今すぐ作成しよう!資金繰り表の必要性と4つの活用方法
会社の「資金繰り」をしていく中で、「資金繰り表」の必要を感じることがあります。
また、銀行との会話の中でも「資金繰り表」を作ってくださいと言われた方も多いと思います。
そんな時に初めて「資金繰り表」を作成する場合、どのように作ればよいのかと迷うはずです。
それは法律で「このように作成しなさい」と決まっている決算書と違って、「資金繰り表」は自由形式であり、このように作りなさいというルールがないからです。
そこで今回は「資金繰り表とはどのようなものか」、「どのように作っていけばよいか」からスタートして、その活用方法まで説明していきます。
ぜひ会社の資金繰りの改善に役立ててください。
「資金繰り表」とは、どんなものか?
「資金繰り表」とは、どんなものですか?と聞かれて、明確に答えられる人は少ないかもしれません。
経理担当者(財務担当を兼任している人)でも、中小企業の場合、「資金繰り表」をしたことが無いという方もいるくらいです。
ではなぜそんなに「資金繰り表」は作成されないのでしょうか?
そんなに作成が難しいものなのでしょうか?
なぜ、作成しなくても誰からも怒られないのでしょうか?
そのような疑問にこの章では、お答えをしていきたいと思います。
資金繰り表にはルールがありません。
前書きの中にも少し書きましたように、資金繰り表には、「このように作成しなさい」とか「いつ、どこに提出しなさい」と言うような法律がありません。
同じような数字を扱う決算書には、会社法や税法などで事細かにルールが決まっているので、「資金繰り表にルールがない」となると困る人がいます。それは、経理担当者です。
「誰が資金繰り表を作るか」という問題は後ほどにするとして、中小企業の場合多くは「同じ数字を扱うのだから」という理由で経理担当者が資金繰り表を担当することが多いのです。
しかしルールに基づいてきっちり作成していく決算書と違い、自由形式ですので、どのように作ったよいのか迷い困ってしまうのです。
そんな時に税理士さんに聞いてみても、経理担当者と同様「決算書は得意ですが、資金繰り表は苦手」という方も意外に多くいます。
そうなると全くどのように作成していいのか分からずのままです。
また決算書のように期限があったり、提出しないと余分な課税されたりするようなこともないので、ズルズルと作成しないまま時が過ぎていくことになります。
そしてある日突然、資金ショート(資金の不足)が起きてしまうのです。
もちろん資金ショートに早く気が付き、対策を取ればよいのですが、間に合わなければ倒産にもつながってしまう危険があるのです。
それくらい資金繰り管理および資金繰り表の作成は重要なのです。
でも本当にこれでよいのでしょうか?
資金繰り表を作って資金繰り管理をしていくのは、上記のような資金ショートをギリギリの場面で回避するためだけでなく、
- いつ頃資金が不足して
- いくらくらい不足するか
を把握して、そのための対策
- 売上を伸ばす
- 経費を削減する
- 銀行から資金調達をするなど
を早めに取るためでもあります。
つまり手元資金は変動しますので、通常の企業でも年間の中では資金ショートする時期はあります。
すべての企業で資金繰り管理、資金繰り表の作成は必須ともいえるのです。
自由形式とはいえ資金繰り表の基本形とは?
