ファイブフォース分析でビジネスチャンスを手に入れよう!

就活生がやる業界研究とビジネスを切り開くための業界分析とはどこがちがうのでしょうか?

ずばりそれは、「社会に自分の居場所をみつけることと、市場に自分なりの視点を見つけることの違い」

だと言えます。

自分を社会に合わせるのではなく、社会の中にビジネスチャンスを見つけてそれを切り開くことがファイブフォース分析によって可能になります。

ファイブフォース分析とは

ファイブフォース分析は「5つの観点から業界の構造や参入の魅力度を判断」

ファイブフォース分析は

  1. 「新規参入者の脅威」
  2. 「代替製品の脅威」
  3. 「仕入れ先との交渉力」
  4. 「買い手(顧客)との交渉力」
  5. 「同業他社との競合」

の5つの観点から業界の構造や参入の魅力度を判断します。

自社が現在置かれている状況ではなく、自分なりの観点を発見することが目的です。この20年でインターネットが産業のあらゆる面に普及して異業種からの参入は以前に比べて格段に容易になりました。

しかし、ファイブフォース分析の視点で見えてくる業界の構造はそう簡単に変わるものではありません。既存の業界をきちんと分析して自分の視点を見つけるために、ファイブフォース分析をぜひ身につけましょう。

 

ファイブフォース分析の目的

ファイブフォース分析の目的は、参入したくなる魅力的な市場を発見することです。現在の自分のポジションや強みはいったん棚上げして、自由な5つの視点でビジネスが成功しそうな市場の魅力を発見しようという態度がポイントです。その上で、自社に足りない部分を補っていくことで戦略を具体化していきます。

 

ファイブフォース分析の詳細

 

  • 新規参入者の脅威
    新規参入するときの参入障壁がどのくらいあるかです。参入障壁が低ければビジネスはスタートしやすいですが、参入した後は競激しい競争が待っています。逆に参入障壁が高ければ安定した地位を築くチャンスはありますが、ビジネスのスタートに時間がかかる場合も多いです。

 

  • 代替製品の脅威
    ライバル社の製品やサービスが自社のものより優れている場合、顧客が製品やサービスを乗り換えてしまう可能性があります。

 

  • 仕入れ先との交渉力
    仕入れの交渉力が強いと、仕入原価が高くなり市場での競争力が削がれます。大量ロットで仕入れることや、支払いサイクルを短くするなどの工夫が必要です。

 

  • 買い手(顧客)との交渉力
    買い手の交渉力が強いと、価格引下げ圧力を常に受けることになり、収益性が低下する可能性が高くなります。

 

  • 同業他社との競合
    業界内の競争が激しすぎると業者間のダンピング競争や顧客への値下げ競争が起こります。適度な競争は業界の発展に必要ですが、過度に激しい競争は業界を疲弊させます。

 

ファイブフォース分析の使い方のステップ

 

「新規参入者の脅威」 インターネット業界を例にすると・・・?

【難】
すでに取引先とのビジネスが固定化しているB to B業界では、いくらネットとはいえ新規参入するのは容易ではありません。
【易】
しかしB to Cのサービスではアイディア一つでユーザーを囲い込んでしまい、短期間にうまく収益化できた企業がたくさんあります。

 

「代替製品の脅威」 書店業界を例にすると・・・?

【難】
確かに本屋さんの数自体は減っていますので、同業他社の参入障壁は低そうですが、ネット書店という大きな代替製品の脅威があります。また、本を実際に手にとって確かめたいというユーザーのニーズも実は大きいのですが、そのため新規に出店する本屋は年々駅近くの立地で大型化の一途をたどっています。
【易】
しかし、少し視点を変えて「店内の喫茶店で売り物の本が読み放題」「宿泊施設もある」などの新タイプの個性的な本屋さんは、街の本屋の減少した隙間をついて、それぞれの地域で人気を博していたりします。

 

「仕入れ先との交渉力」 化粧品、健康食品業界を例にすると・・・?

