マーケティングセミナーがビジネスを劇的に変える理由とは?
「商品を売る、あるいは集客する。」
そうした経営のベースとなる売上に影響を与えることすべてをマーケティングの一言で説明できてしまいます。
これはどのような有名企業であってもあるいは大企業であっても変わりません。
一方で、マーケティングの手法やツールは年々進化しており、専門家でもその移り変わりなどをしっかりととらえることは難しいものです。
ましてや、本業のある人にとって、マーケティングを勉強するというのは少々無理があるといわざるを得ません。
企業の経営や個人事業の売上などに多大な影響を与えるマーケティングですが、近ごろはマーケティングセミナーというものが全国各地で開催されています。
こうしたセミナーは、マーケティングについて知っている人が、その要素について話してくれるというもので、ちょっと聞くと非常に有用なものであるように感じられるでしょう。
しかし、マーケティングセミナーの数は星の数ほどあり、本当に効果があるのかどうか不安になってしまいます。
今回は、マーケティングセミナーについて、より具体的にそして自分のためになるようなセミナーをどういう基準で見つけたらいいのかをみていきましょう。
Contents
マーケティングとは何か?
大前提であるマーケティングとはいったい何なのでしょうか。
マーケティングとは何か一言で言ってくださいといえば「売れる仕組みを作ること」であるといえます。
これでピンとくる人はとてもセンスがあるといえるでしょう。
売れる仕組みにはいろいろあります。
例えば、集客や広報宣伝もまさにこの売れる仕組みです。
また、店舗を出したり商品を仕入れたりすることも売れる仕組みでしょう。
少し見方を変えれば値付けも売れる仕組みですし、料理屋であれば味付けもまた売れる仕組みといえます。
このように見ていくと、企業の活動すべてがマーケティングなのではないか?と思う人もいるかもしれませんが、実際その通りなのです。
基本的に企業の活動は何かを売るということになりますので、企業の活動すべてが売ることに集約されてしまいます。
それだと何が何だかわからなくなってしまいそうなので、様々なマーケティングの定義を見ていきましょう。
「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。」(アメリカ・マーケティング協会 2007年定義)
「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」(日本マーケティング協会)
「マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス」(フィリップ・コトラー)
「マーケティングは、業務の効率(利益の効率)をアップさせる科学的手法といえます。売れるための仕組みづくりともいわれています。よく、宣伝や販売促進活動がマーケティング活動と思われているようですが、本来は、顧客のニーズを満足させるための活動といえます。」(ニーズ創造研究所)
「個人や組織が, 製品及び価値の創造を行い, 市場での交換を通じて, 自らの欲求を満たすために行う様々なプロセスのことである」(日本オペレーションズ・リサーチ学会)
こうしてみていくと、最初に言った「売れる仕組みを作る」という説明ですが、それも業界や得意分野によって少しずつ見え方が違うことが見えてきます。
それでも、全体的には企業活動全般の、特に企業が活動して価値を創造する活動や社会的に(≒顧客的に)役に立つ活動を指してマーケティングと呼んでいるのです。
セミナーに参加する理由は?