「資金繰り表はルールが特に決まっていないので、自由形式」といってきました。
でもこれでは初めて作成する場合にも困ってしまうと思います。
そこで資金繰り表の基本を見ていきましょう。資金繰り表には大きく分けて2つの種類があります。
月次の資金繰り
1つ目は、「月次の資金繰り」です。
これは月ごとに、毎日の資金の出入りを記入して、月の中で資金ショートがないかどうかをチェックするものです。
イメージとして、小遣い帳のようなものです。違いは小遣い帳は過去の入出金を書きますが、資金繰り表はこの先の入出金の予定を書きます。
意外に「月のトータルでは入金が多いけれど、月末入金が多く20日支払いなので、20日の時点で一時的に資金ショートする」というケースもあります。
これは月次の資金繰り表を作成していないと、当日になって資金ショートが分かってドタバタするという経験をされた方もいるかもしれません。
またこの月次の資金繰り表を作成する際の注意点ですが、作成者に入出金の情報が集まってくる体制にしなければならないということです。
例えば
- 「各支店の営業担当者が請求書を持っており、支払いが把握できない」
- 「手形管理は社長の奥さんがしていて、情報が回ってこない」
などが起きないようにします。
資金繰り表を作成する前に、資金繰りに関する情報を集約できる体制作りから取り掛かる必要があるのです。
年間資金繰り表
もう1つの資金繰り表は「年間資金繰り表」です。年間(または半年間)の資金繰り表です。
「月次の資金繰り表」は日ごとの入出金を付けていましたが、「年間資金繰り表」は月ごとの入出金の予定及び予測を入れていくことになります。
これにより、何ヶ月後に資金ショートが起き、いくら必要なのかが判断できます。これにより、様々な対策(売上アップ、経理削減、銀行借入など)がとれることになります。
これまた入出金の情報が「年間資金繰り表」の作成担当者に集まるようにしておきます。
ここで問題なのは、「月次の資金繰り表」は1ヶ月先くらいまでの資金繰りのためでしたので、請求書や支払手形などの予定を把握しておけば良かったのですが、「年間資金繰り表」は、半年から1年も先の入出金を把握しなければなりません。
そこまで先の資金繰りを予想するためには、経営計画書がしっかりと作成されていることが前提となるのです。
そもそもなぜ資金繰り表が必要なのか?
資金の出入りを見て、資金がなくならないようにするために資金繰り作成をすると言いました。
このように言うと「経理処理をして決算書を作っているので、敢えて資金繰り管理をしなくても大丈夫」という方もいます。
これは「利益」と「資金」との違いが分かっていないケースです。「資金は現金・預金」ですので、実際の資金(キャッシュ)の動きを見るのが資金繰り表です。
一方「利益」とは会計上(計算上)でてきた数字です。実際のキャッシュと計算上の利益は差が起きることがあります。
つまり実際には、資金が増えていなくても利益が増えることもあるのです。
その逆の実際には資金は減っているけれど、利益は減っていないということもあります。
例えば9月15日に商品を売って、10月末日に入金される場合、9月末時点では、売上・利益は計上されるけれど、資金は増えていない状態です。
逆に9月中に100万円の固定資産を購入して現金払いしたとしても、費用化(利益のマイナス)は現金払いをした時にすべてを行うのではなく、数年にわたってすることもあります。
このように「資金(キャッシュ)の動き」と「利益の計上」は一致しません。
決算書だけを見て「利益が出ているから大丈夫」とは言い切れず、「資金繰り表」を作成して、実際のキャッシュの動きを予想する必要があるのです。
黒字倒産してしまう会社がある
上記のように「資金の動き」と「利益の計上」は一致しないということは、単純に「決算書や試算表をみただけでは、資金繰りができない」というだけでなく、様々な問題を引き起こすこともあります。
利益がでてきるからといって、資金の状態を見ていないがゆえに、黒字倒産するということもあり得るからです。
黒字倒産はかなり極端な例ですが、絶対にないというものではありません。
売上や利益が上がっていてもその資金回収が遅れたり、大きな設備投資をしすぎて資金が多量に流出したりすれば、黒字倒産もあり得ます。
ここまで極端な例まで行かなくても利益出ていても、月次の中で入金と出金のバランスが悪いと数日間だけ資金ショートが起きることや、ボーナス時期や税金支払い時期に一時的に資金ショートすること(資金が不足すること)もあります。
黒字でも資金ショートすることがあるということは黒字ギリギリだったり、赤字であったりすればなおさらです。
資金ショートをしそうな時期を早めに知って対策をする必要があるからです。まさにこれが資金繰りです。
資金繰り管理、資金繰り表の作成は、
- 「黒字ならやらなくてよい」
- 「赤字だからやる」
と言うようなものではなく、すべての会社で行うべきものなのです。
資金繰り改善の方法とは?
資金繰り表を作成して資金ショートが起きると予想できるのであれば、資金繰りを改善していきます。
上記のように当日に資金ショートが分かった場合は、銀行借入などの対策も打てないので社長自身や家族、親族、友人からでも借りて急場をしのぐしかありません。
しかし資金繰り表を作成していれば、こんなことはなく早めに対策が打てるようになります。
ではその対策(資金繰り改善の方法)とはどんなものがあるのでしょうか?
資金繰り改善の方法を一口で言うと、「入金を増やして、出金を減らす」こととなります。では、「入金を増やして、出金を減らす」方法はどんなものがあるでしょうか?
