外注を上手に管理してフル活用しよう!外注管理術の秘訣公開
起業したばかりの人はすぐに社員を雇うなんて難しいですよね。
でも想像より早く仕事が軌道にのり、思った以上に忙しくなってしまった場合は自分一人では限界がすぐにきてしまいます。
せっかく頂いた仕事を断ることも、納期を守らないことも絶対にできません。
そんな時は外注をフル活用してください。外注はもちろんコストはかかりますが、時間や約束を守ってくれますので、自分一人で作業をするよりも確実な仕事を進めることができます。
外注なんて面倒くさい…。というイメージを持っている人も多いかと思いますが、今一度外注の活用方法を一緒に考えてみましょう。
外注とは?
外注とは文字通り「外部に仕事を発注すること」です。
- スタッフが足りない
- プロの知識がない(web制作や映像撮影・編集など)
- 資格がない(記帳代行や決算業務、保健手続きなど)
事務作業は資格がなくてもできますが、調べながら時間をかけて書類を作成しても、間違ていれば修正をしなくてはいけません。
その都度修正に対応するよりも、資格所有者におまかせしてしまったほうが、人件費と比べて安くなることもあるでしょう。
またweb制作や映像関係などはソフトが使えるかどうかだけではなく、売れる仕組みや売れる要素を知識として所有している業者におまかせしてしまったほうが、広告費が無駄にならずに済みます。
目先のコストを考えるとどうしても躊躇をしてしまうかもしれませんが、外注に頼むことにより素人作業でなくなることで、大きなリターンが得られることを考えて発注をしてください。
外注化の4つのメリット
メリット1 時間がお金でかえる
本来であるなら自分やスタッフがやらなればならなかった仕事を外注するので、その分確実に時間が余ります。
経営者であるなら作業などしている場合ではないので、外注に出したら本来の仕事に集中することができます。時間は1日24時間しかありませんが、外注を使うことにより人より時間を増やすことができるようになります。
メリット2 納期がずれない
経営者や幹部が実作業をするプロジェクトは納期が遅れることが多いと思いませんか?
- 経営者のあなたを叱る人は周りにいますか?
- 幹部であるあなたをたしなめる社員は周りにいますか?
経営者は幹部などの立場が上の人は、往々にして周りに注意をしてくれる人がいません。なので、つい納期や納品が遅れてしまいます。
しかしその部分を外注に出せば、外注の人はプロとして必ず納期を守ってくれます。納期がずれてしまうほど、機会損失が多くなります。
一度外注のコストと機会損失を比べてみてください。大事なタイミングを逃さないでください。
メリット3 最新の法改正に対応してもらえる
事務手続きなどの申請は、毎年法律が変更になっていることがあります。
法改正を知らないままで一生懸命書類を作成した経験がある方も多いのではないでしょうか。一生懸命作成した書類でも、間違っていれば最初から作らないといけません。
また一度申請をしてしまった場合は、補正書類を作成して提出しなければならないこともあります。
メリット4 変動費化できる
スタッフを雇用していれば、忙しい時期だけではなく閑散期も人件費が固定費としてかかります。
しかし外注化することにより、必要な時にだけ発注をすることができるので変動費化できます。
会社の経費で一番大きな人件費を変動費化できることで、会社の利益によい影響をもたらします。
外注化の4つのデメリット
デメリット1 コストがかかる
どんな仕事でも外注に出せばコストがかかります。コストを大きくかけるか、小さくかけるかで成果物も変わってくるので、しっかりと判断をしなくてはいけません。
実績があり、リターンが見込める場合であれば外注費はすぐに回収できるかと思いますが、それでも100%予想通りにならないのがビジネスの世界です。
成果報酬型の契約等も含めて数社に見積もりと実績を持参してもらいましょう。
また社内で担当している場合は、急な追加作業や対応などいくらでも対応できますが、外注の場合は別途費用が発生したり、時間外には対応してもらえないなどの問題もあります。
デメリット2 社内にノウハウが蓄積しない
外注に出してしまった業務のノウハウは社内に残りません。元々社内で担当していた業務でも、一度外注に出してしまった業務を社内に戻すのは大変な作業になります。
しかし社内に蓄積されたノウハウでも、スタッフが退職等してしまえばノウハウは蓄積しません。マニュアル化されていてもまたノウハウの構築が必要となります。
デメリット3 管理チェック体制を整えないといけない
外注はプロで納期を守ってくれますが、定期的にチェックや管理をしなければいけません。
きちんとお金を払ってるのになぜそんなことをしなくてはいけないのか?と思われるかもしれませんが、外注に出したといってもあなたの事業を助けてくれる大切な部分を担当したり、制作しています。
その大切な部分を放置して、任せっきりにしていいのでしょうか。軌道修正が必要な場合は早めに指摘したほうがお互い傷が少なく済みます。
常に外注さんと協力をして会社を作っているという事を忘れないようにしましょう。
デメリット4 顧客対応が低下する
「担当者より折り返しお電話させて頂きます」と言われて困ったことはありませんか?
折り返しの連絡を待っている間イライラした経験はありませんか?