そもそも1時間や2時間のセミナーでマーケティングの何がわかるのだろうか?と思われると思います。
しかし大事なことは、
- 自社としてあるいは自分としていったい何が足りていないのか
- どこに自社や自分のリソースをつぎ込んだらいいのか
をしっかりと認識しておくことといえます。
もし、自分に必要なことが何かが見えていない状態でセミナーに参加すると、全てが必要なように思えます。
大企業のように人的・物的、そして何よりも金銭的なリソースが豊富にある企業ならばともかく、ほとんどの企業がそんなリソースを持ち合わせていないでしょう。
リソースを持ち合わせていないからこそ、経営を効率化し少ないリソースで大きな利益を上げようとしているはずです。
何が必要で何が必要ないのかわかっているからこそ、経営でも利益を上げることが出来るようになります。
正しいセミナーとはどういうものなのか
また一方で、正しいセミナーとはどういうものなのでしょうか。
先ほどから見ているようにマーケティングとは非常に幅の広いものです。
マーケティング全般に詳しい人というのは実質存在していないでしょう。
例えば、マーケティングの神様といわれるドラッガーやコトラーといった偉人達でも、得意な分野と不得意な分野がありました。
つまり、良いセミナー、正しいマーケティングセミナーとは、話者が最も得意とする分野に尖ったセミナーということが出来るでしょう。
CMを作ったことのある人ならば商品広告や話の広め方といった分野、営業成績が非常に高かった人ならばどのように顧客を選んだらいいのかといった具合です。
マーケティングセミナーと銘打っていったいどういう人たちにどういうものを伝えようとしているのかよくわからないセミナーがあります。
こうしたセミナーに参加しても、結局話者の経験談であったりあるいは新しいツールや技術の話であったりで、今自社や自分が抱えている問題を直接的に解決できるようなそんなセミナーにはなっていないはずです。
このようなセミナーは参加する必要がありません。
「自分のニーズに合ったセミナーに参加する。」
まさにマーケティングそのものといえるかもしれませんね。
理解できることとできないこと
マーケティングセミナーに参加することになったら、必ず心にとどめてほしいことがあります。
それは、セミナー内容をすべて理解しようとしないことです。
なぜなら、最適な商品の売り方、あるいは商品を売る方法とは、商品によって異なっているからです。
つまり、マーケティングセミナーの話者の経験や学んだことはこうした理論であるが、それが100%自社や自分が扱っている商品にかぶっているかどうかはわからないといえます。
これはどのような分野でも当てはまるでしょう。
例えば料理の宅配サービスのチラシを見てください。
ピザやすし、中華など様々な広告が入っていますが、どれとして同じような形にはなっていません。
これは、その料理形態によってターゲットとしている層が違うため、広告表現も異なるためです。
このように、商品を取り扱う環境というのはひとつひとつの商品に対して異なっています。
そのため、マーケティングセミナーに対して問題意識をもって積極的に参加している人ほど、話者の話していることに違和感を覚えたり、これは違うぞ?と反論したくなったりする傾向にあるでしょう。
マーケティングセミナーに積極的に参加している人にとって理解できることとできないことが発生することは当たり前です。
それは、まさに自社や自分が扱っている商品について詳しいということでもあるでしょう。
理解できないことに足を引っ張られずに、大局的な視野でセミナー自体を振り返ってください。
得るものが必ずあるはずです。
参加を決める時の3つの注意点
最後に参加を決める時の注意点についてテクニック的な要素をご紹介しておきます。
経歴はあまり気にしない
話者の経歴についてはあまり気にしないほうがいいでしょう。
現在はベンチャーや中小企業で大いに活躍していた人もたくさんいます。
大きな企業だからや有名な資格をたくさん持っているからというような理由でセミナー参加を決めずに、自社や自分の課題に即した話をしてくれそうな人を見つけることのほうがよほど大事です。
極端な話、自社や自分の課題に対する何かしらの知見を与えてくれるのであれば、話者が誰であろうとどうでもいいともいえるでしょう。
簡単な内容や話すことの目次などがわからない場合はあまり期待せずに
優良なセミナーの多くは、話す内容などをあらかじめネット上などで公開していることがあります。
これは、もしセミナー内容がわかってしまっても、それと同じような話はできないだろうという話者の自信に基づいています。
また、話す内容があらかじめわかっていれば事前に予習なども出来るため、内容理解が進む可能性も大いにあるでしょう。
逆に話の内容などがよくわからない場合は、一般的な話をかみ砕く程度の場合があります。
多くのセミナーに参加しても、これだったら詳しい本を読んだほうがよかったと思えるようなセミナーだったという経験をした人は多いはずです。
連絡先が載っていないセミナーは避ける
そもそも話者や開催企業は、セミナーを通じて主幹ビジネスにつなげたいと考えて行っているはずです。
ということは、セミナーが終わった後、個別に連絡することは大歓迎でしょう。
それなのに連絡先が載っていないセミナーなどがあります。
このようなセミナーはできる限り避けるべきです。
セミナーで話す内容があまり詳しいものではなく、すでに一般的にわかっていることしか話さないという場合も大いにあるでしょう。
連絡先は信用の証とはよく言ったものです。
まとめ
マーケティングセミナーについてみてきました。
セミナーと聞くとよくわからない情報の少ないようなセミナーも数多く存在します。
そうした中から優良なセミナーを見つけるのは大変です。
ぜひ自社や自分の課題を解決してくれるようなセミナーを探してみてください。
その過程で自らの問題点を見つめなおすことになり、もしかしたらセミナーに参加せずとも気づきが得られる場合もあるのです。