- 売上を伸ばす
- 経費を削減する
- 取引条件を改善する
- 銀行から融資を受ける
などがあります。
それぞれに見ていきましょう。
売上を伸ばす
「年間の資金繰り表」を作成していくと「いくら経費削減しても、売上がなければ資金繰りが続かない」と言うケースも出てきます。
これが「年間資金繰り表」を作成する理由の一つでもあります。資金繰りが厳しくなってから急に売上を伸ばそうとしても、時間的にも間に合わない可能性が高いです。
しかし「年間資金繰り表」を作成することによって、早めに資金ショートする時期が分かっていれば、売上を伸ばす対策をする期間があるのです。
経費削減
経費削減はどの企業も取り組んでいると思いますが、そこからもう一歩踏み込む必要性がある場合もあります。
これは「年間資金繰り表」を作成していると、売上と経費のバランスが見えてきます。
その時に売上規模が単なる努力目標の経費削減だけでは間に合わず、固定費(人件費など)の部分にまで突っ込む必要があると判断することもあります。
つまりリストラの判断をすることもあり得るということなのです。
取引条件の改善する
取引条件は、意外に気にしていない会社も多くあります。
例えば
- 「営業マンが売上を伸ばしたいがために、資金の回収を考えずに取引をしてしまっている」
- 「社長が取引先にいい顔をしたいために、他社に比べ支払い期間が短い」 など
このように取引条件を改善
- 売掛金、受取手形であれば早めに回収
- 買掛金、支払手形であれば支払期間を長めに設定 など
をすることによって、資金繰りも改善することになります。
これは今までの取引を無くしてまで強硬にするというものではありませんが、1つ1つの取引条件が資金繰りにつながっていると理解し、交渉できるものはするというスタンスも必要なのです。
銀行からの融資
資金繰り改善の一番分かりやすいものが銀行からの融資だと思います。
「月次の資金繰り表」「年間資金繰り表」を作成することによって、いつ・どれだけ資金が必要なのかが分かりますので、銀行への申請もスムーズになります。
銀行としても、「急に貸して」とか「いくらでも良いので貸してもらえるだけ貸して」と言うようなアバウトな申請よりも、「いつ・どれだけ必要」と具体的な方が貸しやすいのです。
銀行借入のみが資金繰りではない
資金繰りと言うと「どうやって銀行から資金を借りるか」だけしか頭にない方もいます。
しかし上記で資金繰り改善方法を見てきたように、いくつも方法はあるのです。
資金繰り表を作成していないと「急に資金が必要になる」ので、対策の幅が狭まって銀行借入くらいしかない状態だったとも言えます。
資金繰り表を作成して、早めに対策を取ることで銀行借入以外の方法もあるのです。資金調達という意味でも、長い目で見るのであれば、方法はあります。
補助金や助成金
補助金や助成金は、返済不要の資金です。多くは国や地方自治体が補助しているので、条件や審査がありますが、対象であればチャレンジしてみてもよいと思います。
注意点としては、条件や審査をごまかして受給しようとすると、補助金や助成金の返還だけでなく、罰則を受けることもありますので、正しく申請することは当然ながら必要です。
出資
次に返済不要と点では、誰かに出資してもらうことも資金調達の一つです。
出資というと上場して投資家から投資を受けることが思い浮かぶかもしれませんが、中小企業であれば親類や取引先から出資を受けることも多くあります。
返済不要ですが、配当があることや経営権の一部を渡すという意味などを理解したうえで検討するものです。
その他
それ以外としては、社債があります。
通常社債の発行は、複雑で大規模の会社が行うものですが、勧誘対象者が50名未満などの条件がそろうような小規模の社債であれば、少人数私募債として簡易な手続きで発行することができます。
債権なので利息を払うなどのデメリットもあるのですが、資金調達の手段としては把握しておいた方がよいと思います。
どれも「急な資金」には対応できないものばかりですので、やはり資金繰り表を作成して普段から資金繰り管理をしておく必要はあるのです。
資金繰り表の作り方とは?
