのは「自分が抱えている問題が解決できそうだ」という直感を確信に変えてあげることです。
したがって、商材の説明は「商材を脇役にして、お客さんを主役にする」という視点が必要です。
例えばドリルを売るときに、ドリルの優れたスペックについて専門用語を使いながら説明するのではなく、
- 「軽い」ので非力な女性でもらくらく使えます
- 「コードレス」だから高いところでも届きます
- 「刃の長さも太さも選んで着脱できる」ので細い穴や長い穴も対応できます
- 「モーター音が小さい」のでマンションでも安心して使えます
- 「コンクリート壁対応」なので職人さんを頼む必要がありません
などのユーザーのベネフィットが感じられるような説明の仕方をすることがポイントとなります。
ストーリー5 クロージング
やっと本来の目的のアクションにたどり着きました。
- 問合せ
- 資料請求
- 購入
などのフォームを用意して、ユーザーのアクションを待ちましょう。
ただし、エントリーフォームオプティマイゼーション(EFO)などを意識して、使いやすいエントリーフォームを用意することを心がけてください。
エラーメッセージが不自然な日本語だったり上から目線だったりすると、カゴ落ち(エントリーフォームに記入しているのに離脱する)が起きてしまう原因となります。また、不必要に入力項目が多い場合も離脱の原因となります。
特にスマートフォンではボタンは大きく分かりやすい位置にして、ボタンを押したいという思いを喚起するようなデザインを心がけましょう。
効果的なボタン配置や配色、ボタン内のコピーなどを工夫することでコンバージョンレートはかなり違ってきます。
また、ボタン周りには
- 「30日間無料」
- 「全国送料無料」
- 「1年間のアフターフォロー」
などの魅力的なコピーを配置します。
特徴4 営業マンが営業活動をしているようなクロージングの臨場感がある
優れたランディングページは、優れた営業マンが営業活動をしているような臨場感があります。
営業マンの静かな迫力、気迫が一番出るのがクロージングの場面です。一流の営業マンは決して煽りでお客さんを不安にさせて、後先考えずにとにかくはんこを押させるといった強引な手法は取りません。
そうではなくて、
- 「もう、疑問点はないので買うなら今だ」
- 「このページに巡りあってよかった、今すぐ決めよう」
という気持ちに自然とさせてしまうのが、一流の営業マンです。
ランディングページでも同じで、一番営業マンがそこにいるような臨場感が必要なのが、最後のもうひと押しのクロージングの場面です。
クロージングの場面ではためらいのポイントが決まっています。
- 商品やサービスの良さはわかったが「自分に使えるだろうか・・・」という心配
- 自分の問題は解決できそうだが、「もっとコスパの良い製品はないのだろうか」
- 概略は分かったけど、「誰かに相談してから決めたい」
クロージングがうまくいかない理由はほぼ上記の3つの理由のどれかが引っかかっている場合です。
そういう場合に、そこに一流の営業マンがいれば問題は解決できてしまうのですが、ランディングページでは下記のような最後の工夫が必要です。
商品やサービスの良さはわかったが「自分に使えるだろうか・・・」という心配について
埋め込み動画での説明を加えましょう!
埋め込み動画なので場所は取りませんし、リンクで飛ぶこともありません。疑問を持っていない人はそのままコンバージョンに進んでもらいます。
自分の問題は解決できそうだが、「もっとコスパの良い製品はないのだろうか」について
他社との機能比較表、料金比較表を載せましょう!
ライバル会社をA社、B社などとして金額だけでなくサービスやアフターフォローの内容まで、差別化のポイントを訴求します。
概略は分かったけど、「誰かに相談してから決めたい」について
1ページで完結するというランディングページの原則からやや外れてしまいますが、ツイッターやフェイスブックに誘導する、ということも考えましょう!
問い合わせも一つのコンバージョンですので、フェイスブックのいいね!やツイッターのフォローなどもコンバージョンと考えることもできます。
この最後の一手間の営業マンがそこにいるようなフォロー(背中のもうひと押し)が、最後のコンバージョンの背中を押してくれます。
特徴5 LPO(ランディングページ・オプティマイゼーション)によって絶えず進化していく
ランディングページは常に最適化することで効果が上がるようになります。ランディングページを最適化していくいちばん手軽で効果的なのはA/Bテストです。
A/Bテストのやり方
A/Bテストのやり方は、複数のデザインパターンを用意し、その効果の違いを一定期間測定します。
- 大きい商品画像が良いのか
- 詳しいスペック説明が良いのか
- 動画がいいのか
などの要素によって比較するランディングページを作成して成約数などを集計し、どちらがよりコンバージョンに貢献してくれるのかを明らかにします。
A/Bテストのポイント
A/Bテストを繰り返し行う際は、たくさんの修正をしてテストをすると何が原因かわからなくなってしまうので、1か所変えたらテストを繰り返して効果のあった反応ポイントを洗い出しましょう。
ついついたくさん修正をしたいと思ってしまいますが、A/Bテストは反応率のあがったポイントがわからなければ意味がありません。
- キャッチコピーを変えた
- お客様の声の位置を変えた
- お申込みボタンの色を変えた
- 申込フォームの入力項目を少なくした
- トップ画像を男性から女性の写真に変えた
- 電話番号の表示位置を変えた
など少しの修正で反応率が変わることがありますので、テストをするときは1か所修正するごと行いましょう。
A/Bテスト Google Analytics
A/Bテストは専門の業者に依頼してやってもらうこともできますが、無料のGoogle Analyticsなどを使って実施することも可能です。ウィザードに従って下記の4つの設定を行えば実施可能ですので、ぜひ試してみましょう。
- テストの目的を選択する
- オリジナルのページとパターンのページを特定する
- オリジナルのページにテストコードを追加する
- 設定を確認してテストを開始する
Google Analytics https://support.google.com/analytics/answer/1745152?hl=ja
専門の業者に依頼すると、毎月解析したレポートで報告をしてもらえるサービスもありますので、数字をチェックしてすぐにランディングページ改善するために、最初から解析ができるweb業者にランディングページの製作を依頼すると改善が楽になります。
解析を業者に依頼することを予定していれば、解析サービスができるweb業者を探しましょう。
大切なのは、最初から商品画像の大きさや色使い、キャッチコピー等の細部にこだわりすぎないことです。最初は、商品やサービスをどうやったら訪問者により深く知ってもらえるかの設計を充分に行うことが必要です。
そして、きっちりした設計をしてぶれないランディングページが出来上がった後に、適宜最適化を行ってランディングページをチューンナップしていくといった態度が求められます。
ランディングページは作ったら終わりではありません。ランディングページは育てるものです。テストを繰り返し、ランディングページを立派に育てましょう。
まとめ
- ランディングページとは何か
- 効果的なランディングページ作り
- チューンナップの必要性
について解説しました。
一般的なウェブページと違ってランディングページ作成にはいくつかの特有の注意点があることがおわかりいただけたと思います。
- なぜ、1枚ものなのか
- 1枚ものの目的は何なのか
- なぜリンクがないのか
- リンクがない分何が必要なのか
などをしっかり理解した上でストーリー性を重視したページ設計を行えば、ただ普通のページを長くして最後にボタンをつけただけ、というような意味のないランディングページもどきを作ってしまうこともなくなるはずです。
ランディングページの基礎を理解した後は、ぜひ自社のランディングページの設計を始めてください。そして大切なランディングページを育て上げてください。