知らないと損!いまだに理解されていないベネフィットの意味
マーケティング用語でベネフィットとメリットというものがあります。
また同時に私たちはビジネスでメリットという言葉を非常に多く使っています。
しかし、メリットとはいったいなんでしょうか?そしてベネフィットとは異なっているのでしょうか?
この違いについて明確に知っておかなければ、商品を売ることは非常に難しいでしょう。
今回は、メリットとベネフィットの違いに注目しながら、マーケティングについて勉強していきましょう!
Contents
ドリルを買いに来た人が求めているものは…
マーケティングを勉強する上で非常に重要なことは、「求めているのは穴である」ということです。
別に相手は商品が欲しいわけではありません。
商品を購入した結果何が得られるのかということを求めています。
これはどんな商品にも当てはまります。
例えば美味しい料理の場合、商品は料理です。
そして、その商品を買った結果、私たちは美味しいという満足を手に入れることができるのです。
メリットとは?ベネフィットとは?
メリットとベネフィットの違いを端的に説明すると以下のようになります。
メリットは特徴
商品やサービスそのものの価値や特徴
ベネフィットはストーリー
顧客が商品やサービスを購入することで得られる利益・恩恵・未来
大事なことは伝え方にあります。
メリットの伝え方は簡単です。商品を説明すればいいのです。
或いは、非常に有名な商品の場合は伝える必要もないかもしれません。
メリットは目で見ても十分に伝わるものなのです。
一方でベネフィットはどの様に伝えればいいのでしょうか。
ベネフィットを伝える時に重要となってくるのはイメージと体験です。
相手の感情に訴えかけ、それを使って自分がどうなるのかを具体的にイメージしてもらわなければなりません。
ベネフィットは感情のやり取りである
メリットは「説明」です。そのため、メリットのやり取りは理性と考えてかまいません。
一方で、ベネフィットは「イメージ」です。そのために必要なことは、相手の感情を考えることです。
この感情を考える際に重要なことは、相手の感情のペースに合わせることです。
一目見てよく書けているなと感じるコピーを書く人の中で、あまり結果が出ていない人がいます。
こういった人は、メリットの説明もベネフィットの表現も基本が抑えられていて実力が十分あることが伝わってきます。
しかし、結果が出ない…。
これは、相手の感情は理解しているが、相手の感情が沸き起こるペースと書いている文章のペースにずれがあることがあります。
感情が最も盛り上がる時に最も効果的な言葉を使っていく必要があるのです。
このペース配分を理解するためには、ベネフィットを伝える時に、どのような構造になっているのかをしっかりと理解しておく必要があります。
ベネフィットを伝える3つのポイント
ベネフィットを伝える段階は大きく分けて3つあります。
その1 機能
まずは機能です。メリットとあまり違いはないと感じる人もいるでしょう。
- ダイエット商品ならば、これを使うと痩せます
- 筋肉トレーニングの機械ならばこれを使うと筋肉がつきます。
- コンサルタントであれば、任せれば利益が出ます。
- 弁護士や税理士ならば任せれば法や財務について安心できます。
ベネフィットを伝えるという場合に、ここで重要なのはA=Bとばかりに力強く言い切ってしまうことです。
誰を対象としていてどんなメリットがあるのか、最初の段階で言い切ってしまうことで、潜在的な顧客なのかそうでないのかをふるい分けてしまうのです。
この力強い言い切りでもついてくる人は、すでに書いている文章をしっかりと読もうという気になっているはずです。
そういう姿勢の人には、感情を伝えやすくベネフィットがしっかりとイメージできるでしょう。
その2 情緒
商品の機能を説明した後、それをしたらどう思うかをイメージしてもらいます。
例えば、
- この商品を買って痩せた⇒嬉しい
- 弁護士に任せたらトラブルが収まった⇒安心だ良かった
こうした心の動きを捉える様な表現を素直に提示しましょう。
こうした情緒は色々と説明したくなってしまいますが、説明は必要ありません。
むしろ、素朴で素直な感想や思いなどが出てきた方が、読んでいる人もイメージしやすいでしょう。
- 嬉しい
- 良かった
- 安心
- 心地よい
- 気持ちいい
- 軽い
- 楽だ
こうした素朴な情緒を表現する言葉は、イメージを生み出す段階では力強い言葉になります。
このようにして、読んでいる人の気持ちを素直に共感していくことが重要なのです。
その3 自己表現
人は利益を得るだけでは満足しません。
正確に言えば、何かを買ったことで人生を豊かにしたいという大きな欲望があるのです。
そのため、嬉しい・よかったという素朴な感情から、買った人の人生において非常に有益であることを提示しなければならないのです。
例えば、この商品を買って痩せた、嬉しい、更に恋人が出来た!といった具合です。
情緒が良い方向に向かうこと、状況が改善されることだけでなく、その結果、
「将来や未来に大きなプラスが生み出されることを提示される」
と、人は必ず関心を持つようになります。
人は自分の人生をコントロールしたいと考えています。
そして、同時により多くの満足を自分の人生から得たいと思っています。
つまり、買うという行為・アクションを起こした結果、人生がより豊かになった!と実感できるほどのイメージを相手に与えることができれば、その商品にあらがえないほどの魅力を感じるのです。
仕事とは人の幸福の総量を増やすこと
物を売ること自体に非常に強い抵抗がある人がいます。
これは、売り込むことによって、相手の利益を損ねているのではないかという不安でしょう。
しかし、仕事とはそもそも人の幸福の総量を増やすことにほかなりません。
物を売ることによって、相手の幸福の総量が増えるのであれば積極的に行うべきです。
人は幸せになりたがっています。自分の扱う商品を提供しベネフィットを得ることで、人は幸せになるのです。
まとめ
ベネフィットを相手に伝えていくことは、同時に相手の未来や将来、あるいは人生までも考える必要があるかもしれません。
それはベネフィットというものは、
「最終的に売り手の手から離れて買い手が感じる、買い手が経験するもの」
だからです。
ベネフィットは顧客のものです。その商品を購入することで相手の人生がどう変わっていくのかということを相手にイメージしてもらうためには、まずは自分がイメージしなければなりません。
自分から相手に寄り添うことで、明確で魅力的なベネフィットを相手に提示できるのです。