前章で「資金繰り表とは」についてお伝えしてきましたが、この章では、具体的に資金繰り表の作成に入っていきます。
資金繰り表のテンプレート(ひな形)
前章でも書いたように、資金繰り表は法律で「このように作成しなさい」というような決まりがありません。
つまり自由形式です。もっと言えば、作成するのもしないのも自由です。
資金繰り表を作成していない会社もあるのですが、今までお伝えしたことを理解していれば、資金繰り表の必要性は分かっていると思います。
それでも初めて資金繰り表を作成する時には、どのようなものか見当もつかないかもしれません。
ここでは、肥後銀行のホームページに掲載されている「資金繰り簡易作成ツール」を紹介しておきます。
http://www.higobank.co.jp/corporate/tool.html
このツールで作成されるのは「年間資金繰り表」(半年間)です。
またビジネスで使う様々な書式をダウンロードできるサイトであるビズオーシャンでも月次の資金繰り表(1ヶ月単位の資金繰り表)、年間の資金繰り表(1年単位の資金繰り表)などがダウンロードできます。
https://www.bizocean.jp/doc/category/67/
「このフォームでなければならない」というものではないので、参考に作成しながら自社の必要に応じて作り替えていくというのも良いかもしれません。
資金繰り表の作成方法
月次の資金繰り表は、ここから1ヶ月先までの分かっている入出金を入れていくだけです。
前章にお伝えしたように月次の資金繰り表を作成する担当者は、すべての入出金の情報を把握出来る業務の流れにしておく必要があります。
次に年次の資金繰り表や半年の資金繰り表の作成方法です。月次のように実際の入金や支払いだけでなく予想の入出金も作成していく必要があります。
まずは固定的に入金、出金があるものを入力していきます。これは固定的なものなので、過去の入出金を参考に出来るはずです。
後は変動するものです。売上や売上に比例して変化する費用などは経営計画書などを参考に入力していくことになります。
これが前章でしっかりとした経営計画書が必要と言った意味です。
しっかりしていないと資金繰り表に入れる数字もアバウトになってしまうのです。
このように年間の資金繰り表を作る際には、しっかりとした経営計画書の作成も必須となります。
なぜ資金繰り表の精度は上がらないのか?
資金繰り表を作成する、しないも自由であるし、形式を自由というので「自由ということは重要ではなく、資金繰り表の精度も低くてもよいのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかしここまでお読みいただいた方は、資金繰り表の重要性は理解されていると思います。では、「精度を上げるためにはどうするのか」です。
経営計画書の精度を上げるしかありません。
またここで問題なのは「経営計画書って数字がたくさん出てくるから経理担当者がやるもの」と思っている経営者もいることです。
まとめたり、最終的な数字の部分の作成をしたりするのは経理担当者が行うにしても、経営計画書の経営理念や、どのような経営戦略で売上を上げていくのかなどは経営者(または取締役会)が考えて行くべきものです。
資金繰り表の精度を上げるには、経営計画書精度を上げる必要があるのです。
経営計画書との連携
上記のように資金繰り表と経営計画書は連携をしています。そのために最初の方で「資金繰り表を誰が担当するのかは後ほど」としたのはこの部分です。
最終的な数字の部分は経理担当者でも良いですが、経営計画書、資金繰り表という全体像という意味では、経営者が中心となって検討していく必要があるということなのです。
銀行借入という意味でも精度の高い経営計画書は必要ですので、この機会に、経営計画書を作成する体制を作ってみてはいかがでしょうか?
資金繰り表の作成時期
資金繰り表の作成する時期はいつなのでしょうか?