【難】
一流ブランドのコスメやアクセサリーなどはブランドイメージの維持のために、新規参入者が有利な価格で仕入れるにはハードルがあります。
【易】
しかし、健康食品やベンチャーの化粧品メーカーなどでは積極的に販路を開拓したいと思っており、価格交渉の余地はかなり大きいといえます。

 

「買い手(顧客)との交渉力」 家電販売業界を例にすると・・・?

【難】
この業界で買い手となる人は、まずネットの価格比較サイトを参照するでしょう。さらに、大手の家電量販店を訪れたお客さんも、「他の店ではもっと安い」という言葉を躊躇なく店員に投げかけてきます。
【易】
工事取り付けを無料でやってくれたり、使い方がわからない人に丁寧にサポートしたりする地域のお店は、今でも存在感を維持しています。そうしたお店では量販店より高い値段をつけていたとしても、店側の設定した値段がそのまま受け入れられるケースも多いです。

 

「同業他社との競合」 学習塾業界を例にすると・・・?

【難】
少子化の影響で受験生の数自体が減少の一途をたどっているので、大手であっても合併や資本提携が相次いでいます。
【易】
インターネットを使ったオンライン学習は逆に市場が拡大し続けていますので、使い勝手の良い質の高いサービスを用意してユーザーを囲い込めば、パイを大きく広げる可能性があります。

 

ファイブフォース分析の具体例

「おいしい市場」に自分なりの視点を見つけられるかのコツはこれだ!

  1. 「新規参入者の脅威」
  2. 「代替製品の脅威」
  3. 「仕入れ先との交渉力」
  4. 「買い手(顧客)との交渉力」
  5. 「同業他社との競合」

の5つの視点から業界を観察するイメージがつかめたと思います。
今度は、自分の関心のある業界に絞って5つの視点から強みを考察してみましょう。もし自分が参入したい業界で5つの視点がすべて【難】であった場合には残念ながらその業界でビジネスを展開するとはむずかしいでしょう。

しかし、ゼロでなければ自分らしい視点を見つけることは可能です。

それは【難】の部分を別の視点で考えてみることです。先ほどの2の例で考えてみましょう。

 

  • 「すでに取引先とのビジネスが固定化しているB to Bネット業界」であっても、自分の出身の業界のコネを使って販路を切り開くことは可能です。
    ⇒「新規参入者の脅威」 を「大手との業務提携」で解決!

 

  • 「ネットや大型店との競合が考えられる書店業界」が考えられる書店業界でも、喫茶店、宿泊やゲームソフトの併売などで個性化することは可能です。
    ⇒「代替製品の脅威」を「多角化とシナジー効果」で解決!

 

  • 「一流ブランドのコスメやアクセサリーなどは仕入れがむずかしい化粧品通販業界」ですが、メーカー直接交渉ではなく、大量の仕入れを前提として卸問屋と交渉するという手があります。
    ⇒「仕入れ先との交渉力」 を銀行借入、VCからの出資などの「資金力」で解決!

 

  • 「家電製品はお客さんが来店前にネットの価格比較サイトを参照する家電販売業界」ですが、アフターサービスを充実させるなどで過度な値引きを避ける方法があります。
    ⇒「買い手(顧客)との交渉力」を「付加価値」で解決!

 

  • 「少子化の影響で受験生の数自体が減少の一途をたどっている学習塾業界」でも、オンライン学習で提供することで、パイを拡大することができます。
    ⇒「同業他社との競合」を「ブルーオーシャン戦略」で解決!

 

ファイブフォース分析をやるときのポイントとは

活用のポイントは、【難】の部分があったとしても、あきらめず別の角度から考えられないか掘り下げることです。
逆に言えば、自分なりに【難】の部分の解決方法が見つけられれば、それこそが自分のビジネス展開の戦略の基礎になり、具体的にビジネスをスタートする出発点を探し当てることができたのだと言えます。

 

まとめ

いかがでしたか?就活生のやる業界分析は「社会に自分の居場所をみつけること」、つまり業界の構造に自分自身を合わせる非常に受身的な態度だと言えます。

ファイブフォース分析で、業界に自分なりの切り口をみつけ、それを能動的に自分のビジネスチャンスとしていくことをぜひ実践してみてください!

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