コールセンター等の顧客対応部門を外注化した場合は、社内で対応するよりもお客様対応が遅くなることがあります。
外注先も適したマニュアルを用意し対応してくれますが、細かい部分は社内のスタッフでないとわからないこともあり、その場合はすぐに回答ができない事が多くなります。
外注管理の3つのポイント
ポイント1 複数に発注しよう
原稿制作などを外注に発注をする場合は最初は「同じ仕事を複数の外注に発注」してください。
コストは人数分かかりますが、一番いい外注先を選んで残すことができます。
- 納品データ
- 連絡の取りやすさ
- 対応力
- 理解力
などを比較してみてください。同じ金額で出しても全く対応が違います。
何を一番重要視するかはそれぞれ違うかと思いますので、自社や自分が一番大事にすることを一番共有できる外注先を見つけてください。
ポイント2 会話をする
最近はメールだけで外注を探し納品までできるようになりましたが、Skype等で構わないので一度会話をしてください。
直接会話をすると途中で仕事が止まってしまったり、連絡が取れなくなってしまったりすることが少なくなります。
また一度直接話をしているので、その後の連絡もスムーズにでき、意見の交換もしやすくなります。
ポイント3 連絡方法を決めよう
外注管理をするうえで一番困るのが連絡が取れなくなることです。
もちろん外注先も他の業務も抱えていたり、用事がある場合もありますが長期間連絡が取れなくなったら困ります。
プロジェクトが始まる前に
- 主な連絡方法(電話、メール、チャットワークなど)
- 連絡が取れる時間帯や曜日
- 定期連絡の必要があれば定期報告日の設定
などお互いストレスにならないように予めルールを決めておきましょう。
外注管理の注意点
注意点 外注先に振り回されない
指揮権は必ずこちらが持ってください。外注先に振り回されてしまうとどちらが外注されているのかわからなくなります。
外注先とはいい関係を保つことが一番大事ですが、だからといって外注先の言いなりにならないように注意して下さい。
外注先はプロの知識を持っているので専門的な事を言われても負けないで、指揮権は渡さないでください。
注意点 外注を見極める
外注先の中には本を数冊読んだだけで実績もないのに、仕事を受けてしまう会社もあります。
せっかく費用をかけて発注をしても、プロの仕事をしてもらえなければ自分で仕事をしたほうがましです。
そのためにも
- 先程述べたように最初は複数の会社に発注をして見極める
- 実績や作品集を必ず提出してもらう
などをして、素人にお金を払うことがないようにしましょう。
また外注先は金額だけではなく担当者との相性も良いことが肝心です。どれだけ高くても安くても担当者との相性が悪ければ、なかなか意図が伝わらず、イライラすることもあるかもしれません。
自分が話しやすい担当者かどうかも見てください。
注意点 外注先を下に見ない
レストランやコンビニで定員さんに横柄な態度を取っている人を見たことがありませんか?とても不快な気持ちになるはずです。
外注先についても横柄な態度で接している経営者を見かけることがあります。
自分が外注先の立場だったらどうでしょうか?そんな人のためにいい仕事をしたいと思うでしょうか?
外注先はあくまでも協力会社です。自分の大切な事業や業務を助けてくれる大切な存在です。
一度きりかもしれませんが、長い付き合いになる外注先もあるはずです。
外注先や担当者を大切にしましょう。
外注を導入するまでの3つのステップ
外注化をするかしないかの決定をするまでには大きく分けると3つのステップがあります。
このステップを踏むことによって良し悪しの判断をして導入を決定をすることが出来るようになります。
では、実際に3つのステップを、順を追って見ていきましょう。
(ステップ1)現状把握・現状分析をしよう!
外注化は、そもそも社内の業務を社外に委託することによってメリットを享受しようとするものです。
「この社内の業務は社外に委託したほうが良い」と判断する必要があります。 そのためには、そもそも社内の業務を知っている必要があるのです。
つまり、現状把握・現状分析が出来ていなければ、良い外注化はできないということになります。
社長または決定する責任者が会社のすべての業務を把握している場合は、判断もすぐに出来るはずですが、外注化を考える会社と言うのはある程度の規模になっており、社員数の増加・業務も複雑化しているので、すべての業務を把握出来ていないような場合がほとんどです。
外注化の判断・決定をするのが社長であっても、部門長であっても現状把握・現状分析がまずは必要となります。
(ステップ2)将来像の設定をしよう!
現状把握をして終わりではありません。
将来像の設定をする必要があります。現状把握・現状分析で、「このような課題や改善点がある」と把握出来ているはずです。
では、その課題や改善点をクリアした将来像はどのようになっているかを明確にしましょう。その将来像(理想像)を明確にすると、また課題や改善点をどのようにクリアにするべきかが再認識できるようになります。
その「課題や改善点をどのようにクリアするか」と言う過程が、 「社内で出来る」のか」 「外部に委託するのか(外注化するのか)」 の判断材料になっていくのです。
(ステップ3)外注化するかどうか決定しよう!
現状把握・現状分析と将来像の設定が出来れば、外注化するべきかどうかの判断・決定が出来るようになります。
ここの判断基準としては、 一時的なメリットだけでなくデメリットも勘案して、トータルとして会社にメリットの方が大きいと言う場合 に外注化の決定をするということになります。
ここまでの3つのステップをすることによってしっかりとした判断・決定が出来ます。
逆にこの3つのステップを疎かにすると、後々「あの外注化は失敗だった」ということになる恐れがありますので、それを避けるためにもこの3つのステップを確実に行ってください。
まとめ
人がいないくて困っている経営者の方は是非外注をフル活用してみてください。
社長の仕事も外注化できるものがあるはずです。ゆくゆくはその仕事も外注化できるようにすれば、社長不在でも仕事がまわるシステムが仕組化できます。
外注を探し、選定するまでは時間と労力がかかりますが、一度軌道に乗ればあとは外注先から定期的な報告を受けることが社長の仕事となります。
あとの余った時間は自分の好きなように使うことができます。
新しい事業、新しい人脈作りなど有効に時間を使ってください。