月次の資金繰り表は月ごとに作りますが、入出金が判明した時点(例えば、請求書が来た時点など)で、どんどんと入力していきましょう。他部署との連携しながら、早めに情報を入れるようにしていきます。
次に年間資金繰り表ですが、ローリングしながら作成していくことが一番です。
例えば1年先まで資金繰り表を作って、来年まで作成しなかったら、最後の方は1ヶ月先までしか資金繰り表がない状態になります。
1ヶ月経ったら次の月を足して作成していく(ローリングしていく)方がよいです。
資金繰り表の4つの活用方法
資金繰り表は「突然の資金ショートを防ぐ」という活用法だけなく、もっと活用もあるのです。
どのような活用方法があるか見ていきましょう。
その1 銀行との対話
資金繰り表を作成することで、銀行との対話に活用できます。
日本の中小企業は長期借入金を借りていることが多いので、事業活動で資金の入出金がプラスマイナスゼロでも、返済分は資金が減っていきます。
つまり銀行との友好な取引の継続をしないと存続は厳しくなります。
その銀行との話をする時に、「自分の会社の資金のことは把握していません」という「どんぶり勘定」の状態では、融資する側から見てもリスクがありと感じてしまいます。
そこで資金繰り表を作成し、資金管理している会社であれば、融資しやすい会社(貸しても返してもらえる会社)だと思ってもらえるのです。
その2 資金繰り改善に役立てる
これは前述した通り資金繰り表に作成することによって、早めに不足する部分が見えてきます。
その部分を早めに対策すれば、資金繰り改善ができるのです。
それでも思うように改善出来ない時もあります。その時にも早めに次の対策に取り組みことができます。
そしてその次の対策自体も、資金繰り表から「何をすべきか」が分かるようになるのです。
ですので資金繰り表を作成しただけでは、ただの表でしかありません。その表をしっかりと分析して、次につなげることが大切なのです。
その3 経営判断の材料
資金繰り表が資金繰り改善に役立つとお伝えしてきましたが、それでも改善できない場合もあります。
その時に金融機関に協力の要請(返済条件の変更など)をしたり、最悪の場合、会社をたたんだりするという決断もあります。
その時に、「何となくこの先、厳しいから」という状態では判断も出来ません。
そこで精度の高い資金繰り表が作成されていれば、適切な経営判断もできやすいのです。
もちろん悪いほうの経営判断だけでなく、大きな設備投資をする場合やどこかの会社を買収する場合などにも資金繰り表が作成してあったほうがよいです。
それどころか資金繰り表がないと経営判断できないとも言えます。
その4 経営全体での活用
資金繰り表を作成するには、経営計画書が必要とお伝えしてきました。
しかし逆の見方も出来ます。資金繰りを改善するには、
- 売上をあげる
- 経費や出費を抑える
- 銀行対策をする
など対策があります。
それを計画的に行っていけば、将来に渡って資金繰りが改善することになります。
つまり資金繰りを改善するためには、そもそも経営改善することが先決になります。資金繰り表を見ながら、この部分が当社は弱いと言う部分を強化していけば、経営改善にもつながるのです。
経営計画書がしっかりできていることが資金繰り表の作成にもつながりますし、資金繰り表がしっかりできると、次の経営課題が見えてくるのです。
また従業員全体を巻き込んで資金繰り改善を行うべきです。
企業活動をしていくとすべての活動に資金が絡んできます。つまり日々の従業員の意識、行動が資金繰り悪化につながったり、改善につながったりするのです。
単に「売上伸ばせ」「経費を削減しろ」というだけでなく、1人1人の意識、行動が資金繰りにつながっているということを伝え、理解していくことによって資金繰り改善、経営改善につながっていくのです。
資金繰り改善のポイントとは
資金繰り改善のポイントまとめ
資金繰り表は作成しただけでは、ただの表にすぎません。
これを活用して、資金繰りか善までつなげていくことが目的です。それは、短絡的に「銀行借入をどうしよう」と言う話だけでなく、経営改善(売上、費用、組織まで)に関わることになります。
資金繰りを「倒産しそうな会社が、金策に走りまわっているのが資金繰り」と思わないでください。
どんな会社でも、資金繰り表を作成し、資金繰り管理をして、経営改善につなげることはできるのです。
資金繰り管理・資金繰り表の精度を上げていく
ここまで考えると資金繰り管理や資金繰り表作成は、「法律で決まっていなからやらない」とか「他社もやっていないなら、やらなくてよい」というような考えどころか、「中途半端な精度ではダメだな」と理解いただいたと思います。
もちろん資金繰り管理、資金繰り表の精度を上げるのは経営計画書の精度も上げることを忘れないでください。
まとめ
もしかすると「資金繰り」と言うと「資金ショートした会社がギリギリのところで資金調達に駆けずり回っている」というイメージの方もいたかもしれません。
しかし本来の「資金繰り」はそのような状態にならないために
- 「現状の資金の状況を把握して」
- 「将来の資金の予想をして」
- 「資金ショートを早めに防ぐ」
ものです。
さらに資金ショートをしないように経営改善にもつなげるという意味まで含みます。
このように「資金繰り」は経営にとって非常に重要なことであるのにも関わらず、関心の低い人が多いのも事実です。
逆に言えば資金繰り管理をしっかりと出来る企業は成長していきやすい企業ともなれるのです。